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型にはめるマーケティングで、事業やブランドの個性失わせていませんか。

タクシー広告の悲劇

都内のタクシーの据え付けモニターから流れる動画広告。ビジネスマンを狙った、業務効率を図るビジネスクラウドサービスの広告が次から次へと流れます。会計、経費処理、出退勤管理、人事、給与計算…

どれもパターンは一緒。①ビジネス上の悩み困りごとの提示⇒➁このサービスの3つの特徴 ⇒➂ツールを導入すれば問題が解決します。

15分の移動中、このような広告が多数流れます。でも残念ながら、私の頭の中では、どれが何のサービスか?なんという会社だったか?なかなか記憶に残りません。

ビジネスのコモディティ化

商品サービスのコモディティ化

テクノロジーの進化により、サービスの水準は全体的に底上げされています。しかし、同時に多くの事業サービスが同質化します。技術、性能、成分、機能、デジタル、データなど、計測可能で可視化できることや、形あるものは、誰もが真似して、導入することができるからです。

マーケティングのコモディティ化

マーケティングも同様。データマーケティングにより最適化が図られ、一人の個人は似た情報ばかりに接することになります。一方自分で情報を探しに行くと、さらに膨大な情報が溢れている。結果、目にする情報はどんどん同質化します。

ナレッジのコモディティ化

ナレッジやプラニングも同様です。検索すれば様々なナレッジが簡単に手に入ります。プラニングの型を入手して、型にはめていけば、誰もが簡単にプラニングできるようになっていく。プラニングも同質化していきます。コンサル会社や広告会社は、自分たちが売りたいシステムやデータプラットフォームやメディアに落としこむために、都合の良いフレームワーク(型)を使って、戦略立案やプラニングを効率的に行いたいと考えます。

確かに、テクノロジーやデジタルやデータは、それまで一部の人に独占されていた専門性を、汎用化、民主化します。その結果社会全体は進化していきます。世界中どこにいっても、高い水準の同じサービスが受けられるようになります。

しかし一方で、社会は同質化が進み、ビジネスのコモディティ化も進みます。うっかりしていると、似たような事業、商品サービス、個性がない都市、地域が多く生まれるようになります。

柚子と石蕗  作:伊賀晶樺

型にはめるだけのマーケティング

定型的な型にはめるだけ、デジタルやソリューションという名の手段に落とすための戦略やマーケティングで、事業やブランドの個性を失わせていませんか。

業務効率を図るための各種ビジネスクラウドサービス×タクシー広告というメディアフォーマット×定型的な表現フォーマット。一つ一つの事業サービス毎にみると、ロジカルで合理的、一見説得力があるように思える話法です。しかし、結果どの事業サービスも類似したものに見えてしまいます。心に響かず、印象に残りません。

タクシー広告に限らず、いたるところで見聞きする、事業説明、商品サービス説明。あなたの事業やブランドのコミュニケーションは、単なる商品サービス説明に終始していないでしょうか?

では、どうすればビジネスのコモディティ化、マーケティングのコモディティ化から抜け出すことができるのでしょう?

その方策は、次回以降で。



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