BE→DO→HAVEへの移行
コーチングの世界で、「BE、DO、HAVE理論」という考え方がある。
BE(幸せになりたい)DO(行動する)HAVE(所有する)という考え。
日本の高度成長期には、HAVE→DO→BEという流れだった。
つまり、3種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)を所有(HAVE)し、それを使いこなし(DO)、そして幸せになる(BE)という考えが主流を占めた。
昭和が終わりバブル崩壊、低成長時代には、まだ依然として「偏差値の高い大学や良い会社に入って幸せになる」価値観が高く、その時代はDO→HAVE→BEの流れだった。
つまり、勉強し資格を取って(DO)、良い大学や会社に入り(HAVE)、そして幸せになる(BE)というもの。学歴偏重で、「大企業に入るのが幸せの必要条件」的な発想は平成時代もしばらく続いた。
しかしグローバル化やIT化、少子高齢化などさまざまな要因で人々の価値観は変わってきた。終身雇用は崩壊し、雇用は流動化。今や「大企業に入れば一生安泰」などとは誰も思わなくなった。それに応じて幸せの価値観も大きく変わりつつある。
これからの時代はBE→DO→HAVEの発想だと思う。まず自分のなりたいこと(やりたいこと)が先に来て(BE)、そのために行動し(DO)、その結果望む自分らしさが手に入る(HAVE)ということ。まず先に「自分は何がしたいのか」を望む自分像を探し、そして「実践」し、「なりたい自分になる」。今や自分の人生をひとつの企業に依存する時代ではなく、転職を繰り返したり、起業したり、ユーチューバーで稼いだり、副業や複業したりと人生の幅広い選択肢を選ぶ時代。その選択肢をどう選んでいくか(DO)の前に、「自分がどうすれば幸せになれるか、なりたいか」をまず考える時代なのかもしれない。
したがって我々中高年者にとっても、セカンドライフを考える上で、「自分がこの先どうしたいのか」のBEを考えて行かねばならない。企業戦士として活躍してきた中高年は、DO(仕事に邁進)→HAVE(出世、昇給)→BE(幸せ)を目指してきた。しかし会社を定年退職すれば、DOとHAVEの要素が抜け落ち、BEが大きく揺らぐ。そこで発想を転換し、「あるべき自分の姿は何か」「自分はどうしたいのか」の(BE)を人生後半期において、自ら作り出してくことが必要なのである。
しかしながら、BEは常に変わりつつあり、明確な答えがすぐに出てくるものではないし、正答があるわけでもない。それを明確にするためには、やはり行動(DO)が必要であり、そういう意味では、BEとDOをセットにして考えると、さまざまな試行錯誤ができる。そして思考しながら行動をし続けることで、最終的なHAVE(自分の存在意義)が出てくるのではないかと思うのである。
私がやりたいと思う「行動変革ナビゲーター」の目的もまさにそこにあるのである。
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