マガジンのカバー画像

幽霊の鉛

194
運営しているクリエイター

2023年9月の記事一覧

なぁ、あんたとさ、首吊って死にたかったな
寝顔を見た時、添えた手を握れなかったのは、汚い手が目に映ったから、君の首には似合わない
それから、沈むままの船で時計にキスをして。船長は己の船で死を迎える。
なんの義務があって?
そうだね、だから思い出せるって良い事だ
本当に

なんだこりゃあ
ずぅっと俺の爪の先から頭まで
ぐぅっとねらって嫌がるんだ
殺せってか?
あぁ 通りであのホームが俺の手を引いたわけで
通りでドアノブにはネクタイが似合っていたわけだ

髪が結いたとき、あぁすっかり
男とか女とか関係なくなっちまって良かったなと
つぎは人生を逸脱してみたい
猫か蛞蝓か犬か蛭にでもなって
それであの子の頭に噛み付いて
撫でてもらうンだぜ

俺のために笑ってくれる人を
海に沈めた
東京の汚い水面は
どろどろとして
愛おしかった
呑んでみて
あー
腹が痛えって
それで、アンタの帰りを待っている

かったかったかたら、、
お、ごめんよぅ
ごめんください
許して下さい
あんよを取ってみたかっただけなンです
お願いします
どうかどうか

薄ら笑み

幸せな瞬間にだけ
体がない

もう なンにも
いなくていいンだよ なんて
言わないで
ベッドの隙間で擦れる音と
黒い顔したあの人は
背中で鞭を打っていたけれど
無理を しなくなったら
その時が終いだぁ

乱文

ナンヨウハギがよく釣れる
ある堤防で釣り糸を垂らして鯛を釣るぞと息巻いていた、幾つの時?
海魚よりも川魚の方が好き。
でもその癖して海が好き。
海に生きるものたちが無理に引き上げられた生臭さ。では、私の体がそちらへ引き上げられた時。どんな香り?血なまぐささの違い。二酸化炭素の毒。

相変わらず海に焦がれています。
ちょっとした詩を書いて歌ったものに絵をつけるため。
湘南の海は関東の薄汚さが目に見え

もっとみる

このままじゃおしまいだ
泥濘から抜け出せずに
一日を寝具と抱き合って終わる
酩酊したまま目をこすって
あとどのぐらい生きなきゃいけないのかを数える

自分が如何に浅はかで弱い生き物だと
ついぞ巣籠っていると忘れてしまう
だのにそれが罪なのは何故
自動的に購入されてしまった、選択肢のない命
奴隷の昼寝