『成りあがり』を読んで。

恥ずかしながら、31歳にして、初めて矢沢永吉の『成りあがり』を読破しました。周りの読んだ人からは「すごくいいよ」と言われていたけど、なかなか読む機会がなかったり、冒頭をちょっと読んだだけではその魅力がわからなかったりして、ここまでずっと読まずにきていて……。「よし、読もう!」っていうきっかけがなかったというか。(言い訳ですけど)

でも、明日のライターゼミ(第1期)古賀史健さんが紹介していて、急に「よし、今こそ『成りあがり』を読むぞ!」という気になれたんです。(これもお恥ずかしい話なのですが、あの糸井重里さんが編集を担当されたということも古賀さんの講義の中で初めて知りまして……。それを聞いて、一気に興味が湧いてきました。ミーハーですね、わたし。)

結論、読んで本当によかったです。
読んでいない人がいたら、超おすすめします。

〜『成りあがり』を読んだ感想〜

読了後、語彙力を失うほど、「ドドドドドド」「グオオオオオオオ」なんて音がついてきそうなほど、ものすごいエネルギーを受け取った気がしました。

なんていうか、矢沢永吉って人は、本当にすごい。
まったく世代じゃないけど、すっごくかっこいい。
いつも筋が通っていて、根性があって、熱量がハンパじゃなくて。
人生から逃げず、決してじぶんに嘘をつかない。
シビれますね。そういう生き方って、憧れる。

腸が煮えくり返るようなことがあっても、相手をもう絶対に許さないと思っても、そのとき直接相手に何かダメージを与えることはしない永ちゃん。常に「俺はビッグになる」「10年後に土下座させてやる」とか、「今に見てろ」っていう熱い想いを自分の原動力にして、ひたすら自分との戦いに挑んでいく。そんな姿って、めちゃくちゃかっこよくないですか?

しかも、5年後だったり10年後だったり、後になってその相手と対面したときにはもう、許しちゃうんですよ、永ちゃんは。その生き方が本当に素敵で、「ビッグにはならなくても、わたしもこの生き方を真似したい!」って心の底から思いました。

そして、当時のことを振り返る永ちゃんが、変にカッコつけたり思い出を美化したりせずに、感情を爆発させるように語ってくれるのがまたいいんですよ。この本のエッセンスをよく表現できているというか。(上から目線みたいに聞こえたらごめんなさい、全然そんなことないです!)

その点ではやっぱり、「糸井さんすごい」って思いました。活字になっていてもこの話はすごい熱量を持っているので、きっと、当時インタビューに答えていた永ちゃんは、泣いたり笑ったり怒ったりしながら、ものすごいエネルギーを糸井さんにぶつけていたと思うんです。そしてきっと、実際の本の中身のように時系列ではなく、話があっちに行ったりこっちに行ったりしながら、けっこうグチャグチャになっていたんじゃないかなと。そんなほとばしる想いを受け止めて、永ちゃんの言いたいことがしっかり伝わるように編集して、この世に作品として送り出した糸井さんのことを、本当に尊敬します。当時はまだお若い頃だったと思いますが、すでにその頃から編集力が神がかっていたことがわかりました。超一流のインタビュー記事を読んでいるような、そんな気持ちで最後まで読みきりました。

わたしもじぶんの中に「成りあがれ!」という気持ちと、じぶんの美学を持ちながら、この先も精進し続けていきたい。そんな風に思わせてもらえた一冊でした。じぶんに嘘をつかず、誰が何と言おうと、じぶんが本当に大切にしたいものを大切にできる人間でありたいなと思います。

いや〜、永ちゃん、ほんとカッコいいわ!
今夜はプレモル飲もうっと。

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Asuka Tanimura
ここまでお読みいただきありがとうございます!普段はクライアントワークが多いので、自分の感性や気持ちと向き合い、表現する場としてnoteを活用したいと思っています。サポートいただいた分は、子どものおやつかオムツに変身するかもしれません(笑)。