
既存業務+αで収益アップ!浄化槽管理会社が空き家を守る仕組み
先日、介護事業者が空き家管理に取り組むメリットについて書きましたが、今日はまた別の業種、「浄化槽管理会社」が空き家管理に取り組むメリットについて書こうと思います。
浄化槽管理会社とは、浄化槽の維持管理や点検、清掃などの業務を行う会社です。
下水道が完備されている地域にはあまり設置されていませんが、全国には7,573,286基(令和元年時点)もの浄化槽が設置されています。
浄化槽の設置基数が多かったり、設置割合が高い都道府県には、千葉県、埼玉県、愛知県、鹿児島県、静岡県などがあります。
また、岩手県、長野県、長崎県などでも設置割合が高いです。
つまり、空き家の多い地域や、空き家率の高い地域ともリンクしています。
その浄化槽を点検している事業者の皆さんは、定期的に点検していることで、ある程度、家族構成が把握できるうえ、空き家になるタイミングで浄化槽の点検の相談を受けることも多いので、浄化槽の管理から、そのまま空き家の管理に移行することが可能なんです。
しかも、浄化槽の点検費用よりも、空き家の管理費用のほうが収益的に大きくなることが多いんです。(管理内容によりますが・・・)
契約に関しても、これまでの浄化槽の点検費用の口座引き落としなどを継続で行えるので、所有者の皆さんにとっても手間が省けますよね。
ということで、浄化槽管理会社がこの「空き家管理事業」に取り組むビジネスモデルも非常に魅力的だと思います。
1. 事業の概要
浄化槽管理会社の強みである「定期点検」「設備管理」「水回りメンテナンス」のノウハウとリソースを活かし、空き家の維持管理サービスを提供することが可能です。
また、既存の顧客基盤(個人住宅、別荘、法人施設)を活用し、新たな収益源として空き家管理を事業に組み込めます。
2. ビジネスモデルの特徴
① 定期巡回・保守点検サービス(サブスクリプション型)
サービス内容
・浄化槽の点検・清掃(既存業務)
・水回りの漏水チェック・通水作業
・室内換気・湿気対策
・建物外観チェック(破損・落書き・害獣被害など)
・郵便物整理・転送
・定期報告(写真付き報告書)
収益モデル
・月額固定料金(5,000円~15,000円/戸)
・オプションサービス(ハウスクリーニング、草刈り、害虫駆除など)
② 緊急対応・修繕サポート(スポット対応)
サービス内容
・浄化槽の異常対応
・水漏れ・排水トラブルの緊急対応
・建物の軽微な修繕(雨樋修理、窓ガラス補修など)
・台風・大雨後の点検・応急処置
収益モデル
・スポット対応費用(1回5,000円~)
・修繕対応(内容により別途見積り)
③ 空き家の利活用支援
サービス内容
・賃貸・売却のサポート(地域の不動産会社と提携)
・一時的なシェアスペース化(ワークスペース・レンタルスペース)
・DIY型リノベーション支援(改修計画、施工管理)
収益モデル
・成約時の仲介手数料
・短期賃貸の管理手数料
・リノベーションの一部を受注
3. 競争優位性と市場展開
強み
・既存の浄化槽管理の顧客ネットワークを活用できる
・インフラ管理の専門知識を持ち、設備の維持管理に強い
・定期巡回のノウハウがあり、効率的な巡回管理が可能
ターゲット市場
・地方の空き家所有者(親の家を相続したが住んでいない人)
・介護施設に入所する高齢者(要介護者)
・セカンドハウス・別荘所有者(都市部在住で定期管理が必要な人)
・不動産会社・自治体(管理の委託先として提携)
4. 初期投資と事業展開の流れ
・初期投資 新たな設備投資は少なく、現有リソースで開始可能
・短期目標(1年)既存顧客の囲い込み、モデルケースの確立
・中期目標(3年)地域の不動産会社や自治体との提携を強化
5.まとめ
浄化槽管理会社は、既存のインフラ管理スキルと定期巡回のノウハウを活かし、空き家管理市場にスムーズに参入することができます。
特に、水回りの維持管理や緊急対応の強みを生かせば、競争力のあるサービスを提供できます。
まずは既存顧客向けのトライアル提供からスタートし、地域の不動産会社や自治体と連携しながら、持続可能なビジネスモデルを構築するのが有効とだ思います。
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