二つの要素から考える「働きがい」とは?
みなさんは「働きがい」について考えたことがありますか?
もしくは、日々「働きがい」を感じてお仕事できていますか?
こんな調査があります。
世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかおらず、「やる気のない社員」は70%、企業内に諸問題を生む「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%に達した。
米国の「熱意あふれる社員」32%と比べると、その数値は大幅に低く、調査した139カ国中、日本は132位と最下位クラスだった。
この調査から言えることは、現代の日本人の多くは働く意欲を失っているということです。
そこで今回は「働きがい」について考えていきたいと思います。
働きがいを感じて働くためどうするべきか、といった内容にも触れていきますので働くことに対して悩んでいる方や部下のマネジメントに悩んでいる方の参考になれば幸いです。
働きがいとは?
まず「働きがい」は2つの要素から構成されていると言われています。
それは「やりがい」と「働きやすさ」です。
「やりがい」
仕事を通じて感じられる達成感や誇りなどを指します。
「働きやすさ」
その働きに見合った十分な報酬や休みが取れるかなどの、職場の環境を指します。
「やりがい」と「働きやすさ」この二つが両立している状態が「働きがいがある」と言われています。
「やりがい」と「働きやすさ」について詳しく考えていきたいと思います。
「やりがい」とは
個人の内面から発生する動機付け(内的動機付け)とも言われます。
個人の価値観に沿っていること、興味や関心があることなどです。
つまり、「やりがい」は個別的要素が強いということです。人それぞれ違うと言うことですね。
例えば、「障害や病気で困っている子どもの力になりたい。」とか「施設で暮らす高齢者に少しでも施設生活を楽しんでもらいたい。」などです。
この話をすると「私にはそういった熱いものはない。」と話される方も多いですが、そんなことはありません。
あまりに日常的に考えていることなので意識できていないだけのことが多いです。
自然と考えてしまっている癖のようなものです。
自分の価値観を見つけることは自己理解の一つです。
今まで考えたことないという方は、一度考えてみてほしいです。
マズローの欲求段階
医療介護従事者の方は知っている方が多いと思いますが、マズローの欲求5段階と言うものあります。
アメリカの心理学者アブラハム・マズローが考案した、人間の欲求をピラミッド状に階層で表したものがあります。
低次なものが満たされると高次の欲求を満たそうとする心理行動を説明したものです。
高次な欲求(自己実現や承認)ほど内的で低次な欲求(社会的、安全、生理的)ほど外的とも言われています。
つまり仕事で自己実現をしている人、もしくは自己実現のために仕事をしている人は内的動機付けが高いと言うことです。
あなたの仕事のやりがいはどれに当てはまりそうですか?
「働きやすさ」
先ほど「やりがい」は内的動機付けといったのに対して、こちらは外部からの刺激によって上がるモチベーションのこと(外的動機付け)と言います。
外的な要因とは、給料、福利利厚生、役割責任、利便性などです。
例えば、「家からの距離が近くて、通勤時間が短くて済む。」「給料が良い」「責任がない」などです。
給与や休暇もそうですが、人間関係や理念、上司やトップの考え方なども含まれます。
「やりがい」と「働きやすさ」どちらが大事?
では「やりがい」と「働きやすさ」はどちらの方が大事なのでしょうか?
結論としては、どちらも大事です。
以下の表をご覧ください。
人の仕事に対するモチベーションの高さを「働きやすさ(外的動機付け)」と「やりがい(内的動機付け)」で説明すると次のようになります。
モチベーションレベル1とレベル4に関してはご覧の通り。
ここで注意していただきたいのは、レベル2とレベル3です。
内的動機付け(高)外的動機付け(低)場合と、内的動機付け(低)外的動機付け(高)場合では、内的動機付けが高い方がモチベーションレベルが高いということです。
実は、働きやすさ(外的動機付け)を改善することは、働く人の不平や不満を減らせるけれど、モチベーションを上げる効果は低いと言われています。
内的動機付けが高くなければエンゲージメント(仕事に対してポジティブで充実していること)は上がらないと言われています。
これは、働きやすさ(外的動機付け)を改善しても意味がないといっている分けではなく、働きやすさ(外的動機付け)だけでは人の仕事に対する意欲は上がらないということです。
また、個人の中で「働きやすさ(外的動機付け)」要因が高くなると「やりがい(内的動機付け)」が下がる傾向があるとも言われています。
まとめ
つまり、日本で働く人達が自己実現の手段として仕事を捉え、日々の仕事に意欲的に取り組むためには、職場全体の働きやすさ(外的動機付け)改善を図りつつ、個人個人のやりがい(内的動機付け)を見つけていく、もしくはその機会を与えるような取り組みが必要と言えるのではないかと考えます。
さらに言えば、職場の働きやすさを一緒に考えたり、個人の自己実現は何か?を一緒に考えるためにキャリアコンサルタントは存在するとも言えるのではないかと考えています。
最後になりましたが「熱意あふれる社員」を増やすことが今の私の自己実現です。
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最後までご覧くださりありがとうございました。
私「あきらまこと」は、老人保健施設、特別養護老人ホーム、総合病院、訪問看護ステーションで作業療法士として勤務し、キャリアコンサルタントの資格取得後、ココナラで自己理解、就職・転職相談などのサービスを実施しています。
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