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『蛍火の社へ』をご存知ですか?

『夏目友人帳』の作者の緑川ゆき先生の描かれた
短編集です。

四つの作品が収録されています。

そのうちの二つは表題作の『蛍火の社へ』と、その特別編です。
この『蛍火の社へ』は2011年に
アニメ『夏目友人帳』のスタッフさんたちで映像化もされています。


夏休みに、おじいちゃんの家に遊びに来ていた蛍は、
山神様の森に迷い込んでしまいます。

途方にくれている蛍を助けてくれたのは、
人に触られると消えてしまう存在の
キツネ面の男の子の“ギン”でした。

同じ時を生きてはいけないふたりの
重ね合った日々の物語___

の、『蛍火の社へ』。

そしてその出会いのあとの、
とある日を描いた特別編が一篇も入っています。

あと二つのお話は、
緑川先生の描かれる漫画のなかでは珍しい、不思議要素のないお話です。


幼馴染からの突然の『恋人ができた』発言で
「私、ずっと好きだった」
と思わず言ってしまいます。
そんな彼女に、「そんなふうに見られない」という彼ですが
彼女はめげません。
押して押して、押しまくる彼女。
けれど、
彼の幸せを願っていた幼いころを思い出し、
ついに振り回していた手を放してしまいます。

、、、という、『体温のかけら』


幼い頃から可愛いと言われまくってきて、
その愛想を振りまく性格のまま高校生になった才谷くん。

彼はとっても女の子にモテますが、
告白してきてくれたはずの女の子たちからはみんな
「他に好きな人ができたの」
と別れを切り出されてしまいます。

どうしてなのか、、、、
みんな可愛くて、みんな大好きなだけなのに。

そう思う彼ですが、
ある時いつも下ばかり向いている同級生の女の子に気付きます。
気付いてしまうと何だか気になって、
声をかけるようになる才谷くん。
しかし彼女からは思い描くような反応は返ってきません。

それでもめげずに話しかける才谷くんですが、
クラスメイトに彼女についての噂話を聞きます。
それは彼女が援助交際をしているといううわさです。

そんなことを聞いたあと、
彼女が年上の男と寄り添って歩いている場面をみてしまい、、、
という『星もみえない』。


じんわりと染みるお話を描かれる緑川先生の、
どこか懐かしさを感じさせる一冊です。


アメブロにも書いていますので、
読んでもらえると嬉しいです。


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