市子は、みた
皮肉がよく効いたコラムに出会うと
俺は嬉しくなる
そのコラムの多くはマイノリティな内容で
自分の中のマイノリティな人生観を
代弁してもらえた気になるからだ
友人との会話の中で
自分の人生観を話さなければならない時に
そのコラムの言葉をよく拝借する
さも、自分が思っていたかのように
山手線の北東
日暮里、根津のあたりをウロウロしていた頃
きのこグッズの専門店を見つけた時
きのこで、一件店が開けるんだ、と嬉しくなった
狭い店内は、きのこアイテムでいっぱいだった
夏だったせいもあり、薄暗くて湿気が強くて
レジン細工のきのこですら
ホンモノに見えそうだった
偶然、きのこ好きな友人がいたので
細工の細かいきのこのキーホルダーを
お土産に買った
友人はたいそう喜んで
あの界隈は、菌糸マニアが多いのよ
と言った
きのこ好きの度が過ぎると
菌糸マニアというらしい
今思い返せば、すごいマイノリティな話だが
そんな友達の方が気が合ったし
話をしていて楽しかった
最近、何かと多様性がうたわれるようになって
俺がこれまで感じていた
アングラやサブカルという分野が
もはや、当たり前になっている
もし俺が20年遅く生まれていたら
もっともっとディープな世界を
楽しめていたかもしれないと思うと
今の若者が羨ましい限りだ
きっと、俺は逮捕されないために
20年早く生まれてきたに違いない(笑)
ちゃんと社会人というペルソナを
暮らさなければならないのだ
そんな前置きをしておいて
昨日は、内容が重めの邦画を観た
タイトルは、市子
きっかけはnote仲間のsanngoさんの感想記事だ
sanちゃんの映画の感想はいつも魅力的だ
読んでいるとついつい見たくなる
そしてもうすでに見た映画ならば
俺はこう思ったよ、って言いたくなってしまう
sanちゃんのこの映画の感想にこうある
とても、気になる書き方だ
ここまで書いておいて、最後だけ言わないなんて
もう自分で見るしかないだろうに(笑)
なんて狂おしいのだ、sanちゃん
映画のダイジェストは
☟sanちゃんの記事を読んでほしい
この映画をザックリというと
主人公の男性が、同棲していたこの市子に
プロポーズした翌日、市子が失踪する
主人公の男性は
忽然と消えた市子を探してゆくのだが
この男性には見せていなかった市子が
次々と明らかになっていく、という
ミステリー調のヒューマンラブストーリーだ
育児放棄、貧困、殺人など
社会の底辺から這い上がろうとするが
ますます底辺に沈んでゆく
王道のラブストーリーにはないアングラ感だ
そんな不幸のドン底にいる市子とは正反対に
感情がマヒしたかのような性格の軽さが
より静かな悲しみとなって襲いかかる
安定の面白さだ
ただ凄く気になったのは
この映画のハイライトのひとつに
市子がALSの妹の人工呼吸器を止めるシーンがあるのだが
これ医療者じゃない人が見て
何やってるのか分かるんだろうか、と疑問に思った
ALSとは筋萎縮性側索硬化症という神経病変で
医療者は、神経学をこの病気でみっちり学ぶ
なので、医療者であれば呼吸筋がマヒしても
その上位の脳神経である目だけは最後までマヒしない
ということが分かるんだけれど
ALSを知らない人が見たら
何が起こっているのか意味不明なのでは?
と思ってしまった
だって、市子がALSの妹の人工呼吸器を止めた時
妹が市子をジッと見つめるあの目
あれは、本当に素晴らしかった
これから私は殺される、という状況で
感謝とも、憎しみともとれるあの目
病状を伏線として誰かが説明してくれた方が
よりあの目が活かされるんじゃないかなって
思ったのだ
分かる人は、だいたい分かるか
(笑)
sanちゃんは、コメント欄でこうも書いていた
この意味するところも、また知りたかった
で、このコメントの結果だが
俺は、市子が大嫌いだと、分かった
なぜかというと
さっきも言ったが、非常に頭が良くないのだ
今この瞬間を生きたいという
市子の根本を強調するがあまり
自分の歴史や彼との未来を見失っていて
浮き草感がハンパない
俺のもっとも嫌いな人種だ
sanちゃん、霊能力者みたいだな(笑)
見透かされてしまったじゃないか
でだ、俺は好きだ嫌いだ思いながら
勝手に物語に引き込まれていったのだから
この映画は、大成功だし
俺も見てよかった、面白かったと思えた
何より、関西弁がとても心地よかった
でもって、sanちゃんが最後の最後まで
言わなかったあのセリフだが
俺が言ってしまおうと思う
(笑)
俺、性格が悪すぎる!
見たくない人は、行を稼ぐので
ここでページを閉じてほしい
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アングラな世界好き好き
サブカルな世界好き
北新地、めっちゃスキ〜
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さぁ、言うぞぉ
そろそろ、言うぞぉ
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市子、ありがとうな
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