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「平和園に帰ろうよ」が好き!(短歌集)

何年前になるだろうか。ある書店で一冊の歌集を手に取った。

「平和園に帰ろうよ」

元々、古典和歌や短歌が好きで、現代短歌はそこまで読んだことがなかったが、表紙と題名に惹かれて購入した。いわゆるジャケ買いになるかな。

読了後の感想は一言「ものすごく面白い」だった。

たまらずもう一度読み始める。やっぱり面白い。

とにかく自由だ。
現代短歌ってこんなに自由なものだったのかと驚く。
詠み手の行動や考え方すべてからコトノハがあふれでているような錯覚になる。
気になって、他の現代短歌集を買って読んでみたが、「平和園に帰ろうよ」を読んだあとほどの高揚感は得られなかった。
もしかしたら自分の感性にあっているだけなのかもしれないが、出会えたことは幸運だった。

失礼かとは思ったが、気になって著者を調べてみると、名古屋の町中華「平和園」の料理人らしい。・・・料理人!?
しかも「平和園」は、「短歌の聖地」と呼ばれ、多くの歌人が集うという。TVや雑誌にも何度もとりあげられるほどの名店であるともいう。一度は訪れてみたいものだ。

最近、小説をまた書き始めたあたりから、創作意欲があふれまくりでいろんなことに手をだしまくっている。久しぶりに短歌も詠んでみたが、韻をふんでいるだけでどうもうまくいかない。

いつか彼のように自由な言葉で詠める日がくるのかは、はなはだ疑問だが、思いついた時には詠んで書き留めていくことにしようと思った。

いつか「平和園に帰ろうよ」。
・・・帰ってみたいねぇ。うまい中華に舌鼓をうちながらビールかっくらって、彼と語ってみたい。忙しそうだから迷惑だろうけど。

以下は、最近詠んだ拙作です。なんか堅苦しい。
自由な詩想って言葉はすぐにでてくるけどよくわかんない。
いつかわかるんかなぁ。

『水蒸気』
田園の
稲穂揺らして
陽射し差す
露と光の
螺旋舞い上がる

『とんぼ』
夕暮れの
電線渡る
とんぼの影
まだ見ぬ秋を
翅に乗せつつ

『打ち水』
石畳に
柄杓の水の
弧を描き
蒸気立ち昇る
老舗の軒先

『お盆』
風鈴の音
線香の香に
寄り添いて
帰らぬネコの
気配感じる

『雨後の雫』
スマホ越し
雫の写真
シャッター音
昨日の悲しみ
今日はきらめき

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