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蕎麦が好きな理由
先日、母の命日が近づいたのでお墓参りに行った。
墓所は、亡き父が何十年も前に用意した世界遺産の日光の某寺。墓参りを済ませた帰り道、昼食に「報徳庵」という蕎麦屋に寄った。
報徳庵は日光街道の日光から今市に向かった所にある、古民家を改造した昔懐かしい佇まいだ。
私は若い頃蕎麦は好きでなかった。ぼさぼさして、汁で食べる余りにシンプルな食べ物のイメージしかなかった。
「鬼平犯科帳」いわゆる池波正太郎の時代小説に出会う機会があった。
「藤枝梅安」も「剣客商売」もほぼ読んだし、テレビドラマも楽しませてもらった。
私の中で一番なのは「鬼平犯科帳」で鬼平が市中見回りの最中、居酒屋に立ち寄り、チビチビやりながら蕎麦を食べるシーンだ。市井の暮らしを見守りながら探索に余念がない鬼平。
そのシーンが中村吉右衛門の演技と重なって印象的で忘れられない。
酒と蕎麦が相乗して、食べてみたい気持ちを募らせた。
報徳庵の蕎麦は汁も蕎麦の締め加減もとても良かった。
昨今の蕎麦店は天ざるを頼むとてんぷらのつけ汁がなくそばつゆと一緒が多い。報徳庵はてんぷらのつけ汁も別に出てきて蕎麦の汁を汚さずに食べられる。
接客も明るくて素朴で、動きがいい。
土日は込み合うだろうが蕎麦好きの方々にはお勧めだ。