バリキャリじゃないわたしが「半育休」を取りたくてあがいた話
育休中も部分的に働く「半育休」。このnoteでは、わたしが半育休を取りたくて会社と交渉した話を書いていきます。
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半育休について調べ、自分の考えを整理した上で、今の会社で半育休をとることは可能なのか相談することにしました。
[第一ラウンド]直属の上司
まずは直属の上司に、妊娠の報告と同時に半育休を考えている旨を相談。少人数の部署から半年差で産育休が2人出る状況だったので、上司はそれはそれは頭を抱えていました。そんな状況も踏まえて、少しでも会社の役に立ちたいし、自分としても仕事を細く長くでいいので続けたいと伝えました。
わたしの性格や仕事への考え方を理解してくれている上司だったので「育休中に働きたいなんて変わり者ですよね」と言いながら、和やかな雰囲気で面談は進みました。
上司としては「申し出はありがたいものの、やはり無理はさせられない」との回答で、社内で前例のない半育休については、まず人事部門と確認だねという話になりました(当然の流れです)。
[第二ラウンド]人事課長
半育休は「育休取得者本人の意思である」ことが前提条件のため、人事部門のマネージャー(課長)への相談は上司ではなく、わたしが自ら行うことにしました。
嘘がつけない正直な人柄の人事課長の回答は「あなたの考えはわかるけど、うちの会社では無理」というものでした。
「あなたの言い分は分かるし、厚労省で制度として認めていることも分かった」「しかし現状の社内育休規則にない形なので、制度の見直しをしないとできない」「組合の同意も必要だし時間がかかる、今回は間に合わない」「前例を作りたくないのが本音」「あなたの立場や性格なら問題なく半育休で仕事ができるかもしれないが、そうではない人もいる」「他の育休取得者にプレッシャーになる可能性もある」などなどの反応でした。
「頼むからおとなしく休んでくれ」という人事課長からの空気。立場を考えたらそりゃそう返すしかないよな~、変なこと言い出す社員で困らせてすみませんねぇと思いつつ、諦めたくないわたしは、会社と従業員個人の覚書のような形で半育休についての約束を結ぶことができないか提案をし、またご相談します、と、面談を終えました(人事課長は迷惑そうでしたが)。
[ハーフタイム]東京都ろうどう110番
人事課長との面談を終えて「育児・介護休業法で半育休を認めているのに、会社の規則でできないっていうのはどうなんだろうか」と疑問に感じ、東京都ろうどう110番に電話相談をしました。電話口で相談に乗ってくれた職員の方によると「法律(育児・介護休業法)は最低限の保証。それを上回るのが社内規則」とのこと。今回のパターンは、わたしとしては守られている枠がむしろ不要、という状況でした。前例をつくりたくない、という人事課長の意見に対して「本人の意思による特約であり、前例には該当しない、という内容を含めて覚書を提案してみては」とアドバイスをいただきました。
[第三ラウンド]人事課長(2回目)
「出来ない理由じゃなくて出来る方法を話し合いたいんです」という姿勢で挑んだ2回目の人事課長との面談(我ながら偉そう…)。
直属の上司とも相談しながら、半育休の条件である「臨時的・一時的な仕事」を想定して覚書のたたき台を作成し、自分の意思を伝えました。2022年4月に控える改正育児・介護休業法についても触れながら、テストケース扱いでいいので半育休を認めてくれないかと相談をしました。しかし「私からこの内容を上申することはできない」と言われたので、じゃあいいです、自分でさらに上層部にかけあいますから、と仁義を切って、その上の人事部門の部長と話し合いをすることにしました。
[第四ラウンド]人事部長
人事部門の部長は過去に部署横断プロジェクトの責任者としてお世話になったこともある人で、わたしの考えや性格は比較的理解してくれている方でした。
が、結論としては「半育休を取れるとも取れないともいえない」的なむにゃむにゃっとした回答をされたのみでした。覚書は結ばれることはなく「まずは無事出産し、育休に入ったタイミングでもしそのような状況があったら、そのときに考えましょう」と、先送りされました。
悔しかったので、最終勤務日に役員室へ挨拶に行ったついでに、育休中も働きたかったけど叶わなかった旨を自分の言葉で伝えてから産休に入りました。
そしてどうなったか
妊娠中、約半年かけて半育休の交渉を行いましたが、わたしの勤め先では認めてもらえませんでした。
個別対応はできないという人事の立場や言い分も十分理解できるし、自分のために制度を変えてほしいなんてワガママを言うつもりもない。直属の上司は出来る限りの協力と応援をしてくれました。でも、残念だったのは事実です。
上の子の学童問題もあり、その後わたしは「産後2か月で育休復帰する」ことを選びます。
※こちらについても今後noteで書いていきます
今回分かったことは、いわゆる半育休は国の制度として存在するけれど、実際にそれが叶うかどうかは会社の規模や制度、また本人の置かれた立場次第ということ。また、制度が整った大企業やホワイト企業であるほど、労使の個別交渉は難しいので半育休は実現しづらいのではないかということです。反対に、ベンチャーや中小企業であれば半育休は実現する可能性があるかもしれないと感じました。
働き方と休み方は表裏一体。働き方に多様性を持たせるのであれば、休み方にもグラデーションがあってほしいです。
わたしの半育休は実現しませんでしたが、なぜ半育休を取りたいのかを考えたことは、自分は何を大切にしたいのかを整理するよい機会になり、決してムダにはなりませんでした。このときに整理した自分の優先軸をもとに産後2ヶ月での育休復帰を選びましたが、まったく後悔はありません。たくさん考えたからこそ、計画的な保活ができたこともよい点でした。
育休中に働きたいと思う人はあまりいないかもしれませんが(笑)わたしの経験がどなたかの参考になればうれしいです。
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