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不連続の連続とAtomic Design

3年前くらいに読んだ外山滋比古氏の「思考の整理学」という本がある。

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この本は、卒論を目前にひかえた大学生向けにどのように言葉を繋いで、論文に落とし込むのかということを、巷でいつでも流行っている「〇〇をするための10のルール」的な陳腐な内容ではなく、読んだ人の思考のメタ化(抽象化・高次元化)を丁寧に深めてくれる非常に哲学的な内容だった。

たまたま立ち寄った本屋で出会ったこの本は、今の自分の思考の根幹となる
考え方を一つの言葉に集約してくれた。

それは、「不連続の連続」(文中には、非連続の連続とある)である。

この一見逆説的な文言は、思考の範囲のみにとどまらず、世の中を見渡せば常に起こっていることを完璧にまとめ上げたものだという風に理解している。不連続の連続という考え方は、自分の視界を通して理解する周りの環境を一つ一つの小間切れ単位ではなく、一つ一つが繋がったシステムとして見直すきっかけになるものだった。

ある時この感動を形として取っておきたいと思い、日本語と英語でスライドを作ってみた。タイプフェースは、不連続の連続をタイポグラフィーを通して証明してくれるものを使用した。もちろん、エイドリアン・フーデガー作のUniversファミリーである。日本語フォントは、ヒラギノ角ゴッシクである(日本語版のUniversが欲しかった)。

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この説教じみた内容は、完全に自分中のデザインヒーローである
マッシモ・ヴィネッリ氏の影響で少し宗教じみてきている。笑

とりあえずこのような形で、不連続の連続の感動をタイプでまとめることに成功した。

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最近サンフランシスコ市内の何度乗ってもなんとなく不便なバスで通勤している間、本を読むことにしている。大学を卒業してから色んな知識や理論をインプットする時間を確保することが大変なので、この時間は非常に役立っている。

そんな中、一番直近で目を通したのがブラッド・フロスト氏のAtomic Designに関するウェブサイトである。彼の提唱するAtomic Design自体の考え方も面白かったけれど、自分の中ではそれ以上に思考の整理学から得た不連続の連続という考え方と根本的に同義であるということだった。

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オリジナルのモデルをウェブサイトから拝借してもよかったけれど、XDの練習もかねてざっくりとAtomic Designのベースとなるアイデアをまとめてみた(この練習でSketchの方が機能的にいいけど、UIだけで言えばXDの方が好ましいことを発見した)。テンプレートとコンテンツにシステム上に境目があるのその辺は技術的なところで違いはあるけれど、アトム>モレキュール>オーガニズム>テンプレート>ページという要素の構成の流れは、不連続の連続とほぼ同じである。

単体ではほとんど意味を為さない要素が、大きな集合体の一部となった時に重要な役割を果たすというこの関係性は色々な場面で出くわすと思う。人間だって、意志さえ持たない小さな細胞が集まって、自由意志を持つ個人として生きることができる。非常に興味深い考え方だと思う。

おそらくYouTubeのこのチャンネルを知っている人はいるかもしれないが、不連続の連続と関連する内容のビデオがあったのでこの投稿の締めくくりとしてリンクをどうぞ。

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最後にちょっとでも時間を割いて読んでくださった方がいましたら、本当にありがとうございました。

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akiramotomura
基本的に今後も記事は無料で公開していきます。今後もデザインに関する様々な書籍やその他の参考文献を購入したいと考えておりますので、もしもご支援いただける方がいらっしゃいましたら有り難く思います🙋‍♂️