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「総選挙、解散日から投票日まで日経平均株価は上昇する」を1990年以降のデータで4ケースを検証する。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年10月1日)―

「解散日の直前の営業日終値から、投票日の直前の営業日終値まで」のケースで、90年以降、11回すべてで日経平均株価は上昇。

 臨時国会が10月1日に召集され、自民党の石破茂総裁が、衆参両院の本会議で第102代首相に指名されました。自民党の石破茂総裁は前日の9月30日、党4役とともに記者会見に臨み、4役のあいさつに先立ち、石破氏は、「内閣総理大臣に選出されれば、直ちに組閣を行い、政権を発足させたい。新政権はできる限り早期に、国民の審判を受けることが重要であると考えており、諸条件が整えば、10月27日に解散総選挙を行いたいと考えている。これは全国の選挙管理委員会などの選挙準備の観点から、本日表明をさせていただくものだ」と述べました。石破総理は10月9日に衆院を解散し、衆院選を15日公示、27日投開票の日程で行うと言われています。
 
 総選挙と日経平均株価に関しては、「総選挙、解散日から投票日まで日経平均株価は上昇する」というアノマリーが有名です。1990年以降11回の総選挙に関し、4つのケースで、このアノマリーを検証してみたいと思います。
 
 まず、解散日の直前の営業日の日経平均株価の終値(A)、解散日の翌日の日経平均株価の終値(B)、そして投票日の直前の営業日の日経平均株価の終値(C)、解散日の翌日の日経平均株価の終値(D)の4つの終値で、(C)―(A)、(C)―(B)、(D)―(A)、(D)―(B)の4ケースの組み合わせの差を求めます。
 
 11回のうち全て上昇したのは、(C)―(A)、つまり投票日の直前の営業日の日経平均株価の終値―解散日の直前の営業日の日経平均株価の終値のケースだけです。
 
 90年以降の、他の組み合わせをみると、(C)―(B)は10回上昇1回下落、(D)―(A)は7回上昇4回下落、(D)―(B)8回上昇3回下落となっています。 



総選挙と日銀の金融政策の関係。解散日から投票日の間で政策金利の変更はなし。

 昔は、日銀の金融政策は不定期に臨時金融政策決定会合を開催し決定していました。事前に日程が公表されることはなく、金融政策の変更が近いと判断されると、金融マーケットでは、日銀総裁のスケジュールなどを調べ、海外出張や地方出張の時期を確認したりしたものです。
 
 現憲法下では衆議院解散日と総選挙の投票日の選挙期間中に政策金利が変更されることはありませんでした。選挙に対し、中立的立場が維持されてきたと言えるでしょう。今回は投票日が10月27日になりそうで、総選挙の後の10月30・31日に金融政策決定会合が行われるため、総選挙の期間中に政策金利が変更されることはないというアノマリーは維持されるとみられます。

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。