三十一文字に思いを込めて
「#百人一首恋の巻 春」
三羽烏様
楽しそうなので参加させていただきます。
幾十年も前、高校に入学して少し高校生活に慣れた頃、
通学バスで途中で乗車する2年生の男子高校生が気になった。
背が高い。髪はやわらかそうな栗色のウェーブ。学生服をきちんと着て学生帽。
細い身体でまるで少女アニメから出てきた美少年。
静かな物腰、友人と話す声は低くて口数は少ない。
彼が卒業するまで通学の行きかえり。
全校集会。
昼休みなどのすれ違い。
体育祭。
なんて素敵な方なんだろう・・・憧れ続けました。
まるでストーカーです。
一度も話すことなく片思いでした。
そして、3年前のコロナが蔓延で外出を自粛していた頃、ある小説家の「エッセー集」の中に、取材に向かう小説家に同行する方の名前を見つけた。
もしや・・・と思い検索したら
名を成した方になっておられたのです。
誌上ではあったけれど、こんなに奇跡的な再会があるなんて・・・一方的だけど。
それからしばらく意識の中に残っていたとみえて、
ある時、彼の夢をみました。
高校の昇降口で彼が出てきて、私の手をとりました。
現実ではありえなかったんだけど。
その手のぬくもりが温く、余韻が残りました。
そんな青い春をしたためました。
三羽烏様笑ってくだされ。
過ぎ去りし、焦がれた君の夢をみた
胸がきゅんきゅん、しばしまどろむ
今はツレとの穏やかな日々。
これはこれで良かったのです。