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幽霊の鉛

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2022年11月の記事一覧

ブルーライトを馬鹿みたいに浴びて
チカチカ瞬くこの虚には
無駄に時間をスクロールして
慌ただしさに蓋をする
横断歩道を実際に踏み出すのは
死ぬほど面倒臭くて
死ぬほどなんて冗談だけども
本気にして欲しいぐらいには
液晶の海で甘えてる

苦虫 苦虫
お前の顔をすり潰しては
私の顔に塗りたくっている
どうして、ばっかり
溺れている、いつも
忘れたいことばっかり
認知しないで
都合よく消えたい
苦虫 苦虫
お前の顔を貼り付けたい
私の顔をあげるから
喰ってくれ、破って咀嚼してくださいな
溺死歴史巡って
答えは聞こえず

馬鹿大日本かぶれの詩を読んで
あーっくだらねぇ
アンタが見てきたのは令和の馬鹿だぜ
あーっくだらねぇ
真似事は真似事にすぎねぇ
そンな綺麗じゃねぇんだよ
堕胎せよ!お前の馬鹿は紙一重に繋がるか!
はて、そこまで執着するのは俺だけ?
ナンイズムのセンスにアンポンタン

言霊を信じがち、だから、さ
糸の絡まりに
ばいばいは、やめて
またねって、願掛け
意地悪なんかじゃなくて
寂しいだけの我儘
小指を千切るから

荒波で式を挙げよう
鉛の海が大好きなンだ
そんな俺を愛してくれたンだろう
この際は呑まないでやる
一枚で良いからさ
それが形見になるかもしれないだろう

鯨の心臓の中で僕は呼吸をする
肉壁の柔らかな臓器の上で
大きな箱舟が不必要を消してくれるって
僕は食べ残しの方
残飯の方
鯨の心臓はピアノ
錆び付いてギタギタの汚い音は鼾みたい
優しいね早く沈めて

月は綺麗ですね
月は綺麗ですね
真っ赤に目ぇ腫らして
もうすぐ白眼が帰ってくる
痛ぇや
痛ぇよ

月は綺麗ですね
月は綺麗ですね
ただあいつは立ってるだけだ
それだけで綺麗なんて馬鹿みたいだ
狡ぃや
狡ぇよ

又 なンとなくしんどい
腐って代わり映えのない車窓を見ている
しらン人の温もりが気持ち悪くてぬくぬくとする
又 なンのために生きているのか
妬いて丸焦げの精神から墨を擦りとって
しらン馬鹿でもわかる秘訣を殴って書いてみる
不味い脂が滲みた火付け新聞紙をお食べ

甘い 甘い 香りに絆されて
簡単に誘われて
さっさと目に物見せてくれ
俺を抱き潰してくれ
あっけらかんと姿を晒さず
扉越しに蹲る俺を見下ろしている

甘い 甘い 香りに絆されて
簡単に誘われて
早く手を差し伸べてくれ
俺を絆き殺してくれ