結婚2.0〜大学生が勝手に考えます笑〜
人は添い遂げたがる
私は結婚披露宴会場で4年間アルバイトをやっています。そして最近大学生ながらに、
「結婚したらずっと同じ人と一緒にいなきゃいけないのかぁ」
「飽きそうだなぁ」
と考え込んでしまいました。(彼女もいないのですが笑)
さらに仕事中に、
「離婚率は30%か、このカップルは別れるかな」
なんてゲスなこと考える始末です。
結婚したら死ぬまで一緒に暮らすことを、「添い遂げ婚」というらしいです。
ちょっと考えてみると、添い遂げ婚が上手くいく確率は低そうです。なぜなら、20~40歳の期間に出会った人と、お互いを全く知らないところから、数年だけ付き合い結婚。そして、そのあと波乱万丈の人生を共に歩み続ける。こんなの無理ゲ―です。
ではなぜ人は結婚をし、1人の人と添い遂げようとするのでしょうか?いくつか理由はあると思います。自身の安全の確保、寂しさ解消、子孫存続のためetc…
社会の流動性の高まり
しかしいまは、ゼクシィが言うように「結婚しなくても幸せになれる時代」なんですよね。だから、この添い遂げ婚に違和感を覚えるのだと思います。
いまは「流動性が高い」時代です。転職市場も活発になり始めました。シェアリングサービスが流行しています。大学では、休学や留学が当たり前になってきました。インターネットで世界中から情報を入手できます。このように、ヒト/モノ/カネ/情報など、あらゆるものが活発に流動しているのが、この時代の特徴です。
そこでは、1つのロールモデルは存在せず、多様な生き方が可能です。
そんな時代に、「添い遂げ婚」は、未だに根強く単一のロールモデルとして残っています。
「いや、そんなことないよ!」「いろいろと変わってきている」「学生には分からないよ」などなど、反対意見もありそうですが、私はそうは思いません。
なぜなら、「離婚/不倫/未婚/シングルマザー」への風当たりって未だに強いからです。芸能人が離婚すると大騒ぎ、不倫がばれると一大事。未婚は煽られ、シングルマザーへの理解は少ない。学生でも、少し外を見てみれば、こうした光景はすぐそこに広がっています。それを目の当たりにする度に、「添い遂げない」人たちへの逆風を感じざるを得ません。
パートナー2.0
では、流動性の高いこの時代における、新たなパートナーとの付き合い方はどんなものでしょうか?おそらく次のようなものではないかと思います。
●ライフステージに合わせて、パートナーを変える
●パートナーは一人だけではなく、同時期に複数持ち使い分ける
現在の価値観に照らすと、「えぇぇ…」という感じですが、転職や働き方への思考と類比すると、
●キャリアステージに合わせて、働く企業を変える
●仕事は一つではなく、同時期に複数持ち使い分ける
となり、いま風の考え方と相性がいいように思えます。
ここで大事なのは、転職と同様、こうしなければならないというわけではないということです。添い遂げたい人は、添い遂げればいいんです。ただ、転職ができる/パートナーを変える選択肢を持つことで、生きやすくなる人がいるのであれば、それは可能にしたほうがいいし、そうなっていくだろうということです。
変革への要請
そうした新たなパートナーとの付き合い方に関して、社会からの要請も大きくなってきています。
例えば、日本の離婚率は30%を超えています。ということは、潜在的に離婚したいと思っている人達も含めると約半数くらいにはなりそうです。これは、「パートナーを変えたい」という想いの現れに他なりません。
また、「昼顔」が大ヒットしました。みなさん、不倫大好きなんですよね。不倫への憧れも、「パートナーを変えたい」や「複数のパートナーを持ちたい」という想いの一端だと解釈することができます。
こうした離婚や不倫のトレンドは、「添い遂げ婚」というモデルと時代の要請が反発していることの現れだと考えることは出来ないでしょうか。流動性の高い時代に、流動性の極めて低い「添い遂げ婚」はそぐいません。
なぜ、添い遂げ婚に執着するのか?
しかし、人々は添い遂げ婚に執着しているように感じます。また、「そんなことなくなっているよ!」という声が聞こえてきそうですが、結婚披露宴で見聞きする限り、それは違います。
いつ別れるか分からない人との式に、何百万注ぎ込む人が沢山いて、それがビジネスとして成立している。すごいブラックで薄給だといわれるのにも関わらず、新卒採用には人が殺到します。
人々はいまだに、添い遂げ婚に憧れを抱いているのです。いうならば、執着してしまっているのです。これは、「大企業に入り安定した生活」という神話への執着と似ています。大企業に入らない/添い遂げない、という選択肢は容易に考えられるのに、従来のあり方に執着してしまう。
なぜ添い遂げ婚に執着してしまうのでしょうか?それは、添い遂げない人が生きていくのが厳しい社会状況があります。
●親が子供を育てなくてはならない
●一人だと孤独死が待っている
●離婚したら、家事/仕事に困る
こうした状況が、人々を添い遂げ婚へと誘導するのです。
添い遂げない人のために
では、複数のパートナーを持ち、長期的にもパートナーを変える、「添い遂げない」人たちを支えるためには、何が必要でしょうか?
●子供を親が育てなくてもよい、国/地域の仕組みづくり
●一人で寂しい思いをしなくてもよいコミュニティ形成
●一人でも食べていけるための、キャリア支援
●一人でも生活できる、家事サービス
などが考えられます。しかし現在は、離婚やシングルマザー、不倫、未婚といった社会からの要請を、「添い遂げ婚」に迎合させようという対応が主です。
●子供のために離婚しない
●浮気させないためにいろいろ画策する
●婚活サービスが賑わう
ただ、これらは根本的な解決にはなっていません。結局、前時代的な価値観に迎合する解決策に過ぎないからです。
こうした施策ではなく、添い遂げない人のためのセーフティーネットを整備することが、社会の要請に対する真の解決策であり、この流動性の高い時代に求められることです。
これから
もし、、、
●子供は、生みの親である自分一人で育てなくてもよい
●浮気されても、仕事も家事もできるので不安なし
●結婚しなくても、寂しくない
こんな世界だったら、添い遂げない人の悩みはオールクリアです。そして、その実現は強く求められています。
世界は急速に変わっています。その中で、なかなか変わらない結婚観に違和感を覚えるのは私だけでしょうか。
「添い遂げ婚」という平成に残された最後の神話が崩壊して、より多くの人が、1つのロールモデルに縛られない自由な生き方ができるとよいなぁと思います。