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かみさまの、かけら(絵を観てきた。その二。)

この間個展というものにはじめて行った。
その時は、ギャラリー喫茶あいうゑむさんの祥子さんや、
まりさんのご友人の方の個展で、
私はおまけでご一緒させていただき、
たくさん、
詩を書かせてもらった。
その場に居合わせた、
次の個展(それも初!)をひらかれる画家さんがいらっしゃって、
それがまた可愛らしい、太陽のようなひとだった。

それがこちら、
“くどううた”さん。

“うた”というのが本名なのだとか。
とっても似合っている。
この文字も、素敵。

その時に、
こういう絵を描かれている、
という案内の葉書きを見て、
「わあ!」
となった私は、
四日間の開催中、日曜日に、
たまたま居たじろうさん(夫)に
「行きたい場所があって、でも、いっしょには入って欲しくない」
と言い、
「いいよ」
と次男も連れて、
この個展へと訪れることができたのでした。

そしてドアを開けた私に、
うたさんは
「あ、よしえさんの個展でたくさん書いてたひとですよね」
と、話しかけてくださったのでした。
はい、めっちゃ書いてたひとです笑

再来。
私はたくさん書いたのでした。



ささやくように瞳はうたった
あたたかさをひろげて
とおく
とおく
なびく髪を調べに流して

瞳は立ち上がり
うたった

相変わらず素敵な机に
素敵な作品とみどり。


ひかる瞳
ひかる瞳
どうか届く

ひかる瞳
ひかりは散っていく
どうか届く

降るまま光る
届くように
ねがいを言う


イヌ。


咲きひろがる
波紋のように
白、
白、白とひとっとび
ひろがる
あたたかみ
新しい
細めた眼をあやすようにひらかせる



飛び交い
色を与え合う

飛び続け
風を染める

飛び上がり
白は赤へ 赤へ月へ

朝は目覚め
黒を悼む

ひろく



根を生る
うつくしい根だ
手を広げ 重ね 広げ とおくへと
ひろがっていく
大地を彩る



宛ては無い
それは探すものでもない
色は選ばない
捉えどころはない
風にさえ包みこめはしない
遠くへひびくように
咲く



川の腹から
そっと一滴は溢れ
外へ
外へと
ためらいをこえて去ることを厭わずに

石は濡れ
あられもなく弔いをつつむ
手を
手を
与えあうように覚めるまえに



透明の胸をつつみ
透明のはねをあたえられ
色を求めることは与えられず
ひろがるさざめきは浅く
その肌をはしっていく
天使
そっと目を向ける


苔玉。


星のように与えあう
名前をとびかわしあい
くるりとまわる
まわり巡りつづけては
一音に染まりあがるのを待つ
それは
旅立ちのように遠退き
再生のように抱きしめ合う
巡り 巡り
果ては飽かない


かわいい
こちらはお母様の作品だそう。
石のようにしか見えないけれど、
紙粘土なんだとか。

 

たまに、
かみさまのかけらのような人に会う。

うたさんは、
そういうひとだった。

本当にまた彼女の絵を見たい。

(間のが、
 そのときに浮かんだ詩です)

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