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【ネタバレ有】『GQuuuuuuX』初日に観てきたよルポ


 スタジオカラーがガンダム新作を手掛けるとあらばこれはもう観に行かないわけにはいかん!! てか観なきゃダメ! マスト! 義務!!! チケット代は納税と同じ!!!

 というわけで、早速朝8時の回を鑑賞してきたので、取り急ぎレポートをば。興奮冷めやらぬ状態で書いてるので記憶などだいぶ混濁していると思われますがご了承くださいませ。

 あ、めちゃくちゃネタバラシするのでそこんとこヨロシク。

 それと、パンフレットは買ったけどまだ読んでません。なので、ここに書いた内容はパンフの中でとっくに説明されているかもしれませんがご了承ください。


ガンダム、いよいよそこに手を出すか


 けっこう早い段階でリーク情報が出ていましたが(僕も見ちゃってました。悔しい)、やはり本作『機動戦士Gundam GQuuuuuuXジークアクス』(以下『GQuuuuuuX』)は「一年戦争でジオン公国が勝利したあとの物語」です。サイド7へV作戦の偵察に訪れたシャアがそのままガンダムとホワイトベース(本作ではその名前では呼ばれないけど)を持ち逃げし、その後ジオンによって赤く塗られたガンダムがシャアの愛機として大活躍。ザビ家などジオンの主要人物はあらかた生き残り、連邦政府は戦争継続を放棄してジオンと停戦交渉を結んだ・・・・・・というのが導入部。


 なんというか、「とうとうそこに手をつけるとは、ガンダムもいよいよ本気を出してきたか」というのが第一印象。

 というのも、ガンダムシリーズってこういう「if(もしも)の歴史」っていうのをほとんどやってなかったんですよね。ゲーム作品とかではちょいちょいあったけど、本筋となるアニメシリーズにおいては「初代から続く宇宙世紀という強固な軸がまずあり、そこから枝葉を伸ばしていく」というスタイルを頑なに維持していました。

 ですが、もうかれこれ40年近くシリーズを続けていくなかで「ひたすらに年表を継ぎ足すか隙間を埋め続けることで新作を作る」という商法がいよいよ限界を迎えつつある感は拭えませんでした。'90年代以降は展開を広げるために宇宙世紀ではないタイムラインを舞台にした作品(『SEED』とか)もいろいろ作られたものの、おおもとである“宇宙世紀のタイムライン”はある種の聖域として扱われているフシがありました(並行世界の宇宙世紀を舞台にした作品というと『サンダーボルト』がありますが、あれは初代から枝分かれしてるわけではなく完全に別の世界なので他のアナザーガンダムに近い位置付けです)。


 宇宙世紀というブランドの耐用年数が限界に達し、シリーズの展開における足枷になっていた。その閉塞を打破するべく、いちどおもちゃ箱をひっくり返すことで生まれた混沌から新たなタイムラインを展開するのが本作の目的だと僕はニラんでいます。ようは、MCU(マーベルコミックのヒーロー映画のシリーズ)がマルチバース(無数に存在する並行世界)の設定を導入したのと同じ理屈です。過去のシリーズで積み上げてきたものをグチャグチャにかき混ぜることで「なんでもアリ」の環境を作ったわけです。

 本作では「ジオンがもともと予定していた新型機の開発を中止してガンダムの量産に舵を切った」ことが作中で言及されており、主役機であるジークアクスも純ジオン製の機体です(だから名前に“ジーク”ってついてるのかな)。ジオンの技術で作られる新たなガンダムたちなんて、ファンならワクワクするに決まってる設定です。おそらく今後はシャリア・ブルやランバ・ラルなどおなじみのジオンキャラたちの専用機も登場するでしょう。かつてのMSVのように、いくらでも新しい機体を出し放題=プラモなどのグッズも出し放題。素晴らしい!! というのがバンダイの目論見だと思われます。たぶん本作『GQuuuuuuX』は、今後5年、10年と展開していく新たなシリーズのキックオフ作となるのではないでしょうか。

 おそらく本家本元たるサンライズでそれをやるのはいろいろと制約やら気後れやらあったのでしょう、二次創作っぽい志をもつスタジオカラーとの共同プロジェクトになったのも納得です。

 逆に言えば、そこまでする必要を感じるほどにバンダイナムコグループが焦りを覚えているということかもしれませんが。

で、肝心の内容はどうだったの?


 さっきからメタな話ばかりで作品の話をしていませんが(これだからガンダムファンは)、ここからは本編の中身にも触れていきます。


 まず、本作のサプライズだったと思われる「実は宇宙世紀」のタネ明かしをいつやるのかと思ったら冒頭から仕掛けてきたのにはたまげましたね。

 「宇宙世紀0079、人類が増えすぎた人口を〜」という初代『機動戦士ガンダム』第一話の有名なナレーションから始まり、シャア率いる3機のザクがコロニーに侵入。そこでは連邦の新型モビルスーツの実験が行われていて・・・・・・という、ようは本作冒頭は初代の第一話の実質的なリメイクです。とはいえ、先述のようにここでガンダムに乗るのはアムロではなくシャアですけど。

 効果音やBGM、アングルやテロップのフォントなどといった演出も初代を完コピ。まさかというかやはりというか、あまりこういう言い方はしたくないけど「これ実質シン・ガンダムじゃん! ほんと好きだなアンタら!」とツッコまずにはいられません。というより、僕らのほうが転がされていると言うべきでしょう。さすがスタジオカラー、自分たちが何を期待されているか完璧に把握してらっしゃる。


 そんなこんなで序盤は「ifの一年戦争」パートにけっこう尺を割いています。本作はテレビシリーズ序盤を一本の映画にまとめたものらしいので、おそらくこれが第一話に相当する部分なのかな?


 その後は主人公のマチュやニャアンたちメインキャラクターが登場しつつ、シャリア・ブルらジオンサイドのストーリーも同時に進んでいきます。


 マチュは市街地でのモビルスーツ戦闘に巻き込まれた際に偶然ジークアクスを手に入れ、仲間たちとともにクランバトル(2機のモビルスーツでチームを組んで戦う賭け試合)に挑むことに。マチュのパートナーである謎の青年シュウジが乗るのはかつてシャアの愛機だった赤いガンダム。一年戦争の終盤、ソロモンの爆発とともに行方不明になっていたはずのガンダムをなぜシュウジが? もともと乗っていたはずのシャアはいずこへ? 全ては今後のテレビシリーズで明かされるのでしょう。いやー、楽しみだなあ!


その他、細かい気になりポイント


キャスティング

 とりあえずいちばんビックリしたのはシャアの声が変わってたこと。ただ、本作の狙いが先述した通りならば今後ガンダムを100年続くブランドにするためにもキャストの代替わりは必須なわけだし丁度いい機会なのかもしれません。にしても「思い切ったなぁ」と思うけど。


連邦の白いやつ

 ストーリー面での注目ポイントを挙げると、まずいちばん重要そうなのはシャアがソロモンで遭遇した白いモビルスーツ。なんかめっちゃ強いらしいのでてっきり「アムロ!?」と思ったら乗っていたのはまさかのアルテイシア。

 「え、なんで!? どういうこと!?」と戸惑う観客をよそに、そのあたりはさらっと流されてその後は触れられません。これもテレビシリーズのストーリーに関わってくるのか、あるいは僕の予想する“シン・MSV構想(仮称)”の前フリなのか?


“向こう側”ってなに?

「これは・・・・・・ときが見える!」
「君は向こう側から来たのか!?」

 これは本作におけるシャアが失踪する直前に残した最後の言葉です(うろ覚えだけどだいたいこんなことを言ってました)。

 シリーズファンにはお馴染みのニュータイプ能力による感応ですが、本作で「刻が見えた」のは今のところシャア、マチュ、シュウジの3人(あとシャリア・ブルも?)。この3人の関係性が今後の鍵になりそうです。

 そして肝心なのはシャアが“向こう側”で遭遇した“君”というのが何者なのかという点ですが、これに関しては中盤でマチュなのではないかという匂わせがあるものの実際は不明。マチュが光の中で赤いガンダムを見つけるシーンがありますが、ガンダムにはシャアだけでなくシュウジも乗っているのでどちらと出会ったのかは現段階ではわかりません。

 もしかしたら、シャアの見た“向こう側”は「正史の宇宙世紀」だったりする? というのはさすがに考えすぎ?


シャアはどこへ消えた?

 結局、ソロモンで“刻が見えた”直後にシャアはそのまま行方不明に。残された赤いガンダムはシュウジの手に渡ったようですが、シャアはどこへ行ってしまったのでしょう?

 これは僕の仮説ですが、おそらくシャアの意識は赤いガンダムに宿っているのではないでしょうか。シュウジが「戦えとガンダムが言っている」と意味深なセリフを吐いていましたが、彼に呼びかけていたのはガンダムに宿ったシャアの残留思念なのでは。かなり突飛な考えではありますが、ガンダムシリーズは『 UC ユニコーン』において“ニュータイプ”の能力をめちゃくちゃ拡大解釈して実質なんでもアリにしちゃった前科がありますから、これぐらいのことはやってくるかもしれませんよ。


ジークアクスの本来のパイロットはどうなる?

 民間人の少女に新型機をパクられたうえ、市街地での戦闘行為で現行犯逮捕されてしまったジオンの新米パイロットクン(名前忘れちゃった。ゴメン)ですが、彼も今後のテレビシリーズでメインキャラのひとりになるのでしょうか。だとしたら、マチュとの邂逅はあるのか? ふたたびモビルスーツのパイロットに返り咲くことはできるのか? 彼の行く末が気になります。もしかしたら、本作における“愛されキャラ”枠(前作『水星の魔女』のグエルみたいな)は彼なのかもしれません。


ニャアンが運んでたブツって・・・・・・(2025/1/17 13:56追記)

 完全にテム・レイの回路だったよね。隣の席のオタクくんが声出して笑ってました。

 あの世界のハードディスク(?)はみんなあの形なのか、それとも本当にテム・レイの回路なのか? 少なくとも、あの世界でもテム・レイは生き延びてると思うんですよ。コロニーに穴が開かなかったからたぶん酸素欠乏症にもなってないし。とはいえ、アムロと再会することもなく、ガンダムをみすみすジオンに奪われたことを悔やみ続けながら研究に没頭しているとしたら余計に悲惨かも。そんなテム・レイの形見でもあるガンダムのパワーアップ回路ですが、1stでアムロから「こんな古いもの」呼ばわりされていたあの回路がここにきて重要な意味を持つことになったのかもしれない、と考えるとちょっとワクワクします。


 なんにせよ、今後のテレビシリーズを引き続きウォッチしていくのが楽しみです。

 じゃ、また。

朝イチの回で観に行ったのに、劇場のガンプラは完売してました。おそるべし。


結局、近くのヨドバシで無事購入。レジの前にはものすごい行列ができており、購入にはポイントカードの提示が必須でした。


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