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日記:年明けより戒をこめて ~最近やってるゲームとか~

 よーっす。

 日記と題打っているとおり徒然なるままにどうでもよいことを書いていきます。最近のようすとかやってるゲームの話をします。

※本記事のほとんどは全年齢向けの差し障りのない内容ですが、一部R-18要素・センシティブな記述を含みます




気がついたら年が明けてて虎眼先生になってる

 溜めに溜めた去年聴いた音楽のまとめを「…暇だな!シャーレ行って総決算すっか!」とアオイちゃんくらいのノリでやってしまったので反動で正気を失った岩本虎眼になっています。

 冬季休暇を突っ込んで1万字以上の記事を2本も書いた結果、当たり前ですがほかにさして何もできていないのでだんだん自分の記事を書く習慣がヤバい域に入ってきてるのかなという気がしてきています。たぶんもう無意識に記事を書く体質になっているんじゃないかな……。
 正直、自分でも……こう…メモ魔というか……可処分時間に対してnote書きすぎなんじゃないかという自覚はあるんですよ。去年から薄っすら感じているのですが「今週はゆっくりゲームするぞ!映画見るぞ!」とか思ってても気がついたら土日が終わって月曜日の朝noteに怪文書が残っているという”From the nothing, with Love.”状態に陥ることがあります。
 まさか……おれという自我のほかに自動化された無意識の自分が存在しているのではないか……?なんだか不安になってきたよタイラー、おれ大丈夫なのかな………。(虚空に話しかける)


 そのへんもあるので今年の抱負として

  • より早く文章を組み立ててさっさと記事を書き終わること

  • 削った時間をもっと本読んだりインプットに割り当ててずのうしすうを上げること

  • そもそも時間がないのにこんなに大量に記事を書くな

 を掲げてセルフ管理メント重点していきたいと思います。言うだけならタダ!


最近やってるゲームの感想とか

 Steamのウィンターセールで40個くらいゲーム買った(ウルトラ・バカ)のでちょっとずつ触っています。まったく触らない積みゲーにすると良くないので…。
 本格的に攻略しているというわけではないのですが、ちょっとやった感想とか書いておきます。


Awaria

 いきなりセール関係ねえじゃねえか!と言われそうですがAwariaをノーマルクリアしました。ハードもやらないといかんのですが、終盤だけ難しかった前作とは違い今作は全ステージでシビアな操作を求められ「もう十分堪能したよ!」と悲鳴が出ました。マジでハゲるかと思った。ただまあ今回もいいゲームではありました。

 Awariaはあの名作パズルゲーム、Helltakerを作ったvanripperの新作パズルアクション。地下施設のメンテナンス作業員となって次々壊れるオンボロ施設を片っ端から直してまわろう。驚くべきことに今回も無料!おまえらもインストールしてマルチタスク作業でハゲろ!
 制作に難航したらしいですが、やはり例のごとくアートワーク良し、Mittsiesなので楽曲も良しと、盤石の布陣で固めたハイクオリティぶり。難易度は高めながらサクッとリトライでき、この手の反射神経を問われるアクションが苦手なおれでも2時間ちょっとでクリアまでこぎ着けられました。

 今作のテーマはソフトな百合で終始ニヤニヤできましたね。キャラデザも個性がよく出ててかっこかわいい感じで良い。
 この作者さんはキャラ同士の距離感がかなり上手いというか、必ずしも性愛とか恋愛に決めきらず「仲が良い」でとどめて細かいところはこちらの想像に任せてくれるのがいいですよね。友情かもしれないしそれ以上かもしれないし……と少年誌レベルでまとめてくれるのでそのへんのバランス感覚がすごい。
 前作に続きご厚意で私家版翻訳パッチを作っておられる陽炎01型氏もそのあたりのニュアンスを汲んでらっしゃる。ユーモラスにキャラ立ちさせつつも彼女らのちょっとドライな関係性を重視している感じ。


 主人公ちゃんも良いんだけど、パイセンが超かっこよかったな。スポイルしたくないからこまけぇ話は黙っておくけどブラック環境で生き抜いてきたベテランのかっけえ先輩感がシブいです。面倒見いいとこも好き。そのうちファンアートでも描きたいね。
 楽曲面ではHeartbreakerのベースがHelltakerのVitalityを踏襲したリズムになってたのが好きですね。前作でフィーチャーされ爆発的にヒットしたのでMittsiesにとっても思い出深い曲だったんだなと偲ばれます。

 ハゲるとか難しいとか言ってはいるものの本作は難易度が3つ用意されており、おれはノーマルとハードだけ遊んでるせいで苦しんでるだけなので、イージーならそこまで苦労しないでちゃんと進めると思います。みんなもAwariaやろう!おれもやったんだからさ…!


Ballionaire

 遊んでみたらキミ写真と印象違わない……!?になったゲーム。

 決して面白くないとかつまらないということは無いんですが、こちらの想定していた内容よりはるかにマジメな設計のゲームでちょっとびっくりしています。
 おれのイメージでは右下からビーバーが出てきて「スグレ技!」とか吹き出しカマしてきたり別になんもすごいことしてないのに第九がかかるバカみたいな作品じゃないかと思っていたので、思いのほかしっかりとしたローグライトで戸惑う。

 Ballionaireは上からボールを落として触ったオブジェクトに応じていろいろ効果が発生するパチンコ(たぶん正確にはスマートボール)ゲーム。オブジェクトの効果でカネを稼ぎ、パチンコ教団に上納金を支払っていく。
 このパチンコ台を自分で作れるというところがミソで、うまく上納金を払っていくためにオブジェクトの配置を工夫する必要があるんですね。自分は頭がRisk of Rainにやられている人間なので「ちょっと取得物を考えるだけでボールが百個くらい落ちてきてゲームを破壊できるのかな」と思っていたのですが案外そうでもない。


 出てくるアイテムにちゃんとシナジーとかレア度とか効果種別が存在し、上納金を納めるごとにレリックを貰えるなどだいぶしっかりしている。たとえば食材を取得するオブジェクトは盤面の上方に設置しておき、持っている食材に応じてお金がもらえる効果オブジェクトは下に置いとく……みたいな計画性が求められる。


 いまのおれは正月ボケでIQがダダ下がりのアホなんで「なんや適当にやっとればイケるやろ!」というノリでいたらかっちりビルドを組む必要のあるタイプのローグライトなので面食らいました。毎回ソシャゲのガチャで爆死してるので金銭感覚壊れてるオタクだと思ってたフォロワーが真顔でちゃんと資産運用してたみたいな印象。

 総じてべつに嫌ということはないんだけど今遊びたいゲームではないかな……と思いはするゲームかもしれません。
 なんだろうな、ちょっと宗派が違うというか…。おれハークズゲートの信奉者だからパチンコ教団とはソリが合わないのかもしれない。自分の親友と称するペットの猿に手榴弾くくりつけて爆死させときながら号泣するバカとかその従兄弟でたまたま捕まってないだけの放火魔を引き連れてシャブでもやってんのかみたいな会話しながらドライブするのが好きなので……。もうちょっと落ち着いて時間が取れるときに遊びたいかなという感じ。


女装フィッシング

 釣りのさなかに行方不明になった兄を探すため、釣りバカ少年のツリオくんが魚を釣ったり売ったりしながら行動範囲を広げて冒険するゲーム。あとなんか女装もする。

 水の流れに乗ってステージを下りながら、フックを活用して壁を登ったり電信柱にひっかけ遠心力で大ジャンプして進んでいく。フィッシングとは言いつつも魚にフックをぶつけて体当たりしたりするダイナミックなアクションゲームになっており、なんというか海腹川背のイメージに近い。ビュンビュンと動けるのでプレイしているとかなり爽快ですね。
 兄を探すためには足を伸ばして遠くまで行かなければならない。新しい釣り場(ステージ)を開放するには各種の新装備を用意する必要があるため、研究者のクロダさんにアイテムを支払って作ってもらおう。だがクロダさんはわりと金銭感覚がしっかりしている人なので求められる素材量が多く代金が高い。


 そこで脳破壊だ!!

 ツリオくんの協力者・ウツミさんの発案でツリオくんを女装させ、かわいさでクロダさんの脳を破壊する!!!!!!!おかしくなったクロダさんはきっと値下げしてくれるはずだ!!!!!!!!!!!!!
 ウツミさんの趣味………あっいや完璧で隙のない作戦によりツリオくんは様々なコスプレをしていくことになります。これもうFishingじゃなくてTrappingじゃないのか?

 何を言っているのかわからないと思うがおれもわからないしツリオくんもわかってないと思う。たぶんこの場で頷いてるのウツミさんだけだよ。クロダさんみたいな人がそんな手に引っかかるのだろうか……と至極まっとうな疑問を抱えつつ、ツリオくんはクロダさんに服を見せに行く。



クロダさんはダメな大人だった。

 クロダさんはかわいい女装男子にスキンシップを取ることで脳が破壊され金銭感覚がガバガバになりショップの売り物が95パーセントオフになるアホだったのだ。こんなんが研究者やってて日本のアカデミズムは大丈夫なのか?
 なにはともあれこれで支払える額までアイテム価格を引き下げられるので、ツリオくんをバシバシ女装させながらゲームを進行していこう。

 といった形でこのゲームには
①釣りをする
②素材を集める
③ウツミさんに新しい衣服を作ってもらう
④女装する
⑤クロダさんをアホにして値引きされたアイテムを買う
 という全くムダのない洗練されたサイクルのゲームデザインによりツリオくんの豊富な女装が盛り込まれている。……なんですかその目は?おれはシラフですよ。狂っているのはこのゲームですからね。おれの正気を疑うのはやめていただきたい。

 ナチュラルに狂ったテーマなのはともかくとしてキャラデザがフニフニしてかわいかったり釣りパートが動かしていて気持ちよかったりと出来が良い。女装男子も実は結構好きなのでCJDを拝めるのは助かります。作者さんの前作ハグサバイバーが好きだったので西谷とかくりこさんが出てきたのもうれしかった。
 いい感じに肩の力を抜いて遊べるゲームで今の自分には合っているなと思います。



それにしても この人 本当にダメだな…



Leap Year

 タイトルの意味は「うるう年」。跳躍の名にふさわしく、ジャンプを駆使してバラバラに散らばった2月の日めくりカレンダーを探しに行くプラットフォーマー。

 プレイヤーが操る白い人はジャンプで2マス飛び上がることができる。しかしあり得ないほどの虚弱体質で一度に1マスより多く落ちると死ぬ。自分のジャンプで死ぬリスクを常に抱えている究極生きづらいキャラクターなのだ。往年の膝の高さで即死するスペランカー先生と並ぶクソザコ足腰に驚愕を禁じ得ない。篠澤広のプロデューサーよろしくプレイヤーはいかにモヤシ主人公を頓死させずにこのバリアフルな世界を探索するか頭を悩ますことになる。
 ……頭を悩ますというかどちらかというと常時天井に擦り付けることになる。ジャンプボタンを押すと確定で2マス飛ぶので、意図的に天井で押さえつけることで高さを制限するか、元いた地面より1マス以上高いところに着地していくしか活路はない。ラジオ体操したら即死するような身体でよく今まで日常生活送ってこれたなと思うが、もうなんていうか……万事この調子で進んでいくので気にしていたらキリがない。その上昇志向だけは前向きに評価したい。

 しかしここが面白いところなのだが、ただ単に膝の爆弾を介護し続けるゲームではなく主人公の体質やマップの仕組みには例外が存在する。例外ルールを活用していくことでどんどん行けるところが増えていき、なおかつその例外がそれとなくわかるように設計されているのが上手い。
 まったくもって不自由でしかないマップの構造もゲーム終盤になるとその真価を発揮し舌を巻く。

 頭を使うゲームではあるがあまり重すぎず、気づいたことを色んなところで試すことでどんどん行き先が広がるワクワク感が非常によくできている。たぶんこれ以上遊んでたらちょっと嫌になるかな…と思う手前くらいのところで終わるサイズ感でコンパクトに収まっているところも好印象。


スペルトナエル

 見習いの魔法使い、ツーちゃん(ツーシュペート)といっしょに魔法修行の旅に出るローグライト。プレイヤーはハートのカーソルを操って入力ボードを駆け回り、魔導書に書き記した呪文を詠唱して敵と戦っていく。敵も負けじと弾幕を飛ばしてくるため、うまく避けながらスペルを唱えよう。


ゾクゾクするね

 戦闘パートが終わると魔法ショップに立ち寄ることができる。攻撃魔法、防御魔法、回復魔法にバフ魔法、召喚魔法を買ったり売ったりして呪文書に思い思いのデッキを作ろう。全く意味のないふざけた呪文も潤沢にあるのでそれで埋め尽くすのも一興だ。
 敵の攻撃を回避しながら唱えるわけだから、当然文字数が多い呪文だったりボード上の移動距離が長い呪文は不利となる。そこんとこも考慮する必要があるぞ。
 また、バフ魔法については一度唱えるごとに数値が加算され、ワンゲーム中は永続でステータス値が上がる。10回バフを唱えれば10回分上がるし次の日以降もそのまま引き継がれる。なので、すぐに攻撃魔法で敵にトドメを刺すのではなく……といった戦略性もある。


 基本的に一度唱えた魔法の効果は消えないため、終盤になると移動スピードを盛りすぎたせいでカーソルが制御できない速さでカッ飛んでいったり召喚したクソでかい犬が邪魔で前が見えねェ等々のトラブルも頻発する。大いなる柴犬には大いなる視界不良が伴う、ゆめゆめ忘れてはならない。

 他作品のパロディ呪文やバカげた呪文などもあり笑えるゲームだが、リスクと効果を吟味して戦術的に取捨選択していく必要があり、じっくり考えて遊べるゲームでもある。ゲーム自体の価格もこんなに安くていいのか?というほど安価なのでおすすめだ。



 そういや……ストアページにはツーちゃんは魔法を使えないとあるが……ではこの魔導書はいったい……いや、どうでもいい話だ。忘れてくれ。



ほりほりドリル

 もともとはスマートフォンでリリースされていたゲーム。開発を重ね要素を追加していき今回Steamでも発売と相成ったとのこと。
 これはまったくのダークホースだったと言わざるを得ない。ウィンターセールで買ったときはこれほど面白いゲームだとは思っていなかった。

 牧歌的なグラフィックに違わず、このゲームに敵キャラクターは登場せずただひたすら地面ブロックを掘っていく。Dome KeeperとかWall Worldでタイマーに急かされること無く土を掘れる、と言えば伝わる人には伝わるかもしれない。
 どんどん深く掘ることで順次機能が開放され、より快適になり、より装備のビルド幅も増えていく。先を目指すことでやれることが増えていくのでどこまで掘っても飽きない。それでいて自分を攻撃してくる敵などもいないしアイテムを失う恐れなどもないので、純粋にやりたいときにやりたいだけチマチマと掘っていける。


 ほりほりドリルは見た目こそ簡素ではあるが、ハクスラをよく研究し面白いところを抽出してゲーム内に落とし込んでいる。
 土を掘っているとドリルの設計図がドロップするので、同じく掘削で得た鉱石や宝石ブロックをマス目に詰め込むと新たなドリルをクラフトすることができる。使う鉱石が上等品であればあるほど採掘力(ブロックに与える掘削ダメージ)が上がり有利だが、相応のマス数を必要としたりクセのある形なので悩ましい。


 ドリルを作るときに使った材料によってランダムで特殊効果が付与される、というのもミソだ。採掘力一辺倒になっていると案外掘るのに時間がかかったりする。あえて少し採掘力を落として補助スキルを得やすい鉱石を嵌め、便利な効果の発現を狙うのも賢い。べつに誰も急かしてないので適当に作ったドリルでも良いのだが、こだわろうとすればこだわることもできる。
 ふたつまでドリルを装備して切り替えできるので、採掘とは別に移動用スキルをガン積みしたものをアシとして使ったりと自由度は高い。

 スマートフォン向けらしく手軽でいつでもできるとっつきやすさがありながら、深く潜り込める度量もある良タイトルではないかと思う。おすすめ。



エロゲー ※注 以下センシティブ



ヤリステメスブター


うわーん!!!!!
タイトルが酷すぎます!!!!!!!


 タイトルでこれ大丈夫か?と困惑し、ゲーム内容でこれ本当に大丈夫か?ともう一度困惑できるキワモノエロゲー。各種大人のサイトで買うことができるがSteamでも売っている。ただしタイトルがさすがに酷すぎるせいかSteam上では「ヤリモノ」と改題されている。残念ながら当然の結果


 ……あの、待ってほしい。わかる。言いたいことは。最近はこんなおれにも女性読者がついたり色々な層が読んでいるといったことも意識している。なぜこんなド直球でハード系なエロゲーを記事に?と思われても仕方ないだろう。
 驚くべきことにタイトルがひどいのにちゃんと正統派にゲームとして面白いんだよ、これ……。おれだってわざわざシモの好みをむやみやたらに公共に開陳する変態趣味はないよ…!でも面白いゲームを紹介しないのはゲーマーの主義に反するだろ……!?
 そういうわけで露骨な部分や性的な細かい描写はなんとなくボカしつつ、このゲームの魅力を伝えていきたい。


 ヤリステメスブターはいわゆるクリーチャーコレクターと呼ばれるゲームのひとつ。極めて某のゲームを想起させるものの一応こういう仲間を集めるゲームはいっぱいありますんでね。メガテンとかデジモンとかね。一大ジャンルになってますんで全然問題ないはずです。たぶん。
 本作はまあだいたい皆さんの想像通り、「ヤリモン」と呼ばれるモンスターを捕まえて育成し、トレーナーたちを倒してリーグ制覇を目指す…と非常にオーソドックスなゲームとなっている。


典型的なモブ顔のフッ太くん。なんか怪しい図鑑があるが後で説明する

 主人公のフッ太くんと相棒チケープは、毎日幼なじみのヒカリちゃんにボコられては1000円を巻き上げられるという灰色の青春を送っていた。旅に出たり手持ちを増やそうにもトレーナーの証・スターリングが彼だけなぜか光らず、チケープ以外は使役できないというどん詰まり状態。だが、ある日チケープがどんな相手でも一撃で倒すチートタックルなる技を覚え……?

 …といった導入から物語が始まる。
 このゲームは出だしがこんなんなのにここからのストーリーが正統派にアツく面白い。チートタックルというふざけた技名だけ聞くと「某社のゲームをパロって小馬鹿にしているのでは?」と思ってしまうが実際にはそんなことはなく、いままで満足に人並みのトレーナー人生を送ることができなかったフッ太くんが自信をつけ、旅の第一歩を踏み出す重要な足がかりだったりする。彼は情けなかったこれまでと決別し、少しずつ胸を張って自分の人生の主役を生きていくことになるのだ。

 そもそもフッ太くんもそんなに嫌なヤツではない。おれもタイトルからしてなんかもうスッゲエ鬼畜野郎なんでは、みたいに思っていたがプレイしてみるとごく素直な人物で、ちょっと鬱屈としてたり流されやすい性格だがわりに常識的な価値観で生きている。長年の夢だったトレーナーになれて喜ぶさまなどは微笑ましい。
 このゲームはエロゲーなので一応エロ要素があり、フッ太くんが女性トレーナーを倒すとなぜか彼だけは金銭ではなく性的サービスを受けられる、というブッ飛んだシステムを特色としている。先程の怪しい図鑑はまさにこれの目録である。しかしフッ太くんも場の空気に押されつつこの待遇には若干疑問を感じており(というかしばしばドン引きしている)、ストーリー上の謎につながる設定にもなっている。この世界、なにかがおかしい……。


 フッ太くんの冒険と成長譚もグイグイ読ませる面白さがあり、女の子とのエッチもまあ目玉ではあるのだが、肝心のゲーム内容もエロそっちのけでよく出来ているもんだから困る
 たとえば本作は手持ちが最初から3体までに限定されているので、ちょっとダレがちだった6体バトルよりも短期決戦になっており、なおかつ育成の負担も小さい。1枠は常に相棒のチケープで埋まっているので、とりあえず状況に応じて各属性から2体育てておけば良いだろう。とはいえヤリモンは覚える技でバッファーだったりDoT特化だったり高耐久だったり個性があるため、その2枠がまた悩みどころだ。
 ヤリモン自体の種類も豊富で、実に151体が存在する。なんかこう……おぼろげながら……何らかのイメージが浮かんでくる数字だが触れないでおこう。とにかく多様な戦術を組み立てられるほどにさまざまなヤリモンがいて、集めていく楽しみもある。

 チケープも固定で1枠埋めるだけあってなかなかいぶし銀の活躍を見せてくれる。チートタックルを抜きにしても無属性なので属性倍率ダメージを受けず、状態異常をはじく特性と高スタッツからくる安定感が攻防で光る。さらに多彩な属性技を覚えるので状況に応じて使い分けもでき、もはやチートタックルを縛って使わなくても頼りになる相棒となる。


 育成まわりも気が利いていて、バトルに勝ったときはパーティメンバー全体に同じ量の経験値が入る仕様になっているので「顔だけ見せる」とか「HP調整して格上に勝たせる」とか「ナントカそうちをオンにする」とかの必要がない。
 さらにバトルごとに手に入る「経験値のかけら」を育てたいヤリモンに使ってやると即時レベルアップするので、「あっ!この属性のモンスター育成し忘れてた…」といった状況にもリカバリーが効きやすい。
 各種わざにPPが存在せず、代わりにCTが設定されているのが興味深い。強いわざはあまり連発できない・読み合いの材料になるという点は変わらないが、いちいち街まで戻って休ませずとも使用回数の制限がないので道中が快適だ。HPだけケアしてやれば良いのでズンズン進んでレベル上げできる。

 本作はあえてトレーナーレベルでレベルキャップが設けられているところも良い。ヤリモンをレベリングできすぎるとトレーナー戦に緊張感がなくなってしまうので、ある程度の適正レベルで戦えるようにする良い工夫だ。敵トレーナーに勝てばトレーナーレベルが上がるので、より強くなるためにどんどんトレーナーと戦う動機づけにもなっているのがよく出来ている。


 …と、もはや普通にゲームレビューと化した文章を書かざるを得ないほど某ゲームとの差別化・独自の工夫に満ちており、気合の入りっぷりに感嘆する。もうなんかエロゲーというよりちゃんとインディーゲームしているのだが……でもエロゲーなんだよな……。

 遊ぶ人を選ぶ(おもに年齢制限的な理由で)ゲームだが、ちゃんとゲームとして質がいいので若干ハード気味な性的シーンを受容できるのであればかなりおすすめなタイトルかもしれない。18歳以上で「平気じゃい!激しめのえっちなコンテンツくらい触れたことあるわい!」といった人は挑戦してみてはいかがだろうか。


 ……本当にこの放送禁止級のタイトルだけ…なんとかならんか……?


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