バイオリンのここが好き
演奏家の皆さんは音楽の何が好きで続けていますか?
楽器が好き、曲が好き、仲間が好き、空間が好き、上達するのが好き、拍手されるのが好き、自己表現できるから好き、、、一人一人に尋ねていったら面白いだろうな〜〜〜
ちなみに私は「音の振動」が好き。
バイオリンは顎で挟むから、余計に感じやすいのかもしれない。よく裏板が響くように鳴らす、なんて言いますよね。調整したてだったり弦を張り替えたてだったりすると、馴染んでない浅い音がしがち。そこから時間をかけてじっくり鳴らし、楽器と対話を重ねるとだんだんと心の奥を開いてくれます。
楽器がよく響くツボが抑えられた時、乱れがなく幅の大きい振動を感じます。音程も然り、ボウイングも然り、その振動加減で調整するのが楽しいです。
この感覚は、2人以上で演奏するとさらに増強されることがあります。特に、似た音波を持った同族楽器が上手く重なったときの、倍音がぐわんっと指数関数的に増える感じがたまらなく好きなんです。私が弦楽四重奏に拘る理由は、このサウンドを求めてるからなんだと思います(+名曲の多さ+自己効力感のバランス)。
異種楽器の重なりも魅力的だけれど、上手くやらないと足し算以上の奥行きはなかなか出せない。バイオリンとピアノの曲なんて山ほどあるけれど、よっぽどのアンサンブル力が無いと、ソロ+ソロか、ソロ+伴奏、って感じの個が独立した感じになっしまいます。基本はそれで良いのかもしれないけど、折角一緒にやってるのになーと煮え切らない気持ちになるので、得意ではないです。
その点、オーケストラは足し算の総量が圧倒的だから、また別の満たされ方はしますよね。
※オーケストラに関するお話はまた後日。
少し逸れますが、聴く側でも好きなのはアカペラ、金管のコラール、チェロ十三重奏(笑)などなど同族楽器の小規模編成に偏ってます。
多重録音すれば、簡単に同じ人の声を重ねた作品を作れますが、「そりゃずるいわ、良いに決まってる」と思います。生音では聴くことができない虚しさはありますけどね。
あの、やんややんや言いましたが、
冒頭列挙した項目、全部好きです。