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自然消滅していった社内勉強会の思い出
地方のメーカーで回路エンジニアとして働いています。
最近、Udemyに教育動画をアップロードしました。
(ちなみにこれです↓)
https://www.udemy.com/course/ee_noise_beginner/?referralCode=CC377C04F16A2C80E5A9
教育動画を作成していたら、開かれては消えていった社内教育会の思い出を振り返ってみたくなりました。
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私がかつて働いていた部署では、皆が目先の仕事を終わらせることに必死でした。若手の育成は後回しにされるという状態が数年続き、いつしかそれが普通の状態となっていました。成長の機会が与えられず教育も受けられなかった若手が中堅になった頃には、力業と残業で仕事を終わらせる部署になりました。プログラムを組めば楽にできる仕事をプログラミングが出来ないがゆえに人力で行ったり、パラメータを縦断爆撃的に変化させることで設計を進めたり、といった具合です。この状況に危機感を抱いた管理職や新たな若手は勉強会を開き、部署全体の技術力を高めようとしました。しかし、勉強会は開かれては消滅するを繰り返すのでした。
その思い出を振り返ってみようと思います。
勉強会その1 部署全員(40人くらい)での勉強会
この勉強会では、2週間に1回くらいのペースで担当者が1つのテーマについて解説するというスタイルでした。勉強会は定時後に90分程度行われました。基本的に全員参加で、自分の業務に関係なくても参加する雰囲気がありました。このため参加率は高かったです。ただ、質疑応答の時間は5分くらいで、質問するのは3~5人程度と活発ではありませんでした。会場の後ろの方でスマホで遊んでる人もいました。勉強会は1年くらい続いていたと思います。しかし気づいたら自然消滅していました。勉強会における明確な学習目的があったわけではなく、「みんな参加しているから俺も」という理由でだらだら続いていただけだと思います。その勉強会で部署の技術力が上がったかと言われると、そんなことはなかったです。
勉強会その2 Under35の会
35歳未満の比較的若手だけで行う勉強会です。最初は固定の講師が講義するスタイルだったのですが、講師の負担を減らすために途中から講師を担当制にしました。講師を担当制に変えてから、当然ながら講座のクオリティが下がっていきました。しっかりと準備してわかりやすい講座をしてくれる人もいれば、メーカーのWEBサイトをみんなで一緒に閲覧しましょう、というタイプの人もいました。参加率は徐々に下がっていき、質疑応答も活発では無くなっていきました。講師の番が回ってきても講師をやらない人も現れました。そして気づいたら勉強会は自然消滅していました。
勉強会その3 少人数での教育
私を含む若手3人でチームを組み、上司に渡された英語の教科書を読む、という勉強会です。参加者の2人は英語がとても苦手でした。最初は「これを機に技術だけじゃなくて英語力も身に着けるか!」と意気込んでいた二人でしたが、教科書を読んでもあまりにもわからないことが多く、モチベーション維持が難しくなり、読み合わせの参加率は下がっていきました。教科書は1章だけ(導入部分)だけ読んで勉強会は消滅しました。
勉強会その4 同期と勉強会
とあるテーマについて勉強しないか?と私から同期の何人かに声をかけた勉強会です。入社直後のことだったと思います。私も含め、皆、入社直後でやる気があり、10人くらい人が集まりました。皆が集まれるのは日曜日だったので、勉強会は日曜日に実施することにしました。いざ勉強会の前日、なんと10人中5人が風邪を引いてしまい、明日は欠席すると言い出したのです。結局その勉強会は2回だけ開いて、特に何の成果もないまま消滅しました。
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他にもいろいろあった気がしますが、思い出せたのはこのくらいでした。
勉強会については、いろいろ思うことがあります。
1.お勉強をしても技術は上がらない
技術力アップ=勉強会またはセミナーと思う管理職は多いようです。しかし、勉強会を計画するくらいなら、身に着けて欲しい技術を取得できる仕事を作っていただきたいです。使わない技術をいくら教えてもすぐに忘れます。学ぶ側の若手も、ただぼーっと勉強をするのではなく、学んでいることを活かせるような仕事を自分で見つけ出す必要があるでしょう。
2.ジャストインタイム方式で学ぶ
勉強は必要になってからで良いと思います※。いつか役立つかもしれないから、という理由で勉強を始めても、モチベーションは維持できないし、活用しない知識は勉強しても忘れると思います。
業務をしていて必要な知識が出てきたら、全力でそれを学ぶ、というのが良いと思います。これを繰り返した結果が幅広い知識になるのだと思います。
※当然、押さえておかなければまずいテーマは必要になる前に勉強する必要がありますが・・・。
3.群がらない
人によって有している経験や知識は異なります。それなのにもかかわらず、勉強会となると、1つの部屋に人を集めて「みんなで一緒にやろう」となることは多いです。勉強会と称してファミレスで雑談をしている高校生の集団と何にも変わらないです。勉強は孤独なものだと思います。
4.教える機会を与えるのに勉強会は最適
人に教える機会を与える、という意味では勉強会は良いものだと思います。「ラーニングピラミッド」の頂点にあるのは人に教えることです。逆に、ピラミッドの最も下にあるのは、講義を受けることです。このため、勉強会では講師を積極的に引き受けるべきです。聞くだけなんて勿体ないです。
これまでの開かれた勉強会では、私が講師をする場合もありました。講師として教育資料を作るのは大変ですが、努力した分、知識は身に付きました。それに味をしめた私は、教育資料をめちゃくちゃ作るようになりました。
このような考えがあるため、私はたとえ新人が何人か配属されたとしても、勉強会を開くということはしていません。その代わり、技術が身につくような仕事を作り、その仕事を行うために必要となる教育資料を渡すようにしています。そして日々のコミュニケーションで困っていることや学びたいことを確認して、自分が知っている範囲で教えたり参考資料を提供したりしています。新人が新たな知見を社内にもたらしてくれた際には、報告書や報告会などでアウトプットしてもらっています。
しかしこうやって書いてみると、社内教育に対して自分なりの考えが持てるようになったのは、社内勉強会のおかげなのかもしれません。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。