【創作雑談】文章には人の想いがのる
昔、塾講師をしていた時に、二人の高校三年生の推薦入試の小論文の指導をしたことがあります。
ひとりは文章力はないけれども、「どうしても警察官になりたい」という強い夢がある男の子。
もうひとりは文章力はあるけれども、「その大学に行きたいわけでもないし、なんとなく成績もいいから先生や親が大学に行った方がいいと勧めるから受験する」という男の子。
差は歴然として、前者の男の子は(周囲から不可能だからやめておけと言われた)名門大学に推薦合格し、後者の男の子は不合格となってしまいました。
もちろん合格不合格は、運もありますから、一概に文章力だけが原因だとは思いませんが、それでも前者の子は入試対策の勉強を教えている時から覇気が圧倒的にありました。
その強い思いや夢にかける情熱は文章からもあふれていました。
小説も「これを書きたい!」という想いは、文章からもエネルギーがあふれています。
作り手自身が自分の作品やそのジャンルが好きなんだろうなと思います。
その情熱は小説を書き始めた頃にはあふれているのですが、書き慣れてくると、だんだんと消失してしまいます。
こればかりは技術で教えられるものではありません。
技術で面白さを80点にすることはできても、120点にするためにはやはりその作品で「これを書きたい!」「ここが面白い!」「ここを見てくれ!」という強いエネルギーが必要です。
特に今、企画制作やコンペや公募に挑戦したり、今までいろいろなプロジェクトに参加してきましたが、やはりうまくいくのは作り手が自信をもって「この作品はこういうもの!」と明確に打ち出しているもののような気がします。
何をやりたいかよくわからなかったり、安易に流行に飛びついて流されてしまったりした作品は失敗するケースが多いです。
私も作品の感想を求められた時や、企画を持ちかけられた時に、「この作品で何をしたいんですか?」と一番最初に聞きますが、そこが理由なのです。
そこを流ちょうに答えられる人は結果を出していますし、今結果を出していなくても、いずれは結果を出します。
対して「何を書きたいか」を明確に答えられない人は、なかなか結果が出ずに苦しんでいます。
技術は情熱には勝てません。
だから、自分自身も作品制作をする時には、「この作品のどこがポイントなのか(面白いのか)」を意識しながら作るようにしています。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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