大阪府境ハイキング* 1 天王山~ ポンポン山 (古戦場から登る信仰の地)
豊臣秀吉が天下を取るきっかけとなった、山崎の戦いの舞台である天王山は、大阪と京都の府境付近にあります。ここは、東に向き合う形で石清水八幡宮のある男山があり、この間で桂川・宇治川・木津川が合流して淀川に なる狭隘の地です。明智光秀が秀吉の大軍をここで迎え撃ったこともうなずけます。しかし、秀吉が先んじて、この地を見下ろす天王山を抑えてしまった事は、戦上手であった証だと思います。
この場所に、JR山崎駅があります。ここから、天王山方面に登る道が いくつかあります。天王山からは府境沿いの道が、ポンポン山と言う 変わった名前の山まで続いています。
1 山崎駅~天王山
天王山へ登る道はいくつかありますが、宝積寺(ほうしゃくじ)経由の道から登ります。
ほどなく、豊臣秀吉が本陣を張った、宝積寺の仁王門が横に見えて来ます。
この寺は、聖武天皇・行基の奈良の大仏コンビで、建立されたと言われています。
仁王門をくぐると、右に重要文化財の三重塔があります。
階段の向こうは本堂です。
本堂の裏に登山口があります。階段を登って行きましょう。
山道をしばらく登って行くと、酒解(さかとけ)神社の大きな鳥居が 登山道をまたいでいます。
すぐ横に展望台があり、古戦場跡が一望です。親切に戦いの布陣を描いた 掲示板も設置されています。天下分け目の決戦の場を見下ろしながら、 二人の英雄に思いを馳せる事が出来ます。
鳥居の間を登って行くと登山道脇に酒解神社の社殿があります。
神輿庫・本殿が国の重要文化財との事ですが、無人で入り口が閉じられて おり拝見出来ないのが残念です。周囲に樹木が繁茂していて、撮影する スペースがなかなか取れません。
ここまで来れば、直ぐに天王山の山頂です。
2 天王山~大沢の杉
天王山を越えて、北側に降りて行きます。
鄙びた谷に下りて来ました。
浄土谷という立派な地名です。この地方が信仰の地であった事が伺えます。
谷を進んでいくと小さな寺に出会います。
住職さんもおられるしっかりとしたお寺でした。
隣に神社があります。
この神社の横から裏山を越えて行きます。
山を越えると、広い道と出合い、楊谷寺の経営する大きな共同墓地に 出ます。
楊谷寺は西山三山の一つで、眼病平癒の祈願で有名なお寺です。臨時駐車場の看板が杭に立てかけてありますが、ハイキングルートの道標です。 サイクリングの人は、困っているのかもしれません。
ここから西山古道で北上すると、府境を歩いてポンポン山まで行く事が出来ますが、面白そうな道でないので、西側へ大沢の杉を見に行きます。
大阪府の天然記念物で樹齢 800年だそうです。鎌倉時代の生まれでしょうか。自由奔放でほほえましいです。
3 大沢の杉~ポンポン山
舗装道路をもう少し歩いて林道へ入り、ここから再び、登山道を登ります。
ポンポン山への道標が見えて来ました。登山口からここまで3時間です。
釈迦ヶ岳の手前から、府境の道に戻ります。
釈迦岳を越えると紅葉を見ることが出来る様になりました。
ポンポン山の山頂です
大阪方向を見ると、歩いてきた釈迦岳が見えます。
4 ポンポン山~尖頭型角柱(神峯山寺道)
山頂から京都方面を見ると眺望が開け、京都の下京区・南区が見えます。
左側の中央に、京都タワーも見えます。
府境沿いの登山道はまだ続きます。高槻方面に下山しましょう。
登山道が府境と離れると、二本仲良く並んだ杉の巨木が現れます。
天狗杉の看板が出ていますが、登山地図には夫婦杉となっています。 私の様な 一見さんには、こちらの方が分かりやすいかも。
しばらく下りていくと、本山寺の境内です。
紅葉真っ盛りでした。
本山寺は、役行者ゆかりの修験道の寺で、本尊の毘沙門天立像と聖観音立像の2体の重要文化財の仏さまがおられます。山崎の戦いでは、こんな山奥 まで戦火がおよび、寺院が焼失したという歴史があります。**
もう目指すところはありません。バス通りへ降りて行きます。
神峯山(かぶさん)寺への分岐からは、駐車場へ降りて行く人々と同行になります。
この寺も、役の行者ゆかりの寺で、3体の毘沙門天の御本尊や重要文化財の仏様がおられます。 紅葉のきれいな本堂まで3分ほどの様ですが、人が 多そうなので止めておきます。
山を下りてから、山裾の道を歩いて行きます。
バス通りに出ました。「日本最初毘沙門天神峯山寺」と書かれた 道標があります。
バス停は、もう直ぐです。
* コロナ禍の時に、府外に出てはいけない・外出はいけない・3密はいけないと言われました。しかし、休みの日に家にばかりいる訳にもいかず、府内で3密が無い所は無いかと考え、府境を日帰りで歩ける範囲で区切ってハイキングをしていました。奈良県や和歌山県については府境に縦走路が整備されていて歩きやすかったのですが、ピストンの登山道が中心の京都府と兵庫県については、いまだに終わっていません。投稿は、歩いた順では無く、順不同行っています。
** 本山寺の歴史と自然 本山寺の住職である百済 寂仁さんの論文を 参考にしました。
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