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10. ラルフチャート


アドカレ10日目は「ラルフチャート」。

ラルフチャート(Ralph's chart)についてもFV表と同様に、前にManiaXというテストの同人誌に『詳説ラルフチャート』というタイトルで書いている。

興味がある方はこちらから。

ラルフチャートがどのようなものかは、上記『詳説ラルフチャート』に乗っているフォーマットと、例を見るのが早い。

フォーマット


例(割り勘計算アプリ)

ラルフチャートは、目的機能1つに対して1枚描く。こういうと、「えー。それは大変だ! HAYST法は重い!!」といわれてしまうが、ラルフチャートを描かなくても「因子」を洗い出せるのなら描かなくて良い。多くの目的機能はシンプルであり、書く必要がないことが多い。
また、慣れてきたら頭の中にラルフチャートを思い浮かべ、直接FL表に因子・水準を書きだすのでも構わない。

逆のパターンとして、大きなテスト対象に対して1枚のラルフチャートしか描かない人がいる。
ラルフチャートの例題は、例題自体がシンプルで小さいモノだから1枚だけなので、そう思うのも仕方がないことかもしれない。
でも、大きなテスト対象に1枚だと、因子・水準数が多くなるので、直交表やペアワイズのツールを使ったとしても「巨大な組み合わせテスト」となる。
そんなテスト、私はしたくない。

「ラルフチャートを描かなくても「因子」を洗い出せる」というのは、目的機能を実現している「仕組み」を理解しているということ。

HAYST法は「テスト対象への入力を網羅することでテストし尽くす」テスト手法である。ただし、もしも内部の仕組みを知らなければ、適切な因子を選ぶことはできない。そして、水準数はテストできないほど膨れ上がる。

だからラルフチャートでテスト対象をモデル化(単純化)する。


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