今さらですが、読書の秋(田柴子)⑨ 宮沢恵理子さん
「勝手に誰かのお話または記事を読む月間」9本めです。
本日は宣伝を兼ねて、こちらを!
過日、『第三十一回 やまなし文学賞受賞作品集』が刊行されました。
拙作『雨を知るもの』も佳作として収録していただいておりますが、まずは最高賞・宮沢恵理子さんの『捩花』から参りましょう!
物語は非常に独特のテンポで流れていきます。
主人公の前に現れた、六十歳の女性・佐倉とし子の不思議な言動を追うように話が進んでいく……はずなのですが、これがなかなか一筋縄ではいきません。ほやほやとした会話にふむふむと頷いていると、え? あれ? と何かが引っ掛かる……
巻末の町田康先生の講評がそのままズバリですね。
「わからないことをわからないままに書いているようなところがあり、どうなるかわからない人間の身の上と心持ちが其の儘に描かれていた」
いや、本当にそんな感じです。
でもこの方は、とても文章が上手いと感じました。
なんか独特の文体なんですね。でも全然押しつけがましくなくて、あちこちに出てくる絶妙な比喩や設定に思わず噴き出したり、へへぇと唸ってみたり。
カフェの片隅で、一人挙動不審の変なひとになっていた秋しばでした。
ちなみに先日、発売のお知らせをさせていただきましたが、その後の皆様からの報告によりますと、hontoで購入すると「購入完了」と出たにもかかわらず、なぜか「在庫切れ」になる現象が続出しているようです。
中にはメールが来ればまだしも、何のお知らせもなくひっそり「在庫なし」でフリーズしている例もあるらしく……
もしもhontoでお買い求めくださった方がいらっしゃいましたら、一度ご確認いただけますと幸いです。
現在のところ、Amazonでは確実に購入可能となっているようです。
どうぞよろしくお願いいたします。
本日は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
*この記事は、以下の自主企画のもとに執筆しております。