まりを作るようになった理由
わたしがまりを作るようになったのは、今から約3年前のことです。
以前は関東で仕事をしていたのですが、2017年12月、31歳の時に秋田へ戻ってきました。大学の専攻が美術史で芸術に興味があり、郷土の工芸品として有名な本荘ごてんまりに興味がありました。
ごてんまりの教室は最初なかなか見つからなかったのですが、カダーレでごてんまり体験教室が行われるのを偶然知り、参加しました。それが始まりです。
作るのが楽しいなと思って、それから道具を揃えて作るようになりました。とはいっても、最初はどうしようもない下手なまりしか作れませんでしたので、「いつかうまく作れるようになったらこんなのが作りたいな」と思って、まりの製作と同時に絵を描いていました。
わたしが秋田に戻ってきたのがちょうどクリスマスの時期で、都会の華やかなクリスマス風景をたっぷり見ながら帰ってきました。
秋田へ戻ってきたとき、どうして本荘ごてんまりが吊されたツリーが一本もないんだろうと不思議に思いました。
こんなにきれいで華やかなのに、なんでツリーに飾ろうとしないんだろうと。そして、ないなら自分で作ってみようと思いました。
まだどこにもない、ごてんまりがたくさんぶら下がったクリスマスツリーの絵です。
この絵をもとに、クリスマスツリーに飾るまりのオーナメントができました。
ありがたいことに、2019年のクリスマスの時期に、カダーレの図書館でこちらのまりを飾らせていただきました。
わたしはツリーに飾りたくなるくらいキラキラしたまりを作りたいと思いました。さらに、そんなキラキラしたまりでハレの日の女性を飾ることができたらどんなに素晴らしいだろうと思うようになりました。
ごてんまりのついた、振袖にあうような豪華な髪飾りは、まだこの世界にありません。それをつくることが、今のわたしの目標です。
もしあったら、由利本荘市出身の若い方や、由利本荘市出身でなくても秋田県内で成人式をあげる予定の方に、楽しみが増えると思います。
まだ世界にないものを作るのは大変ですが、一つ一つ積み上げていけばできるような気がします。ごてんまりのクリスマスツリーも、始まりは1枚の絵でしたから。
髪飾りも、絵にできたのだから必ずできるだろうと思っています。