NHK短歌への投稿作・4月号
選者:川野里子先生 題詠「顔」
半世紀仕込みのわれの観相学四角い顔は嘘がつけない
目の前のラーメンライス 猫のえさ一回分は顔の大きさ
年越しの朝顔たしかに生きてゐるだんだん薄く小さくなりても
ひとり手を挙げる反逆、教室に無言の「えーっ」の地響きがする
東京都 稲山博司さん(5月号)
作者はたぶん真面目な生徒で、絶対に反抗的なことはしないと思われていたのでしょう。無言の「えーっ」の地響き巧い。微妙な空気がひろがる景色がみえます。何に対して反逆されたのか。そこが気になります。