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「本気で好き❤️」が持つエネルギー
「バッグにつけるようなタッセルで良いものが見つからない」とお友達に話したら、「こんなところがあるよ」と見つけてくれたので、体験教室に行ってみることにした。
ビルの一室。壁一面、棚になっていて、整然と材料や器具などが並んでいる。
先生は、にこやかに温かく出迎えてくださり、こちらも緊張せずに打ち解けることができた。
ニットに合わせて、素敵なスカーフを巻かれていて、どこか海外を感じさせるような雰囲気の方だった。
先生と、長年通われていると思われる生徒さんのお二人とご一緒させていただいた。
正直に言うと、行くまで「コツさえ掴めれば、基本的なものはすぐできるかな」位に考えていた。
しかし、実際に行ってみると、自分は器用な方だと思っていたが、玉結びすら上手くできないし、なかなか上手に糸を纏めるのもできず、どんな技術の習得も簡単にはできないものだと痛感した。
先生に、タッセルにハマった理由をお聞きすると、イギリスに居た時に、ファブリックの世界でタッセルに触れ、そこから魅了されたとのこと。
何冊も分厚い洋書を取り出して、色々な種類のタッセルを見せてくださったり、エジプトからヨーロッパに渡ってきたというような、歴史についてもお話しくださった。
昔の宮殿の、天蓋ベッドの四隅、壁飾りなどの古いゴージャスなタッセルの写真を見て、私より生徒さんの方が身を乗り出して、「これ!!作ってみたいんです」と目をキラキラさせながら、先生と盛り上がっていた。
わたしは、内心「こんな金属のグルグルのすごいタッセルを作りたいって思うようになるんだなあ」と思ってしばし聞いていたが、お二人がアイドルについて熱く語る少女のように、タッセルについて語り合う姿を見て、「心から好きなものに巡り合って、羨ましいな」と、思った。
最近、こんなに「好き」を熱く語る人に会った事がなかったかもしれない。
先生は、タッセルが作りたくて、本の著者の方に連絡を取り、そこから日本に帰国されてからも長年ワークショップに通ったり、職人さんのところを見学に行くなどして、学びを深められてきたそうだ。
コロナの時に、一気に生徒さんが減り、存続の危機を乗り越えながら、継続されてきたそうだ。
「まだまだヨーロッパに行ったり、やりたい事があるから、あと5年くらいで辞めて、動き出さないとね」と仰っていて、溢れてくるエネルギーに、元気もいただいた。
あっという間に2時間以上経過しており、出来上がったタッセルをいただいて、教室を後にした。
自分でモノ作りをしたのが久しぶりだったが、とてもマインドフルな状態になることができ、出来あがったタッセルを改めて見て、愛着が沸き、嬉しかった。
久々にこういった気持ちを思い出せた事に、感謝したい。