百人一首ツイノベ解説 #005
ひと夏の恋。なんて呼べば聞こえは良いだろう。実際は欲に身を任せただけである。まだ二ヶ月そこらの赤ん坊を抱えて山へと踏み入った。あれから数年。たまに山中を散歩すると、どこからか鹿の鳴き声が聞こえた。その度に、赤ん坊の泣き声と重なって私は、身勝手にも心苦しくなるのだ #twnovel
— 秋助/秋乃アキ@感傷リップループ (@akisuke0) November 12, 2016
No.155 山の子(百景 5番)
— 秋助/秋乃アキ@感傷リップループ (@akisuke0) November 12, 2016
猿丸大夫
和歌
「奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき」
歌意
「奥深い山の中で、紅葉を踏み分けて鳴いている鹿の声を聞くときこそ、秋が悲しく感じる」#百人一首ツイノベ
昔から秋はいつも感傷的な気持ちになる季節だった。夏のキラキラが過ぎ去ってしまって、永久凍土の冬が来る。この物語の主人公は山の中に赤ちゃんを置き去りにしてきた。自分は、きっと、夏の「なんでもできる。何者にでもなれる」と、自信に満ち溢れていた自分自身を置き去りにしてしまったのだろう。
(注:和歌の歌意は今日マチ子さんの著書『百人一首ノート』から拝借しています)
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