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幽霊の鉛

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2023年12月の記事一覧

430kmから聞こえる寝息を電波が届けてくれる
それだけは、感謝しなくてはならない
神とか仏とかに

加害性の波
うつたびに目に入った塩が
傷口にうじうじと滲みる
先っちょのほんの少しだけが迫ってきて
どっ、とおおう
人かどうかの匙加減はそこによる
波の角度と立ち上る雲

独りでいくら擦っても
冷房の茂る真夜中には叶わない
から
でも、帰って欲しくない
から
でも............

気性の荒い惨殺

気性の荒い惨殺

ほわほわ ぷかぷか
かおにキスをする
もう 寝なさい

ぬくぬく しとしと
からだを抱きしめて
もう 嫌になるね

べとべと ぐちゃぐちゃ
こころを七日に分けて
もう なにもこわくないよ

国民的劣等生

国民的劣等生

黒い服に置いてかれた
この規模は凡そ日本の桜が咲く地域に渡るという

黒い頭たちが極楽袋に詰められる
町工場の足音が聞こえる
因習から繋がる口と尻

黒子ひとつだけに価値がある
裸のままなら海も渡れるのに
焦がれだけを反芻しては指を舐り
手を繋いで渡らなければ帰れない赤信号

一人で裸ん坊になったって何も良くないし
焼かれた時だけかな一人肌を晒せるのは

純粋さとは
ボンベの中で黙っている
足跡の無い洞窟の中で泣いている
あの子らの邪魔はするなよ

不純で満ちた空気を吸って
鬱憤と激励が混濁するバックルームから逃げることを求めても
先は知りたくないだろうに

仕組みは基本的に酷い回路でできている

砂糖をいくついれますか?
大人ぶっていれないですか?
正直にとぽとぽ入れたっていいのに
いつまで食ってるんですか
ケーキよりも甘い角砂糖
苦味も甘みも嫌いにならないで
ざらついた砂糖水を飲み干して苦い顔をした

今、隣で寝ているのは僕の言い訳で
小さな寝息が髪を撫でる
幼い頃からずっと一緒で
眩しいのと元気なのは嫌い
ほんとうは 全部嫌だけど
髪を切ってでかけてる