マガジンのカバー画像

幽霊の鉛

194
運営しているクリエイター

2023年7月の記事一覧

意喜地

発車ベルが込み上げた
昨夜の泪はきっと綺麗だった
耳をちぎって目を差し出したかった
震えている それが僕の間では純だと思っている
君の口から「殺して」と溢したろ
僕は今すぐにでもキスをして、刺してしまいたかった!
唇からの言葉も目も指先も、鈍色に着せてみたい
本当に、本当に、本当に、愛しかった。

至る奴らに「馬鹿」と唾を吐く人間がいた。
それを見て、さぞ自分が大変凝ったやつで、デパートの吹き抜けにある狼煙なのだと、自慢しているのが面白かった。
もくもくと上がっている
お前はみんなを見たがっている
噛みついてみる
もくもくと歯を見せる
だが、誰もお前を見ない
煙たいから

休感日

やぁ、っと。一息を紡ぐ前に溺れ死んじまって。
海の奥には進めなかった。卑怯者
イヤ、断じてこれは、大衆のせいではないし
見守って下さった、友人のせいでもない

で、あれば
なんと言い訳をするべきか。

さて、怒涛もない情報量の世界では、口瞑ってしまうこともあるでしょう。
人も3歩、歩けば忘れるもので。

初夏、茹でられたことも。蜃気楼の先にお姫様を見たことも。
全部、言い忘れてしまうものだ
すっか

もっとみる

ゆらゆら 力のない手で物を口に運んで 液体で飲み干す
ゆらゆら 内蔵を詰めた皮に布を被せる
ゆらゆら ただよう
ゆらゆら 誰かが話をしている
ゆらゆら 体はどこだ
ゆらゆら ベットの上か
ゆらゆら 馬小屋の下

お前が次に俺の目を見た時
抉る
そして接吻をして 笑ってやる
汽車の煙に晒して
はらはらと観客が冷や汗を拭い
それを
殴る
馬鹿にした全部を裸にひん剥いて
唇に血を食ませる

嫌だな にんげんにはなりたくないな
にんげんってば何でも食べて
肉も食えば草も食う
嫌だな にんげんにはなりたくないな
つよいやつはよわいものを救わない
結局弱いものいぢめなんだ
嫌だな にんげんにはなりたくないな
性を愛として愛を性とするんだからな
心も食うから怖い怖い