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「ほめない子育て」に、フレームワークを利用してみる

こんばんは、元保育士ライターのあきです。

「ほめない子育て」に関して書いたnoteに反応があると、「ああ、困っている方が多いんだなぁ」と改めて感じます。
やっぱり、「ほめない子育て」って分かりにくいですよね。
どんな言葉をかければいいのか、どんなタイミングで声をかけたらいいのか。
諸説あると思いますが、基本となるのは「子どもを理解すること」だと思います。
そこで、今日は「ほめない子育て」に活用できるフレームワークについて、書いてみたいと思います。

使用するのは、私が保育の現場で使っていたフレームワークです。
こちらは有料noteではありますが、フレームワーク自体と簡単な説明は無料ですので、「子どものことが分からない!」と困っている方、ぜひ一度読んでみてください。
簡単なフレームワークですが、子どもの行動を理解するのに役立ちます。
実際に保育の現場で使っていた私が保証します!

子どもを理解しないと、どんなに考えて発した言葉も逆効果になってしまうこともありますので、まずは子どもを理解するところからスタートです。

安易な「すごい!」は、子どもに見透かされている

まず、「ほめない子育て」という視点で見たとき、困るのはどんな時でしょうか?
たぶん、
「ほめちゃいけないんだったら、何を言えばいいの?」
というのがお父さんお母さんの困り感だと思うんですね。
ほめ言葉ではなく、子どもが満たされる言葉を選ぶには、まず
「この子は今、何を求めているのか」
という部分を理解するのが第一歩です。

私が現場で見ていて、先生たちがつい「すごいね!」「えらいね!」と言いがちな場面をいくつか挙げてみました。

  • 子どもが作ったもの・描いた絵を見せに来た時

  • 一人で着替えができた時

  • 給食をよく食べた時

  • 友だちにおもちゃを貸せた時

こうした場面で「えらいね!」「すごいね!」という言葉が出るのは、子どもが喜ぶというのもあるでしょうけれど、大人の都合も入っている気がするんですよね。
「ほめたら喜んでまたやるだろうから、ほめておこう!」
嫌な表現ですが、ふんわりと、こんなニュアンスが込められている気がします。

もちろん、心底、本当に「すごい!」と思って言葉が出る瞬間もあると思うんですよ。
そういう言葉が悪いわけではないです。
本気の「すごい!」は、子どもにちゃんと伝わっています。

ただ、そうではない「すごい!」「えらい!」も、子どもに真意が伝わっているということは、知っておいていただきたいと思います。
その言葉に込められている大人の事情とか、大人の思惑とか、そういうもの。
そういうものが含まれている言葉は子どもに聞き流されてしまうので、どんどん響かなくなってしまいます。

この子は、今何を求めているんだろう?

実際に、フレームワークを使いながら子どもが求めているものが何なのか、考えてみますね。
利用するフレームワークはこちらです。

このフレームワークに、理解したい子どもの行動についてそれぞれ書き込んでいきます。

自分が作ったもの・描いた絵を見せに来る子どもの目的

『行動』に「自分が作ったもの・描いた絵を見せに来る」が入ります。
『行動の前にあったこと』には、作っている・描いている時の子どもの様子を入れてみてください。
思い浮かばない、という場合は、子どもを理解するための材料が足りていない状態なので、残念ですが今回はフレームワークが完成しません。
次の機会を待ちましょう。
『行動の後にあったこと』は、「自分が作ったもの・描いた絵を見せに来る」という子どもの行動に対して、あなたが何らかの反応をした後にどんな様子だったか、を入れていきます。
あなたがした反応については、欄外にメモしておくのがおすすめ。
後から見返した時に役立ちます。

ここで、子どもの行動の流れの基本についてもお話しますね。

子どもの行動は、何かしら目的があって行われています。
きっかけや目的は子どもならではの価値観が元になっているため、大人の目線で見ると意味が分からないこともあります。
でも、大人に理解できないだけで、子どもの中ではこの流れが出来ていることがほとんど。
つまり、この流れを読めれば、子どもが何を求めているかという目的が理解できるようになるんです。

例えば、クレヨンを使って思い切りぐるぐる線を描くことを楽しんだ男の子がいるとします。
その子は「ぐるぐるするの、楽しかった~!」、「ママに楽しかった気持ちを知ってほしい!」と考えました。
これが『行動の前にあったこと』です。
そして、「見せに行く」という行動をします。
ここで大切なのは、この子の行動のきっかけが「知ってほしい」という気持ちだということです。

つまり、この子の目的は「楽しい気持ちに共感してほしい、受け止めてほしい」ということなんですね。
「ほめてほしい」ではないんです。
子どもが求めている反応は、「えらいね!」「すごいね!」ではなく、「ぐるぐる楽しかったんだね!」なんです。

子どもの目的が果たされた場合の(分かってくれた!)の時、子どもはきっと満足そうな表情をします。
(あれ、なんか違う・・・)の時は、微妙な表情になると思います。
こちらの反応に対して子どもが微妙な表情を見せる時は、基本的に子どもが求めたものとこちらの反応が合っていなかった、ということです。

子どもが微妙な表情をした時は、『行動の前にあったこと』の理解から見直す必要があります。
そこを読み間違えていると、子どもの『行動』に対する対応も子どもの目的と合わなくなっていくからです。

「ほめない子育て」には、こう活用する

「ほめない子育て」の目線で、子どもにどう声をかけるかを考える際、先のフレームワークで言うところの『行動の前にあったこと』がとても重要になると思います。
ここを理解すると、子どもの行動の目的が分かってくるので、ほめなくても子どもの求めているものを満たすことができるんです。

先ほどの子どもの例で言えば、子どもが求めている言葉は「ぐるぐる楽しかったんだね!」。
これはほめ言葉ではありませんよね。
でも、子どもが求めている言葉だから、子どもの心を満たすことができる。
子どもはほめられるから満たされるわけではなく、求めているものをもらえたから満たされるんです。

『行動の前にあったこと』から『行動の後にあったこと』までを埋めてみて、子どもが満足そうな表情をしていたら、子どもの求めていることを理解できている、という証。
「ほめない子育て」になっているということだと思います。

フレームワークにハマらないことも、たくさんあるけれど

今回ご紹介したフレームワークは、本当に基本的な形というか、叩き台のようなものだと思っていただくくらいで丁度いいです。
子どもはそんなに単純な存在ではないので、綺麗にハマらないことの方が多いと思います。
それでも、ただ目の前の姿だけ見て「分からない・・・!」と悩むより、フレームワークを利用しながら子どものことを考えていくと、だんだんと子どものツボや考え方の傾向が見えてくるんですね。

また、ただ頭で考えるよりは、できれば紙に書き出してみることをおすすめします。
手を動かした方が、頭の中がすっきりします。
これはこのフレームワークに限ったことではなく、頭の中だけで考えるより、紙に書き出しながら考えた方が客観的に見ることができるので、悩みを整理しやすくなるからです。

フレームワークにハマらなくても、子どもの姿を書き出してみることで、見えてくるものがきっとあります。
悩んだ時こそ、手を動かしてみてください。


今回のフレームワークについて、もうちょっと見てみたいという方はこちらからどうぞ。
「もうちょっと解説がほしい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントでお知らせください。
お気軽にどうぞ~


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