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子どもはみんな問題児。ぐりとぐらのお母さんに教わったこと。

朝起きて携帯でニュースを見ていると、「ぐりとぐら」シリーズの作者である中川李枝子さんの訃報が目に飛び込んできた。
娘の、そして私も、とても大好きな絵本を作った人。

私が子どもだった頃は残念ながらあまり読んだ記憶はないんだけど、もちろんその絵柄はあまりにも有名で、自分に娘が生まれてからはいつか一緒に読んでみたいな〜と思って、まだ月齢がそんなにいっていない乳児期から「ぐりとぐら」を手に入れ本棚にしまっていた。

初めて読んだのは2歳すぎくらいだったかな。
少し長めの、ストーリー性がある絵本も読める頃かなと思って、娘を横に座らせ、私がワクワクしながらその本を開いたことを覚えている。

それからは娘も私もぐりとぐらの大ファンになり、夜寝る前に繰り返し繰り返し読んできた。

彼女のお気に入りは大定番「ぐりとぐら」と、サンタのおじさんが登場する「ぐりとぐらのおきゃくさま」。クリスマスが近づく日々にも、そうじゃない普通の日にも。「おきゃくさまはどこにいるのかな〜」って2人できゃっきゃしながら読む幸せな時間。

海外赴任が決まって持っていく荷物を選別する時も、絶対にぐりとぐらシリーズは外せないなって、迷わず荷物にいれた。

大好きなぐりとぐらを作ってくれた中川さん。
今頃、妹の山脇さんと天国で再会してるかな。
こんなに可愛らしくてお茶目で心優しいぐりとぐらに出会わせてくれて、ありがとうございました。

訃報に際し、雑誌「母の友」に数年前掲載された中川さんのインタビューが再掲されていたものを読んでじーんとした。

子どもはみんな問題児である、そしてそれでいいのだ。そう思っておいてね。
実際、子どもは、本当に、みんな問題児なの(笑)。それぞれになにかしら困ったことがあるのよ。そして、その困ったところこそが、その子の大事な個性なの。守ってあげてね。

「母の友」2020年1月号

「困ったところこそが、その子の大事な個性」

子育てをしていると、ついつい、娘の「困った」ようなところに目を向けてしまう。そしてそれをなるべく正さなければと、ついつい、思ってしまう。

例えば、娘はとにかく声が大きい。子どもははしゃいでいる時や泣いている時など金切り声を上げてしまう事が多いけど、娘の場合、通常の話し声がとにかく大きい。

常に200パーセントくらいの声量で喋っているので、学校で大勢のクラスメイトに紛れていても娘の話し声はすぐ分かる。

そして普段の声が大きいので、はしゃぎ声や泣き声ともなると、380パーセントくらいの声量になる。耳をつん裂くようなデシベルで。

友達と遊んでいたり家族でふざけあったりしていて、ちょっと嫌なことをされた時。
ギャー!!!!と、どデカい甲高い声でとにかく叫ぶ。

今までに夫と2人して娘に何度も何度も、大きい声で泣いたり喚いたりするだけでは相手に自分の気持ちは伝わらないよと説明しているんだけど、それがなかなか伝わらない。

すぐ泣く。すぐ喚く。すぐに大きな声を出す。

そんな困ったところを、どうにか少しでも落ち着かせて、少しでも「よい子」になって欲しいって思っていたような気がして。

でも。
困ったところって、ほんとにその子の「個性」なのかもしれない。
中川さんの言葉を読んで、ハッとして、胸がじーーんとして、ちょっと救われた。

考えてみれば、娘は産まれた瞬間から声が大きかった。

私が出産した産院は夜に赤ちゃんを預かってくれていたのだけど、出産初日の夜が明けて初めて娘を迎えに行った翌朝。当直の助産師さんたち3人、声を揃えて「娘さんがいっちばん大きな声で泣いてたわよ〜」って言ってたんだった。

そしてこんな事も言ってくれたんだった。
「大きな声で泣ける子は、肺が丈夫な証拠よ」

娘の産まれもった丈夫な肺とその大きな大きな声は、きっと授けられたギフトなんだな。

「よい子」になる必要なんてない。

ありのまま、そのままで。自分の周りにあるものへのリスペクトを忘れずに育っていってねと、切に思う。自分にも言い聞かせながら。

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