コロナ、物価高の悪影響薄まる。「諦めない心」が話題に。自殺は減少に転じる。景況感持ち直し、日経平均はここまで「卯は跳ねる」―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2023年5月22日)―
4月「景気ウォッチャー調査」からわかる足元の景況感の持ち直し
4月「景気ウォッチャー調査」では、景気の方向性を判断する現状判断DIは3か月連続の上昇で54.6になりました。3か月連続で景気判断の分岐点の50超です。先行き判断DIは5か月連続の上昇です。現状水準判断DIは3月の50.0に続き4月は50.5と2カ月連続で景気判断の分岐点の50以上となりました。17年11月・12月以来5年4カ月ぶりのことです。足元の景況感がだいぶ持ち直していることがわかります。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5月8日から「5類」に移行することなどで、個人消費に弾みが付くことへの期待などが、プラス要因です。243人がコメントした「新型コロナウイルス」関連現状判断DIは62.7と初の3カ月連続60台で、景気を牽引するかたちです。「第9波」関連先行き判断DIは57.5と50超です。様々な意見があるものの10人の回答者の平均的意見は景気のマイナス要因にはならないというものです。
1月調査で30台と景況判断の悪材料だった「価格or物価」関連DIは4月調査で、182人がコメントした現状判断は49.9、297人がコメントした先行き判断は47.0と景気判断の分岐点の50に近い水準まで改善しています。また41人がコメントした4月の「賃上げ」先行き判断DIは54.3と50超です。
マリオ映画ヒットやSANADA選手の初戴冠から実感できる「諦めない心」
4月28日公開の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が5月14日まで3週連続週末第1位となりました。5月21日までの週末(金・土・日)3日間では第2位に下がりましたが、動員50.5万人、興行収入は7.4億円でした。24日間の累計成績は動員643万人、興行収入91.4億円で、早くも興行収入ランキング・歴代63位に上がってきました。
マリオのゲームを何度もミスしながらクリアしてきた観客が多いと思われ、諦めず何度も立ち上がるヒーローのマリオから、改めて勇気をもらったことでしょう。
かつて柄本佑さんがラジオ番組で語った、小学生の頃に母親の女優・角替和枝さんから「あんたはマリオやゼルダから何を学んだんだ!諦めない心だろ!」と叱られたエピソードが、再び話題になりました。
「諦めない心」は現時点のキーワードのひとつだと思われます。新日本プロレスでは、SANADA選手が4月8日両国国技館大会でオカダ・カズチカ選手を破り、第7代IWGP世界ヘビー級王者になりました。悲願の王座を初戴冠し、5月3日福岡大会では高橋ヒロム選手に勝利し初防衛に成功しました。第6代王者オカダ・カズチカ選手は第4代王者でもあり、前身のIWGPヘビー級王座にも5度つき、両者併せて36回防衛を記録、新日本プロレスを牽引してきたエースです。
SANADA選手は、初戴冠直後の会見で「自分は2005年に新日本プロレスの入門テストを受けて、そこで落ちて、そのあと他団体でデビューして、海外行ったり、2016年にまたここ新日本のリングに上がって、そこから7年経って、やっと団体の象徴のベルトを巻くことができました。すごい長かったんですけども、『諦めなければ夢は叶うんだな』っていうのを伝えれたかなと思っております」と発言し、話題になりました。
自殺者数は3月に11カ月ぶりの減少に転じ、4月暫定値も2カ月連続減少
景気動向や雇用動向の影響も受ける、自殺者数の前年同月比は23年に入っても1月+7.5%、2月+8.0%と増加傾向にありましたが、3月は▲3.6%と11カ月ぶりの減少に転じました。そして、4月暫定値は▲1.0%と2カ月連続減少になりました。自殺のデータからも、景気持ち直しの動きが感じられます。
ここまでの日経平均株価は「卯は跳ねる」という干支のジンクス通りの展開に
5月22日の日経平均株価終値は、バブル後最高値を更新し、31,086円82銭を記録しました。1990年7月26日以来およそ33年ぶりの高値です。
これまでは「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる。」の干支のジンクス通り、これまでのところ卯年の平均上昇率+16.4%を上回り、昨年末からの上昇率は+19.1%になりました。ここまでは「卯は跳ねる」という干支のジンクス通りの展開になっています。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。