今月の1冊~2022.03
2022年、3月。
四季の中で春が一番好き。でも実は体調的にも気持ち的にもゾワゾワ~としてしまうのが3月です。こう好きなものを目の前にしているのに思い通りにはならないというかある種の畏怖の感情なのでしょうか。落ち着かないのがこの季節。桜は大好きだけれど、早く若葉になってほしいと思ってしまうのもまた事実。
読む本は数あれ、ぐっとくる1冊にはそんなに簡単に出会えない。
そんな中でも毎月1冊もしあれば2冊、自分のなかでこれは・・と思ったものの感想を書いていこうと思います。
本の要約ではないと思うので気になる方は是非ご自身で読んでください!
今月は、
選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義
シーナ・アイエンガー / 櫻井祐子
「選択する」という行動が積み重なって今の自分があるということを思い知らされる1冊。
この本には「選択する」ことに関するたくさんの実験の結果が綴られています。選択肢がたくさんあったらどうなるのか?選択できないときにどうなるのか?選べない選択肢を提示されたときにどうなるのか?など、選択する際に起こりえる様々な状況とそのときの人の心理を考察されています。そして、選択することが、時として幸せでは必ずしも幸せにつながるわけではないということにも言及されていました。
「選ぶ」というのは、複数の道があるから起こる行動で、それをどう選ぶかはその人次第。何を基準に選ぶのかはその人にかかっています。そして誰かのために選ぶことすらあります。時には選びたくないのに選ばざるをえず、つらい思いをすることもあるのがこの「選ぶ」という行為。絶対的なものなど存在せず、相対的な環境のなかで、自分の信じるものによって選び方が変わってくるという、人間ならではの行動なのだなと改めて思いました。選択の裏側は、その人の関係性のたまものとさえ感じます。
よく自分の人生とかキャリアはビジョンをもって自分で切り開いていくということを耳にしたりします。これは選択の観点からすると、選択肢がでてきたときは、「自分がどうしたいか」ということときちんと向きあい、その責任のすべてを自分に向けるという方法を選んでいるんだなと思いました。逆に、人生何が起こるかわからないから流れに身を任せるということを聞くこともあります。こちらは、選択肢がでてきたときに周りが心地よいような選択肢を静かに受け入れていくといった方法をとっているのかなとも思います。
この選択の方法は決してどちらが良いということではなくて、文化や学習によってその人の価値観がかたちづくられ、その価値観で決められていくものなのでしょう。だから、誰かの選択をみると、なんでその選択肢にしたんだろうとも思うし、そもそもなんでそんな選び方したのとも思うのもこの個人の価値観の違いによるものなんだなと改めて思いました。そしてこの価値観も選択することでまたアップデートされていくわけですから、また選択に左右されているということなのでしょうね。そして、選択が正しいか正しくないか、良かったかそうでないかは、単なる結果であって、意に反してこっちを選んでしまったけれど結果オーライもあるし、意図して選んだのに残念なことになった後悔がうまれるというのも納得です。
生物としての本能以外での選択は、はかないものなのだなと思いました。ちょっとしたことでどうなるかわからない、危うさとそして面白さを兼ね備えているなと。
さて、今からおやつを食べてしまうかどうするか、選択をしないといけません(笑)
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