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ごてんまりの「分かる」と「できる」を届けたい

こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。

少し前に、自分のやりたいことを短く表現する言葉が見つからなくて悩んでいる、わたしのやりたいことって何だろう? という記事をかきました。


やりたいことのキャッチコピーがやっと見つかりました。
ごてんまりの「分かる」と「できる」を届けたい、です。

由利本荘市では地元の文化としてごてんまりが有名ですが、実はその素性がほとんど知られていません。
ごてんまりの展示が行われ、たくさんの人が興味を持ってくれたとしても、作り手も展示の責任者も誰一人名前と連絡先を出さないので、興味を持った人がどこに連絡したらいいか分からないからです。

ごてんまりの製作体験もあるにはあるのですが、2週間前から予約の必要があり、サイトを見ただけでは所要時間や料金、会場がはっきり分からないなど、申し込む側にとってかなり心理的ハードルの高いものになっています。


結果として、ごてんまりは多くの人にとって「分からない」「できない」ものになっています。

わたしは2017年の終わりに由利本荘市にUターンしてから、ずっとごてんまりについて勉強してきました。
美大の修士課程を出て学芸員の資格もあります。
ごてんまりの歴史と作り方なども説明できますし、「これについては○○に書いていますよ」と根拠となる資料の紹介も出来ます。
ごてんまり作家として活動を始め、今では毎月テーマの異なるワークショップを開催したり、定期的にイベント出店するようになりました。

ワークショップの合間にごてんまりの歴史や柄の意味などをお話ししていると、皆さんの顔が輝くのが分かります。
「へぇ、そんなこと知らなかった!」
「ごてんまりって、面白いね!」
知らなかったことを知るのは純粋に楽しいですし、地元の文化について知りたいと思っている人はかなり多いです。

わたしが作家としてごてんまりをただ作るだけでなく、顔と名前を出してワークショップをしたり出店を行う意味がここにあります。
今までただ漠然と「ごてんまりを広めたい」と思って活動していましたが、「自分でなければならない意味」「地域に今求められていること」を考えた結果、このキャッチコピーにたどり着きました。


地域にはわたしの他にもごてんまり作家がいるので、ごてんまり作りのレクチャー(つまり、「できる」のほうですね)を担当できる存在というのは他にもいます。
しかし「分かる」のほうを担当できる存在というのは滅多にいません。
実際ごてんまりの「分かる」と「できる」を両方届けられる存在は、今のところわたししかいないと思います。

今まではワークショップ開催など「できる」のほうを中心にアピールしてきましたが、今後は「分かる」のほうを強調して活動していこうと思います。
実はつい先日、山形県の高校にお邪魔してごてんまりについて少しお話しさせていただき、ワークショップをやるという授業を行ってきました。
皆さん大変真剣に聞いて下さり、ワークショップにもまじめに取り組んで下さいました。
今秋にはある小学校の学生さんたちに、同じようなお話とワークショップの授業を行う予定です。
自分の技術を磨いて、皆さんにきちんとごてんまりの「分かる」と「できる」を届けられるようになるためにも、このような仕事は今後できるだけ引き受けたいと思います。


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