「建設的対話」とは何か?
前回のnoteでは「建設的合意」とは何なのか、という内容に焦点を当てながら、それができない理由や「建設的合意」に必要なものについて説明させていただきました。
今回は前回「建設的合意」に必要なものの中で触れた「建設的対話」について紹介していきます。
「対話」とは何か
そもそも対話ってなんなのでしょうか。辞書的な意味として「対話」は以下のように定義されていました。
直接に向かい合って互いに話をすること。また、その話。多くは二人の場合にいう。対談。
-精選版 日本国語大辞典-
似たような言葉として「会話」や「議論」、「討論」といった言葉があります。コトバンクさんで辞書的な意味を調べて、これらの言葉と「対話」は何が違うについて考えてみました。
1 会話
-二人以上の人が集まって互いに話をかわすこと。また、その話の内容。
2 議論・討論
-互いに、自己の意見を述べ、論じ合うこと。意見を戦わせること。また、その意見。
もう少し詳しく対話というものを見に行くと、会話と対話の違いについて株式会社ソフィアの古川さんの記事では対話はお互いの立場や意見の違いを理解し、そのずれをすりあわせることを目的に行うものと定義されています。
会話には明確なゴールがないのに対して、対話では何かのテーマに対してお互いに意見を言い合う、というような見解もあります。
対話は英語で言うとDialog(ダイアローグ)といい、その第一人者であるデヴィッド・ボーム氏のダイアローグから対話の意味を引用してみます。
この「対話(dialogue)」という言葉に、私は一般に使われているものといくらか異なった意味を与えたい。意味をより深く理解するには、言葉の由来を知ることが役立つ場合が多い。「対話(dialogue)」はギリシャ語の「dialogos」という言葉から生まれた。「logos」とは、「言葉」という意味であり、ここでは「言葉の意味」と考えてもいいだろう。「dia」は「〜を通して」という意味である-「二つ」という意味ではない。対話は二人の間だけではなく、何人の間でも可能なものなのだ。対話の精神が存在すれば、一人でも自分自身と対話できる。この語源から、人々の間を通って流れている「意味の流れ」という映像やイメージが生まれてくる。これは、グループ全体に一種の流れが生じ、そこから何か新たな理解が現れてくる可能性を伝えている。
ここから導くに対話とは「価値観の違うもの同士が共通のゴール・目的を目指して言葉を通じて行うコミュニケーション」と言えるのではないでしょうか。
「建設的対話」とは何か
私たちは建設的合意のための対話を「建設的対話」と呼んでいて、以下のように定義しています。
互いの意見や価値観は異なることを前提とし、その違いを受け入れあいながら目的に照らして、Win-Winとなる合意形成を紡ぎだそうとするコミュニケーション
さらに詳しく見てみると以下のように図式化できます。
画像に照らし合わせてみると、建設的対話というのは大きく5つのステップがあると考えています。それぞれのちょっとした説明は以下の通りです。
1 信頼関係構築
-対話に限った話ではなく、コミュニケーションを取るにあたって相手を「攻撃してくる敵」と考えるのではなく、信頼できる人間と見てもらうと建設的に進みやすいです。
2 相手の意見をヒアリング
-まずは自分のことを伝えるのではなく、ひたすら相手のことを知るためにヒアリングに徹することが重要です。
3 自分の意見を伝える
-自分の意見も相手の意見と同様に重要です。相手を尊重して遠慮すると建設的関係は築けないため、お互いの意見の違いも含みながら伝えることが重要です。
4 すり合わせを行う
-ものすごく重要ですが省かれていることが多いです。どちらの意見が合ってる間違ってるではなく、目標に対して解決策や合意形成をしていくプロセスです。
5 合意
-ここまで建設的対話ができたのなら、対話をして満足でとめず具体的な施策に落としていくことで建設的対話、建設的合意が完成します。
以上の5ステップに基づいて対話し、建設的な合意形成を行っていくのが建設的対話です。
終わりに
今回は「建設的対話」についてご紹介しました。次回はより詳細を掘り下げていきたいと思います。noteでご紹介している「建設的合意」に関しましては、日々Twitterでも情報発信を行なっております。よろしければフォローお願いします!
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