二丁目文芸部、合評会を終えて
合評会は大きな収穫!
2度目の緊急事態宣言が明けてまもない日曜日、二丁目文芸部の合評会が開かれました。昨秋に新宿二丁目のバー「A Day In The Life」の水曜(あっきーの営業)を軸に立ち上げたこの文芸サークルの活動。参加していただいた部員が集うイベントとしては初めてとなるこの日でしたが、予想していた以上に深いお話が飛び交う、とても充実した内容となりました。
合評会のテーマは、「私にとっての新宿二丁目」というエッセイ。事前に原稿用紙3枚という文字数で、部員にそれぞれの胸にある情景を綴ってもらいました。新宿二丁目だからといって、文芸部に参加しているのはゲイばかりではありません。性別も年齢も、さまざまなお客様が訪れるお店のアデイですから、このテーマの元に、それはもういろいろな立ち位置から見える新宿二丁目が集まりました。
続々とお店に現れた部員は、最初は少し緊張した面持ちでした。バーで飲んでいるいつものように、肩の力を抜いて楽しみたいと思っている活動ですが、初対面の方々も多かったと思います。さらには、自分が書いたエッセイについて、あれやこれや話をされるというのは、ちょっとした覚悟が必要だったはずです。ここは部長の僕が場を緩ませるような、気の利いたことを言えればよかったのですが……。実は、この僕もちょっと緊張していました。
うまく進行できなかったら、どうしよう? そんな心配が無用であることが分かったのは、始まってすぐでした。それぞれのエッセイの執筆者によるコメントの後、部員が感想を伝える段になります。すると、次々と活発な発言が続いていくのです。それは、目の前の原稿を読んで、沸き上がった思いを純粋に伝え合っているようでした。誰も頭ごなしにものを言うようなことは決してない。ただ、ここに書かれた文章から見える景色を共有したい。みんな、丁寧に原稿を読み込んできたことが伝わりました。
その場にあったのは、連帯感でした。きっと、同じテーマでエッセイを書いた者同士だからこそ、立ち現れた温かい空気です。原稿用紙3枚は、決して長くはない分量です。しかし、この限られた中に書きたいシーンを落とし込むのは、大変な作業だったはずです。この苦労を同じように経験することで、他の人の原稿にも真摯に向き合うようになっていたのだと思われます。表面上は、淡々と進められたように見えた合評会でしたが、自然と熱量が増していった店内です。研ぎ澄まされた文章を通じて、人と人が繋がっていく景色に、僕も密かに感動していたのでした。
引き続き、エッセイ募集中!
この「私にとっての新宿二丁目」というテーマのエッセイですが、引き続き、二丁目文芸部の固定の課題として、内外に原稿を募集したいと思います! アデイのグランマであり補欠部員(←自称)の伏見憲明さんも、皆さんの原稿に感銘を受けたようです。「もっと原稿を集めたら、面白いことができそう!」と乗ってくださいました。緩い括りにして書きやすいよう設定したこのテーマでしたが、こう原稿を並べてみると、その多様性に驚きます。二丁目文芸部の活動には、「僕たちのストーリーズを書き残そう!」という主旨があります。立体的に現れつつある新宿二丁目のパーツをさらに集めて、この街の記憶として書き残したいと思っています。
さらに、同人誌の制作も!
次なる文芸部の活動として、「同人誌を作ろう!」と目標を掲げています。新宿二丁目をテーマにした創作を集めて、秋頃(遅くても年内?)には完成させたいと考えています。そうしますと、いったん8月末などに締切を設定すると、ブラッシュアップの時間も作れると思います。枚数は、小説だったら30枚以内とかですかね? 詳細は整理して改めてアナウンスしますが、個別にも相談させていただければと思います。同人誌の表紙はこうきさんにお願いして、写真や記事ものも載せたりして、勝手にいろいろ構想を膨らませております。部員の方も、興味をお持ちの方も、水曜日のアデイにお気軽にアイデアをお持ちください。遠方の方もリモートでご参加いただけますので、ご連絡をお待ちしています。もっと、面白いことをしましょう!
二丁目文芸部
A Day In The Life
東京都新宿区2-13-16 藤井ビル203
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