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サンドニ大聖堂のオルガン。。カヴァイエ・コルのデビュー作
サンドニと言えば、
今年の夏、
オリンピックが開催された場所である。
パリの北にあるパリ門の近くには、
Légion d'honneurレジオン・ドヌール公園があり、サンドニ大聖堂が隣接している。
レジオン・ドヌールは、
ナポレオン・ボナパルトにより、
1802年に制定されたフランスの賞であるが、
この名前の由来は調べてないのでわからない。
大聖堂は、12世紀に形作られ始め、
改修を続け、
19世紀に今までの形になったらしいが、
この聖堂は、左右対称ではなく、
左の角がない珍しい形をした教会だ。
落雷により、角が折れちゃったらしい。
片耳うさぎの聖堂だい!
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聖堂には、
マリーアントワネットなど、
フランス歴代の王族が眠っている。
オリンピック開会式の演出は、
ここから案を得たものだ。
オルガンは、ルネサンス時代の
16世紀に作られた。
フランス革命時には、一度壊されてしまった。
現在演奏されるオルガンは、
カヴァイエ・コルCavaillé-Collが、
1840年に制作したもので、
彼の作品の初めての楽器、
デビュー作のようだ。
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聖堂内では大画面で演奏が見られた。
3段鍵盤+足鍵盤=5本要るか。。
あとボタン操作と譜めくり。。
たった一台で、こなしてしまう、
フランスのオルガンのオーケストレーションの
華やかさと底知れぬ迫力。
フランク・セザールの曲を聴いた時は、
胸が熱くなった。
オルガンへの愛を感じてしまった。
そして、フランツ・リストの
オルガンのための曲。
19世紀後半の近代から現代にかけての
調性の薄い半音階が中心の作品で、
教会の暗さと相まってド迫力満点だった。
そしてそのまま、
フランスのクリスマスの曲に
流れ込んだのだが、
その入り方がめちゃくちゃかっこよかった。
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演奏者は、最後に顔を出した。
高所恐怖症には無理だ。
だからオルガンの隣で歌わせるのは、
あわあわしちゃう。
そういえば、私がまだ歌っていた頃、
ミシェル・シャピュイは、
オルガニストは、普通は男性なのに、
日本はなぜ女性が多いのかと聞いてきた。
フランスに限らず、ドイツでも、イタリアでも、
オルガニストは男性で、
即興家、作曲家、伴奏者でもある。
現在では、パリの中心地にある有名な教会は、
長い列を作って並ばなければ、
なかなかすぐに入ることができなくなった。
昔のように、近所の人たちと教会に入って
音楽を聴くと言うことが難しくなった。
サンドニと言う場所は、
現在は治安が何とかと言っているが、
フランスの歴史上、
非常に大事な場所のひとつであり、
そうなってくると、
ここも混んでくることは、
時間の問題なのかもしれない。
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帰りに聖堂前のレストランに入った。
代がわりをしており、
店内の雰囲気もがらりと変わり、
アルジェリアの若い女の子と男の子が、
働いていた。
昔、話をすると言う事は、
昔と比較をし始めると言う事は、
ま、そういうことかな。
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