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社会のエゴを楽しむのはいかが。

都会は広告ばかりで目が疲れる。ビルの壁、電車の中、携帯の画面でさえも広告で埋め尽くされ、広告代理店のハゲたおっさんのエゴによって日本の風景が汚染されている。広告代理店のおっさんがハゲているかどうか分からないが、ハゲていないとしたら確実にツーブロックで青いスーツを着て「今日のアジェンダをシェアします」と、カタカナをがんばって並べてるやつに違いない。


さまざまな場所に設置されている広告をみていると本当に不思議な気持ちになる。彼女すらいないのに結婚を急かされ、ギャンブルに興味がないはずなのに競馬に行かなければという使命感が湧き、会社のリスクを減らすためのIT運用管理をしないと不安になる。うちの会社はまだ社員が2人やぞ。絶対IT運用管理なんていらない。

電車に揺られながら携帯から目線を外すと、黒いスーツを着た藤原竜也と目があった。「常に最新でなければ情報を守ることはできない。」と言っているが、カイジのイメージが強すぎて一切頭に入ってこない。というか藤原竜也は絶対にこの商品を使っていない。あなたはカイジのキャラクターとしてギャンブルをしてなさい。

広告が効果を発揮する瞬間には2つのパターンがある。それはポジティブな欲求とネガティブな欲求を動かしたとき。

母の日のプレゼントの広告はポジティブのいい例で、「お母さんにプレゼントをあげたら喜んでくれますよ!」を顧客に訴えかけることで、人の中にある「貢献」「家族」「愛」などの欲求を動かそうをしている。

電車でよくみる脱毛の広告はネガティブな欲求を動かしている場合が多く、「脱毛しないと男性に嫌われるかもしれない、、、」と思わせるような見せ方を使っていて、「批判されたくない」「嫌われたくない」欲求を動かす。

どっちがいいとか、どっちが悪いというわけではないし、正解はないけど現代日本の広告ではネガティブ欲求を原動力にする広告が多いので「日本は病んでるな〜、、、」なんて思ったりする。

しかし「痩せろ!」と言われて、「いや、人間は中身だ!痩せなくてもいいだろ!」って思ってても、世の中は痩せたほうが良いって思ってる人が多いんだし、全員の意見を変えることは難しいので作られたエゴの中にいることを理解しながらそれを楽しんだもん勝ち。

むしろエゴを利用しちゃえ。



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山田あきと
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