【稲妻強盗と蝮のお銀】民俗オタク、稲妻小僧の聖地巡りをする…【1日目】
思い出してみればおばあちゃんの昔話で
お目にかかった以来
苦労話の一つや二つ聞かせろと
手を取り行くのも絵空事
はっぴぃえんど『暗闇坂むささび変化」より
0日目はこちら
https://note.com/akitanoyosei/n/nca9594f70381
(なんかリンクいかねえ)
日本橋口で前回のバスを降り(実は、行きは新宿に辿り着くフローラ号に乗ることが多いので、日本橋は初めてだった。
優しいお姉さんに話しかけ、道を聞いた。
「このビルに入って、こういった所にあるはずだから」
「ほえー、わざわざ民間のビルに入らなきゃいけないんですね、ありがとうございます!」
東京駅に到着。だが、ここで私の準備の悪さが伺える…
ここで、無料手荷物預かり所でトランクを茨城遠征まで預かってもらうべきだった。
まあ、東京に慣れてないから仕方ないねーwwトランクを持ったまま電車にINしてしまった。
満員電車、怖いほど人が押し詰めてくる…
みんな満員電車嫌いだって言うけど、乗らなきゃ目的地に行けないもんな!
今回、母から交通費としてSuica1万円を受け取っている。
門前仲町駅へ辿り着いて、目の前に目的地のお寺があるにも関わらず、この大荷物で行くわけにもいかずにコインロッカーを求めて彷徨った。
「ここにはなくて、向こうの出口しか無いんですよ」
と駅員さんに言われ彷徨う。
なんてバカなことをしたんだ、時間を丁寧に使うはずが。なんてバカ。自分に怒りながら歩き、コインロッカーをようやく見つけてトランクを入れた。これで700円と30分のロスか…愚か…
ようやく到着した成田山深川不動堂。
「稲妻小僧」という民話は、実際に人が本人含めて6人くらい死んだり、人が恨まれたりしているので、万が一のために不動明王様のお守りを頂くことにしたのだ。某SNSでアドバイスくださった方、本当にありがとうございます。なんやかんや危険がいっぱいの旅だったので、このお守りはあって安心しました。
遠回りをしたせいで、裏口から入ることになってしまった私w普段の行いです。心に余裕がなく、駅から降りた時に撮った参道しか写真がないw
外の印象としては、観光地化された大きなお寺だった。秋田には無いようなデカさ。
本堂に入り、不動明王像を拝む。線香を購入し、今回の旅の成功祈願、稲妻小僧の研究が捗ること、家族や「先生(後ほど登場)」の健康を祈った。
不動明王様の、怒った顔を見る。
あっ、見られているぞ。
いつも見ているのかもしれない。
すると、観光客っぽいお姉さんが、線香を焚くと、
パンッ!!! パンッ!!!
めっちゃでかい柏手を、鳴らした。神社と違い、お寺は手を鳴らすのは良くない。なんか、あまりにもでかい音だったので逆にクスッと笑ってしまった。
しかし!不動明王様と目が合った。
あっ、人を笑っているのも見られているぞ、ごめんなさい!
もう一度、最敬礼をしてはそそくさ出て行った。
お守り購入(帰ってきてからの撮影)
一番おすすめの、身体安全。
お清め塩やおみくじも購入。38番、吉でした。小学校以来大吉が出ない気がするw小学校の時はずっと大吉だった気がします。お母さんと弟と叔母・従姉妹と浅草の雷門に行った時も。
バスで食べたピーナッツバターランチパック以外では、初の食事…マクドナルド!
電車に乗って、今度は新宿御苑前駅へ。
坂道を練って歩き、「長善寺」と書いてあるところに着いた。
「すみません、ここに稲妻小僧の墓というものがあると聞いて」
「それは無いですね」
こ…これは、「ハズレの方の長善寺」だった!
四谷には、長善寺が2つある。
1つは浄土宗で、もう一つは曹洞宗。
違う方だったという。
住職様が言うに、
「一度電話を入れてからの方がいいと思いますが…」
しかし、正確な電話番号がわからないのだ…。申し訳ないが、このまま突撃させていただく。
しばらく歩く、大きな荷物を仕方なく抱えて坂道を練り歩く…。
四谷駅の側だった、最初から四谷駅だとこんな苦労しなくても済んだと思う。
長善寺、別名「笹寺」!
Googleマップには「笹寺」と書いてある。
皆さん、気をつけてくれたまえ!(ご迷惑をおかけしました)
到着。住職様はご不在でお話は聞けませんでしたが、ここで合っているそうです。
稲妻小僧の墓。
秋田の酒を備えました。蓋を開けた方が良かった?開けてきませんでした……。
勝負のお守りとして勝手に墓石を削る人も昔はいたとか。
初日の東京ミッションクリア、この時点で10時は過ぎていた!まあ、色々ロスは多かったですが範囲内です。
東京駅に着いて、時間も惜しかったので昼ごはんはコンビニのねぎとろおにぎりのみにすることにした。急いでいたのでSuicaを使ったが、それ以降旅行中移動以外のSuicaは使わず。
急ぎな!遅れちゃう!と言い聞かせて、JR常磐線・上野東京ラインに急ぐ。
しかし、ホームに着いた時は動画を撮る余裕があるくらいだった。
電車に乗り込む。
向かいでは、気さくでジェントルメンな身なりをした男性が、隣の外国人カップルに英語で何か楽しげなことを話していた。
電車の中でねぎとろおにぎりを食べた。
摩天楼はだんだんと住宅街になり、田畑や林に変わっていった。
土浦駅で降りる。
知らない街にひとりぼっちだ。不思議な感覚。
確か、中学生の頃は長野県に行きたくて、行けるわけもないのに一人でずっと旅行の計画を立てていた。この頃の自分はまさか、大学生になった自分は、長野県でもなければ東京や大阪でもない、全く知らない街の住宅街に一人自ら放り込むなんて思っても無いだろうな。
土浦駅…都会!!!
県庁所在地から見て郊外であるにも関わらず、秋田市よりも都会だ、さすが関東である。
市役所がイトーヨーカドー跡にあるだと!?自由だなー。
とりあえず、行きはタクシーで行くことに。
まずは取材先としてあらかじめお願いしていた老人ホーム、「めいこうの里」様。もう午後を回り、待ち合わせ時間で急いでいるし、正確に行きたかったのでタクシー!
タクシーの運転手さんに、稲妻小僧を知っているか聞いてみた。
「いやー、ここの人じゃないから知らないっす」
ですよねー。
まず、稲妻小僧伝説についておさらいしておこう。
私が今回降り立った茨城県土浦市大岩田で生まれ育った稲妻小僧こと坂本慶次郎。
彼は極悪人で、地元で大暴れして多数の被害者を出す。とうとう網走行きにされてしまった。
当時の脱獄王と呼ばれた「五寸釘寅吉」に脱獄を教わって、またまた大暴れ。俊足で、一日188キロ近く走ったことから「稲妻小僧」という異名がある。
彼が処刑されたのが1900年。かなり彼の伝説自体は風化はしているものの、「ゴールデンカムイ」「赤い人」といった芸術作品に度々使われる。
民話でいうと、世間話の部類である。史実ではあるが、彼の妻だったと言われる「蝮のお銀」など事実を確認し切れない部分も多く、民話としての研究もとても面白い。
Wikipediaより引用
種類 語られる人物・時・場所 語られ方 語り・話のかたち
昔話 不特定 事実かどうかわからない(おそらく事実ではない) あり
神話 特定 事実かどうかわからない(おそらく事実ではない) なし
伝説 特定 少しは事実かもしれない(少しは信じてほしい) なし
世間話 特定 事実である(信じてほしい) なし
だが…やはり、彼が処刑されたのは1900年なのだから、もう「彼を見たことある人はギリいない」だろう。
何しろ、私がここに来た理由は2つあった。
2017年の「水曜日のダウンタウン」に、「最後の将軍・徳川慶喜を見たことある人まだギリこの世にいる説」。
お年寄りの興味深い話を聞いているうちに、本当に見たことある人をギリ見つける。
でも、本当にギリなんだ。知っているお年寄りなんてすぐにいなくなる。
もう一つは、ちょっと調べても出てこないが、Xで流れてきた「鬼太郎村(おにたろうむら)巡り」である。確か廃村巡りが好きな筆者が行った珍名廃村だった。
隣村の老人に言われたのが「村名の由来を知っている婆さんなんて、もう20年前には死んでしまった」という言葉であった。
この言葉に、なんだか私は突き動かされた。そう、稲妻小僧を見たことある人はもういないし、もしかして同じことを言われるかもしれない。言われたら納得する。そう言われてもいい……。
民話好きが転じて、田沢湖に潜む女神の幽霊を探して歩いた遠い冬のこと、日本一深い湖と、霞ヶ浦という日本で2番目に大きい湖、そして今回の旅では日本一大きい湖にも行く予定なのだ。なんだか、とても運命を感じる。
その何かを探すんだ、例え想像と同じことを言われるとしても……。
そう私は大岩田に降り立った。
めいこうの里様の職員様は、本当に快くお迎えしてくださった。念の為マスクをし…。お邪魔します。
しかし、やはりこちらも町外、市外、県外の方が多く…。
残念ながら、知っている人はいないようだ。
職員様に楽しい民話の話wや、帰りに行こうと思っている「芋やす」の話をした。
出発の数週間前になんとなくテレビをつけたら、「茨城県土浦市の人気店!」と、出てきて、「ここだ!」となった店だ!よく見たら1駅遠かったけども。
お姉さん「えーでも、正直芋やすよりかすみがうらの芋やさんの方が美味しいんですが…」
お兄さん「時間もあるからさ…」
お姉さん「ですけどねー」
芋愛のあるお姉さんだ!なんかとても感動した…。地元、好きなんだなぁ。自分も秋田が好きでいたい。
確かに、レビュー数はかすみがうらの芋やさんの方が多い。芋やすはまだまだ人気店ではあるものの、歴史も浅いようだ。
最後に、めいこうの里様から、民生委員の方や町長の方などを紹介していただく(個人情報なので、管理はしっかり…)
めいこうの里様、本当にありがとうございました!
住宅街を歩けど、やっぱり知っている人がいない。
民生委員の方も知らないそうで、町長の方の家らしきものは見つけたが、最後まで不在だった…。
そんな中、古い家が続くところで出会ったご夫婦にお話を聞いた。
「稲妻小僧こと坂本慶次郎はご存知ですか?」
すると、お父様が…
「あー、なんか聞いたことあるような気がする」
「えっ、誰から聞きましたか?」
「それは忘れちまったな」
「でも、少し答えに近づいたかも!ありがとうございます!」
やっぱり、知っている人はいるんだ。
歩いて、色々なお年寄りに聞いた。しかし、知ってるが1に対して、知らないが10…。ここの人ではないと言う人も多い。
80代くらい?のおばあさんに聞いた。
「すみません、稲妻小僧こと坂本慶次郎はご存知ですか?」
「知ってるけど教えない!」
え、ええーー!!!
それ悲しすぎるよ!!!
「お願いです!せっかく知ってる人を見つけたのにそれは悲し過ぎます!」
「でも教えない、ごめんね」
流石に涙ちょちょぎれた。涙を見せても頑なに拒否するおばあさん。せっかく知ってる人を見つけたのに、もどかしすぎる。
どんどん体がしんどくなってきて、国道を歩いていた。すると、鶏を飼っているお爺さんがいて話しかけた。
「稲妻小僧こと坂本慶次郎はご存知ですか?」
すると!
「うーん、え?ああ、なんか聞いたことがあるね、昔この辺を暴れた泥棒だって」
「えっ、誰から聞いたんですか!」
「そりゃまあ、年寄りからでしょ」
「それ以上の情報は無いのですか?」
「いや、それしか聞いてないというか、聞いてても覚えていないね」
おじいさんは優しかった、だがやっぱりこんな秋田から知らない住宅街で調べ物をする私を不思議に思うらしい。
「どうして、こんな所まで来てようわからん泥棒について調べるんだい?秋田にも面白い民話はたくさんあるのに」
「ま、まあ…確かに秋田にも面白い民話はたくさんありますが…」
家から出る前にも、みんなからそう言われた気がする……。おじいさん、本当にありがとうございます!
ここで悲しいお知らせを先にネタバレしておきます、稲妻小僧研究を目的に読んでくださってる方、本当にごめんなさい。2日目は本当に何も結果が出ず、1日目のように「聞いたことがある」という人さえ見つけることができませんでした。ということで、ほとんど結論は前述の予想通りでした、詳しく話せる人は20年前には亡くなってしまったかな。ここから先はバカ大学生のバカ旅行記しか書いてありません。ご了承下さい。興味ない人はーここでサヨナラ(泣)
その後、バスで駅まで向かい、ホテルにタクシーで行く(後にホテル→駅までのバス乗り方も習得。あまりに疲れていたのでバスを待つ余裕は無かった)
その日は、仕出し屋さんがやってる格安ホテルに泊まった。
「夜職の方ですか?」
と、ホテルの人に聞かれて(え、そういうホテルなの…?)と、心配だったが、国道側で暴走族がうるせえwということ以外特に何もなく。
晩御飯は知らん街のくら寿司!!!
知らん街でも美味しさは同じ!!!
国道街なので、何食べるかはとりあえず選び放題だった。次の日は、母オススメ「ロイヤルホスト」にしようかと思ったが、現在早朝にやっておらず、仕方なくマック…好きなはずのマクドナルドも、なんか疲れた体にはキツイ…。
2日目に続く
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