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幽霊の鉛

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2022年7月の記事一覧

あー、つってぇ
なんだかふわふわするんだなぁ

お前のさ、眼球と唇が一重になって微笑むんだ

あー、つってぇ
なんだかだるいんだぁ

半端者はさ、生きてる価値も同文なんだ

あー、つってぇ

変な言葉を口にしてぇ、
俺はさ、俺はさ、浮遊霊にはなれたらいいな

展覧

展覧

一生に人の絵を
目と鼻と口をぐちゃぐちゃに塗りたくって
生まれた絵画を燃やしてしまおう

赤白黄色 お前の華を摘みとって
煮詰めて泥水で描こう

佳作に輝く賞状にお前の目玉が張り付いている

一生に人の絵を
愛と涎と死をめちゃくちゃに捏ね繰り回して
死骸の屑を沈めてしまおう

駄作が招く表情にお前の口が裂けていく

鍍金

鍍金

窓辺の軋みが、こちらを見ている
嫌われるのが恐ろしくて、余計な心配をする

中古の人格も、磨き通せば新品同様
騙してるわけじゃない、どこにも売ってない
雑なメッキを被せた思想

安売りを如何に気高く見せるか
剥がれた地の素朴さと弱さを認めてくれるのか

何重にも重ねた金を無視して抉りとる
地底調査の報告は多方が無機質に告げられた

証言

証言

不要だったらしい
いつから気がついて知らないふりをしていたかは忘れてしまったけれども
所詮つぶらな瞳で充分らしい

私の言葉がどこまで効力を持つかはわからないけれども
所詮被告の言葉は聞くに値しない
目と鼻と口と、ただ愛嬌があれば人は救われる
七の目が三つ揃えば人は癒される
それじゃあ私はいらないね
ただ罪だけが君の腕に煤りついて汚いだけだ

所詮取るに足らない存在だ
所詮つぶらな瞳で充分らしい

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-273.15

-273.15

人に℃を分け与えておくれ
人に℃を分け与えておくれ
私にもひとつ
僕にもひとつ

ちぎって、ちぎって
まだ大丈夫

人に℃を分け与えておくれ
人に℃を分け与えておくれ
私にもひとつ
僕にもひとつ

契って、契って
多分大丈夫

人に℃を分け与えておくれ
人に℃を分け与えておくれ
私にもひとつ
僕にもひとつ

違って、違って
あぁ足りない

人から℃を奪っておくれ
人に℃を分け与えておくれ
私にもひ

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嗂

ず、ずぅと、、君、手
朝、サボらずとも、、君、み、目
頭、頭、頭、ぐずぐず
ま、ま、まぁ。襖、陰
傍、傍、傍、傍、傍、傍
言った、じゃない、あなたが鏡越し、忘れていたって

居たって痛がったって、て、て、いる、いるわ、いるのよ、いないわよ、知らないわよ
か、か、帰っ。帰、っ、て、えぅ
ホラ、ホラ、拭いてばっかいないで謝りなさいよ
早、早、早く、嫌いばっか好きよ
狡、狡、狡、わぁ、ねぇ、やだ
わかる

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馬鹿の薬

馬鹿の薬

君は命を唄えるか
めいめいの帳ばっかりに気を取られて
飛んでから落ちる薬を貰ったんだ
なにやってんだ 俺はまだそれ程じゃあないだろ

君は命を訴えるか
だいたいの理由は不明だのに強いられて
これを飲むと楽になるよ 代わりに死にたくなるよ
なにやってんだ 俺はまだ生けるって笑顔だろ

君は命を売って得たか
せんせいの言う通りみたいにやってみたって
生きるのが楽しくって堪らないや
なにやってんだ 俺は

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センタク

センタク

世界は思っているよりもつまらない!
亜細亜の片隅で何を見た
世界の全てを知らぬがままに
朝焼けの美しさに何度でも感動できる愚か者のままで何を望める

感性の育ちは所詮行き詰まっちまって
知らない男の顔が近づいて
席取り合戦には勝てたけども
矢張りその程度で喜べる愚か者のままで
望むな持て余すな

こんなんだよ俺は
隣の女が不審にこっちを見る挙動は反吐が出る
幾日も洗っていない服の臭いが気持ち悪い

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