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子供のうちに読みたかった!! 今からでも間に合う「教養文学」 前編 アンと頭の体操
今回は、私がこれまで読んだ本のうち「子供のうちに読んでおきたかった」と、特に印象に残った本をチョイスして紹介したい。
赤毛のアン
知らない人はいないだろう、超名作。
アニメや映画などで数多く放映されるも、原作を読むと一味違い、得ることもとても多い。
〈読書後の感想〉
2014年、本作の翻訳で有名な村岡花子を主人公とした、NHK連続テレビ小説「花子とアン」が放映された。
その影響を受け、本書を購入し読むに至った。
物 語
カナダのグリーン・ゲイブルズに住むマシュウとマリラの兄妹は、家事など将来のことを考え、男の子を養子に迎えることにした。
しかし伝達を頼んだ相手のミスで、やってきたのはみごとな赤毛の女の子アンであった。
彼女を帰すことをかわいそうだと考え引き取った2人は、よくしゃべるアンの明るさに惹かれていく。
やがて学校に通うようになったアンは、さまざまな事件を起こしつつも、美しく成長していくのだった……。
いざ「名作」と、かまえて読んでみるが、予想以上に純粋で清らかな内容で、アンの魅力に引き込まれてしまった。
多くの、先の読めそうなエピソードの展開なのだが、アンの苦労と努力家な面に感化し、彼女が喜ぶと読んでいる自分も何度も泣きそうになった。
美しいばかりか優秀に成長していくアンは、ただの空想家ではなかった。
他にも魅力的な登場人物であるマリラやマシュウ、ダイアナがいるが、やはりライバルであるギルバートとの関係はとてもよかった。
読み終わってみると、後味も良く、それでいて考えさせられる読後感。
さすが名作。
もっと若いうちに読んでおきたかったと本気で後悔する作品である。
子供に薦めるには最良の一冊。
しかし、シリーズはまだ続く。
ぜひ続編も読み、全編読破をチャレンジする価値あり!
補 足
この本を読み終えてから、かなり時間も経つが、まだ、全編読破のチャレンジ中。
積読になってしまっているが、忘れたわけではない(現在4まで読んだ)。
さて、感想が古いので補足というか、今この作品を振り返ると、一番印象に残っているのはアンの勉強に対する取り組み。
彼女の成績は常にトップ。
何が言いたいかというと、この作品の良さはそれだけではないのだが、子供のときに勉強することの大切さ、つまり子供でも「先見の目」を養う重要性がこの作品からにじみ出ていた。
そんなところをこの作品から強く感じ、何度も言うが「もっと早く読んでおきたかった」と本気で思った。
ちなみに、この作品はNHKの「100分 de 名著」でも「教養小説」として取り上げられた。
今回、この作品を最初に紹介するきっかにもなった。
後日、アニメの「世界名作劇場」でこの作品を観たが、かなり忠実に作ってあり、とても良かった。
ぜひ、そちらもオススメである。
頭の体操 BEST
先に紹介してしまうと、著者 多湖輝は著名な心理学者。
すでにお亡くなりになっているが、書籍などのメディアでの活躍はもちろん、身近なところでゲーム「レイトン教授シリーズ」の監修としても有名だった。
1966年の発売以来、シリーズ累計1200万部のベストセラーとなった脳を鍛える問題集「頭の体操シリーズ」。
様々なタイプの問題を解くたびに、読者に思考力がつき、創造性が育まれると大人気。
日本人の脳を刺激し続けてきた名著が、新たな1冊になって登場。
その全23集・総数約2000問の中から、究極の100問をセレクトして出題したのが本書である。
とはいうものの、百聞は一見に如かず。
問題を少しだけ紹介しよう。
問―1 制限時間30秒
ある細菌は、1分たつと、2個に分裂し、また1分たつと、そのそれぞれが分裂し、合計4個になる。
こうして1個の細菌が瓶にいっぱいになるのに1時間かかるとする。
同じ細菌を、最初2個から始めると、瓶いっぱいになるまでに何分かかるか。
問―12 制限時間1分
2人兄弟のアキラ君とヒロシ君は、いつも学校から帰ったときおやつを食べる。
今日もお母さんはおやつとして、バナナ1本(中身150g)とリンゴ1個(280g)、それにイチゴ8個を用意して、半分ずつ出そうと思っていたところ、兄弟が友達1人を連れてきたため、3人で分けることになった。
それぞれの果物の分量も形も同じようになる平等に、そして誰もが納得するように三等分することはできるだろうか。
問―34 制限時間1分
鉛筆1本と紙だけで直線を描くには、紙を折って、縁の部分を定規のように使えばいい。
では、この紙で放物線を描くにはどうしたらいいだろう。
と、こういった厳選された問題が100問用意されている。
各問題に誰もが納得する解答が用意されているが、ここでは書かない。
実際に本を読んで確認してほしい。
〈チャレンジ後の感想〉
「脳を鍛える問題を、過去のシリーズからセレクト」とはいうものの、この本を読むまではその存在は知らなかった。
しかし、いざ解いてみると、ユニークな解答で、思わず吹き出してしまう問題もあり、とても面白かった。
いわゆるパズルなどの「脳トレ」は、本当は脳を鍛える効果は期待できないとされている。
しかし、全問解き終えてみるとわかるが、読む前と比べ、発想が柔軟になり、考え方の幅が広がったと実感すること間違いなし。
Kindleでも発売されているので、通勤・通学時に問題を解き、脳を活性化するのにはとても良い。
「教養文学」というか、他の本と少し毛色が違う、まさに変化球だが「ぜひ子供のうちに読みたかった」オススメの1冊。
まとめ
実は、3冊紹介するつもりで書いていたが、内容を吟味して書いていると、つい楽しんでしまい、長文になってしまった。
そこで、二つに分け、次回「後編」として、いよいよ人気映画の原作を紹介したい。