童話川柳と、いつものなんだか川柳
『眠れる森の美女』の川柳を集めて一冊にしたものから。
待望の子破滅くらいよぶものよ
悪い魔女欲しかったのは祝う権利
盛大なパーティ闇夜にきづかない
お姫様全ての欲を注がれる
お姫様あなたにキスを贈りたかった
私の痛み伝わる勿れ愛なれば
わたくしの愛どこまでも歪めたい
針の先百年を奪う憎愛よ
眠った姫の血の一滴に恋をして
姫以外 枯れぬ木の葉にも塵積もる
眠り姫あなたは夢を生きたのか
王子様銀食器はお持ちですか
絡みあい情もあったか城の茨
剣を振り炎を放ち城は沸く
まだ眠りたかった厨房の火
一番奥のうつくしきものは姫なのか
ひとりよがりに起こしてあなた何様よ
唇しか知らない男性の恋となる
百年前に滅んだ言語のおはよう
国を亡ぼすほどの銀食器の恋
ここからは、雑詠。
きみはなにぼくはまっしろじゃないもの
天使喰い天使混じりの転生ね
洗濯機 振動似てる母の鼓動
箱に入るそのまま海へ流して
言の葉に組み込まれてる生皮よ
囲い込む緑の息吹きこの指に
ながくながくとお願いします燃え盛れ
永永るものにわたしもつらなって
『題 並ぶ』
並行線行くほど強く手を握る
並列よりも飛び出した点鮮烈に
黒い点 並列からの一瞬の脱
並列す同じ屋根々ちがう蔭
正しさに並んだはずが惑いだす
並列に並列を足すいつかの軍隊
白い整列気にもとめない毛虫です
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