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【ゲーム紹介】『ファイナルファンタジーⅦ』は何がそんなにすごかったのか?

 ついに昨日『ファイナルファンタジーⅦ リメイク』の体験版がサプライズで配布されました。


 もちろんゲーム業界にいる者として、私も早速プレイをしました。

 FF7はいつかリメイクされると思っていましたが、ここまで時間がかかったことは本当に驚きです。しかも、分作で発売されて、今回はミッドガルのみということで、ユフィやケット・シーやヴィンセントに会える日はいったいいつなのでしょうか? そして、何作で完結をするのでしょうか?
(ユフィが大好きなのです。今作に出てこないと知ってがっかりなのです)

 そんなハラハラドキドキしているおっさんゲーマーとは別に、今の若い人たちにはFF7のどこがそんなにおっさん達が熱狂しているのかわからない人も多いかと思います。

 そこで、FF7の体験版の感想を語る前に、FF7が何がそんなにすごかったのか?について軽く紹介してから次回、FF7の体験版について語りたいと思います。

●ファイナルファンタジーⅦがなぜ伝説のゲームなのか?

 まず『ファイナルファンタジーⅦ』について軽く語ります。
『ファイナルファンタジーⅦ』は1997年に発売されました。
 当時初代プレイステーションでのFFのナンバリングタイトル第1弾でもありました。けれども、1発目でゲーム史においてエポックメイキングなゲームであり、当時として革命的なゲームであったのです。
 さらには、ファイナルファンタジーが世界中に衝撃を与えて、今日まで全世界でも人気シリーズの作品のひとつになりました。

 そして、これ以降『ファイナルファンタジー』シリーズは常に革新性をユーザーから求められるようになり、クリエイターも今までにない世界やストーリーを構築しようと常に新しい試みに挑戦し続けてきました。

 対する『ドラゴンクエスト』はある種伝統芸能のところがあります。
 新しいシステムを取り入れながらも、「中世ヨーロッパの世界観」「鳥山明デザイン」「すぎやまこういち氏によるオーケストラ音楽」「堀井雄二氏が生み出すおとぎ話のような世界観」という伝統を常に継承して守り続けています。
 それはそれで私は大好きですし、生涯マイベストの作品です。

 でも、FF7で提示して見せた革新性は当時のゲーマーには本当に衝撃的でした。

①新しいファンタジーを生み出した!【中世ヨーロッパ=ファンタジーというイメージからの脱却】

『ファイナルファンタジー』は6までは中世ヨーロッパファンタジーの世界観を継承していたのですが、7でがらりと世界観を一新しました。 

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 国家というものがなくなり、大企業『神羅カンパニー』1社が世界を牛耳り、エネルギー資源をどんどん使用することによって生活や文明は豊かにはなったものの、自然はどんどん破壊されて、格差社会は広がって貧困層は虐げられ、人々の不満がたまっている。

 まさに現代社会にも通じるテーマです。

 まさかそのような重いテーマを当時は子供がプレイするものだと思われていたテレビゲームで表現するとは思わなかったので衝撃的でした。

 FF7の世界では騎士もお姫様も出てきません。
 まるでSFのような無骨なロボットとスーツのおっさん達と銃が飛び交う世界です。今でこそ当たり前のようにありますが、当時としては革命的な世界観だったのです。

 さらには、ファイナルファンタジー10では沖縄や東南アジアの世界をモチーフとするなど常に新しいファンタジー世界を生み出してきました。

 ただ、もちろんまだスクウェアもPS1発目ということもあってか、今までFFシリーズで培ってきたシステムや世界観なども一部残しています。
 例えば、アルテマウエポンや召喚獣などは、まさにFFシリーズの伝統として本作でも残っています。

 ところで、リメイクではアルテマウエポンはどうなるんでしょうね?
 あんなシンゴジラみたいな巨大な奴とリアルで戦うのはかなり難しいと思うのですが……。

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②ゲームとしても遊び心がいっぱい入っている

 重厚な世界ではあるものの、決して遊び心は忘れていませんでした。
 とにかくプレイヤーを楽しませようとものすごくたくさん遊びの要素が入っているのです。
 チョコボレース・スノボー・チョコボの育成・歴代最大数いるのではないかというほどの召喚獣集め・仲間集め・リミットブレイクの必殺技の育成・強い武器集め・バイクによるカーチェイス、などなどとにかく遊びがたくさん入っていたのです。

 ちなみに、私はスノボーをひたすらプレイしていました。

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 寄り道も多くて1周しただけではなかなか全て遊びきることはできませんし、今とは違ってネットもありませんでしたから、どんなものが隠れているかなんて知るすべがありませんでした。

 でも、鈍器のような攻略本を買いまして、攻略本を読みながら、隠し要素を見つけながら、プレイしたらまあ楽しい。
 2周目ではエアリス離脱する前に、究極奥義習得で頑張りました。

 これほど遊びの要素が入ったゲームをFF7以降見たことがありません。
 あの傑作ゼルダの伝説BOTWですらここまで遊び要素は入っていません。

③映像もすごかった【ムービーとプレイ部分の融合】

 今旧作のFF7を観たら笑ってしまうような造形ではありますが、当時としては最先端であり、なによりもすごかったのはムービー部分とプレイ部分の調和です。

 今もそうですが、美麗なムービーとゲームとしてプレイする部分は分かれていることが多いですが、エレベーターが動く背景の中で主人公が歩き回ったり、背景としてムービーが流れている中で主人公を動かせたりするところがFF7の画期的なところでした。

 もちろん全ての部分がそうであったわけではありませんが、部分部分でちゃんと融合させているところがすごかったです。

 当時、他のゲームでも美しいムービーをウリにしていたゲームはたくさんあったのですが、やはりプレイ部分とムービーは切り分けられて、ムービーが始まると「はいはい、ムービーね」とコントローラーを置いてしまうところですが、それを極力させないようにPS1発目の作品でやるところがまたFF7のすごいところでした。

 ただ、これ以降のFFシリーズではムービーとプレイ部分の調和は観られなかったのですが、今回の体験版ではそこら辺も見えたところがよかったです。

④ストーリーがよい

 元々FFはストーリー性もかなり重視しているので、それまでも面白かったですが、本作ではかなりSFの要素などが入っていたり、主人公が自分が特別な人間ではないことを突きつけられるところ・ヒロインのひとりが途中で離脱するなどより映画的な展開になっているところもよかったです。

 でも、ストーリー部分についてはあまり語らなくても、本作をプレイすればわかっていただけると思うので割愛します。

●まとめ

 このようにFF7は当時スクウェアが発売するPS作品1発目ということもあって、ものすごい大人数で制作に関わったそうです。
 それゆえに、逆に野心的でもあり、革新的でもあり、でも自己満足するわけではなく、遊び心満載の画期的なゲームでした。

 だからこそ、今でも語り継がれる伝説のゲームでもあり、今回のリメイクを誰もが待ち望むと同時に、当時と同じ衝撃を今の時代でも与えてくれるのだろうか、という不安もあるタイトルなのです。

 そんなわけで、前置きが長くなってしまいましたので、次回体験版について語りたいと思います。

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