井の頭通り

東京には数多くの通りがある。大阪にいた時など、通りの名前など生きる上でそこまで気にしていなかったが、東京に来てから街を歩くということの楽しさ面白さに気づいてからは道の通りが気になる。そのせいか、この前大阪に帰省した際には、大阪にも立派な通りが沢山あって、歩きがいのある街だと再認識し、僅かながらではあるが、1日だけ自由な日があった際には6時間という限られた時間のなかで思うがまま気の向くままに歩き続けていた。さて、東京に話を戻すと、これまた日々時間があれば気の向くままに街を歩いているわけだが(東京という街は電車の駅の間隔が極端に狭い、山手線の新宿と代々木の間隔が顕著だが、短いため、電車なんぞ使わずとも歩けてしまうわけだ。しかも、思うがまま、進んだり戻ったりも自由、やっぱ気になるなと思えば戻れる。電車であれば、あのビル気にななんて思っても、駅を発車してしまえば、戻ることはできない。できることはできるが、時間がかかる。さらには電車賃がかからない。浮いたお金でパンを一つ多く買うことができる。そんなことができるのは暇な大学生であるからではあるが。)いつも通り、お気に入りのルートである、山手線の原宿駅で降車し、代々木公園とNHKの間の道沿いを代々木八幡に向かって坂を下り、代々木八幡の商店街にあるPATHでクロワッサンを買い、365日はスルーし、小田急線の踏切を越え、初台方面に向かって足を進め、待ちに待ったカタネベーカリーに向かった。土曜日の朝という、社会人にとってはここしかないという時だけあって、パンを買うまでに20分ほど列に並んでいた。すでに、PATHでクロワッサン3個(内1つはすでにカタネベーカリーに向かう途中で食した。残り2つは家族と感動を共有する用)とフィナンシェ1個を買い1190円も使ってしまい、抑えめにいこうと食パン1斤だけを買い店を後にした。でも、そもそもカタネベーカリーは安い。どうしてあんなにも良心的な価格でパンを提供しているのだろうか。こうべやなど何を考えているのかと言わんばかりの味と価格と店の佇まい。価格はそんなにも気にしないが。店を出てくる人はみんな袋いっぱいにパンを買っている。大阪にいた頃、パン1個1個の値段がそこまで高くなく、週末などは大量にパンを朝近くのパン屋に買いに行っていたことを思い出す。

ここまで書き出すと止まらない癖で、かなり長く振り返ったがここからが本題。カタネベーカリーから代々木上原駅まで歩き、そこから代々木八幡方面に向かっていた時のことだ。ふと、Google Mapで現在地を見ると、井の頭通りの文字。井の頭?

井の頭?
この道をこのまま行けば、あの井の頭公園に繋がっている?
心が躍った。道のつながりフェチだからだ。やはりGoogle Mapを井の頭通り沿いにスクロールして行くと自分の中では最近お馴染みの井の頭公園まで辿り着いた。(吉祥寺につい最近まで行ったことがなくて、この前なんの用もないが、パン屋巡りをしたいというのと、そもそもCITY BAKERYがあるのだが、井の頭公園に行ってみたいという思いで、吉祥寺にまで行き、その街並み、高い建物がなく、皆がちょうどいい高さの建物、路面の店も小ぶりなものでどことなく洒落たものが多い。なるほどこれが住みたい街ランキング1位と言われる所以かと納得した。)
井の頭通りを代々木八幡方面にスクロールしていくと、なんと代々木八幡の交差点、代々木公園とNHKの間の道に立ち向かう交差点のちょうど手前でぐぅうんと右に急カーブしているではないか。なんだこのカーブは。まるで西武新宿線の下落合駅から高田馬場駅にかけてのあの意味のわからない急カーブのようだ。そもそも、代々木公園とNHKの間には今現在のような大きな道路は存在しなかったのだろうか。原宿方面に向かう道が欲しくて後から作ったものなのだろうか。そういえば、代々木公園とNHKの間の道路と表参道からの道が交わる原宿駅前の交差点を思い起こすと、それら二つの道はちょうどゆるいS字のような形でつながっていたと気付いた。井の頭通りをそのまま、NHK沿いに沿って進むと最終的にはLoFtのそばを通って、西武渋谷のA館とB館の間を通って終わっている。今まで何どと、渋谷に来た際には井の頭通りという文字を目にしてきたが、何とも感じなかったのが逆に怖い。やっぱと道は面白い。こんなところにつながっていたのか。脳の中でのあは体験。街歩きはやめられない。

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