スミレ (ブルーな恋人たちの花)
スミレと言うと、昭和のアイドル歌手 岩崎宏美の「すみれ色の涙」を思い出します
すみれって
ブルーな恋人たちが
キスして
生まれた花だと思うの
・・・・・・
恋愛音痴の私には良く分りませんでしたが、いかにも儚げな印象の歌だったと覚えています。
園芸を始めた頃、道端のスミレを掘り出して、自宅の庭の隅に植えて育てた事があります。大事に育てたのでつぼみが出来て、花が咲くのを楽しみにしていましたが、花を咲かせる事なく、結実して種が出来てしまいました。不思議に思って調べると、生育環境が良いと花を咲かせず結実して、効率良くクーロンを大量生産し、環境が悪くなると花を咲かせて、環境の変化に生き残れる可能性のある子孫を残す、たくましい植物である事を知りました。
すみれって、ブルーな時に恋人を作るんですね。花が咲いているのは、 ブルーな時なのですから、優しく見守ってあげたいです。
前置きが長くなりすぎましたが、私が写真に収めたものから好きな写真を紹介していきたいと思います。
*スミレは種類が多くまた大変細かく、私の手には負えないので大まかな分類しか出来ません。間違いもあると思います。図鑑とは違いますので、 「こんなスミレがあるんだな」くらいの気持ちで見て頂ければ幸いです。
1 タチツボスミレ
自宅の近くの道路や里山歩きをした時によく見かける、私にとって普通のスミレです。しかし、アスファルトの隙間から顔を出した花を撮っても絵になりにくいので、里山歩きをした時の写真ばかりになってします。
芦生は京都府の北部で、滋賀県と福井県との県境の辺りです。京都大学の研究林があり、その森林軌道を歩かせて頂くと、円山川源流の素晴らしい自然に浸る事が出来ます。
足元の小さな命を踏みつけないように歩きたい。
西明石山は、かつて別子銅山の銅山開発でハゲ山になってしまった山です。閉山になった今はアケボノツツジ等の灌木による明るい樹林帯の山になっています。アケボノツツジが一斉に咲く5月は、山が赤く染まり見事としか言いようがありません。しかし、樹林帯の中でも、数多くのちいさな草花に出会う事が出来ました。
2 ツボスミレ
小さな地味な花なので通過してしまうスミレですが、よく見るとしゃれた花です。
いつもスルーしてしまいますが、芦生だから気がついて撮影したのかもしれません。
3 シハイスミレ
イラストで描かれるような、根もとから葉や花柄が直接出て、紫色の花を咲かせるスミレです。写真は花の色が薄いので少し残念。
ダイヤモンドトレイルは大阪府と奈良県・和歌山県の県境の山々の縦走路をつないだ約45kmのハイキングコースです。近畿のハイキングの定番コースとしてにぎわっていますが、ここは比較的静かな所です。出会う人も無く歩いていると、薄暗い登山道の脇に、一斉に咲いているシハイスミレに出合いました。いい群落に出会うとうれしくなります。
4 エイザンスミレ
葉が細かく裂けた、特徴ある品種で好きなのですが、なかなか出会えません。ヒゴスミレかとも思いますが、見分けがつきません。
しかし、エイザンスミレと言う名前が好きです。
5 オオバキスミレ
ブルーな恋人たちというお題ですが、雪の多い日本海側などでは、反対色の黄色に変身します。
赤坂山は滋賀県北部の福井県との県境近くの山です。赤坂山は、私が野の草花の写真を始めた思い出深い山です。5月は色々な花が咲いてきれいな山でしたが、気に入った写真がありませんでした。今年の5月に撮り直しに行きましたが、期待した花に出会えず、悲しく下山しました。しかし、オオバキスミレだけは、私にその姿を見せてくれました。でも、前と場所が違う気がします。みんな、どこへ行ったのでしょう。
6 クモマスミレ
野口五郎岳付近の稜線を歩いていて出会いました。雲海の上を歩いて この花に出会った私には、この名前しか考えられません。
この名前と信じています。