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<書評>記憶の虜囚(ダヴィド・ラーゲルクランツ著、岡本由香子訳 KADOKAWA)
「図書新聞」No.3677・ 2025年3月1日(土)に、『記憶の虜囚』(ダヴィド・ラーゲルクランツ著、岡本由香子訳 KADOKAWA)の書評が掲載されました。
図書新聞の許可を得て投稿いたします。
https://toshoshimbun.com/
けっこう長く(いや、多くか)書評を書かせていただくと、以前に書評を書いた作家の新作がまわってくることがあって、今回は2023年に刊行された『闇の牢獄』の続編になります。書評を書くために前回けっこう読み込んでいるし、キャラクターたちに愛着があって、本を読みはじめる前からすでに旧友に会うようなワクワク感でいっぱいでした。
本シリーズは、庶民派女性パトロール警官と上流階級出身の心理学者のバディものなのですが、バディというには二人の距離がなかなか縮まらないのがもどかしいです。年齢が離れているし、心理学者(脳内マッツ・ミケルセン)の浮き沈みが激しくて、ダメな時は役に立たないし、調子のいいときは一人で解決しちゃうので、付け入るスキがないというか(それを考えると、ワトソンはえらいな)。3部作であれば、次が最終巻になるはずなので、二人の関係をどうするつもりなのか、著者! と考えると夜しか眠れません。
今回、書評を書いていた時にちょうどYouTubeで書評家が集まって仕事の話をするという動画が公開され、これまで我流で書いてきた私にとって、ありがたいバイブルとなりました。このなかで、杉江松恋さんが「書き出しは、一文で改行する」というのを、今回そのままパクっています。とても良い動画でしたので、ぜひご視聴下さい。
https://youtu.be/r3QHjiobLoc?si=7pL6utfVWYvGZh98
金子先生、今回もお忙しいところを丁寧に見ていただき、ありがとうございました。
書評は下記リンクからお読みいただけます。
シリーズものですが、それぞれ完結しているので、『闇の牢獄』を読まなくても大丈夫です(もちろん読んだほうが人物関係がよくわかりますが・・・)