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沖縄旅行-Ⅱ

前回に続き,20代最後の沖縄旅行の1日目を綴っていく。

 ゲストハウスから出発した私は,馴染みの店に向かう。国際通りを牧志駅方面に向かって歩いていく。11月の国際通りは,私の記憶にある国際通りより人通りが少なかった。立ち並ぶ店の様子も昔とは少し変わっている。具体的にはわからないけど。
 屋台村の馴染みの店は,初めて行った時からそこにある。店長は私のことを覚えていてくれた。彼女は3年ぶりに店を訪れた時でも私のことを覚えていてくれたのだ。私の隣には,少し大柄な男性,向かいには沖縄人だろうと思われる客がいた。向かいの客は店長と泡盛の話をしていた。そう,この店は泡盛が豊富なのだ。

 馴染みの店はメニューを見ても,同じものを注文してしまう。オリオンビールを飲んでぼうっと人の会話を聞いていた。向かいの人はいくらかすると会計を済ませて出て行った。店内には,隣の男性と2人になった。
 隣の男性は常連のようで店員の若い子とよく話している。珍しい泡盛を飲んでいた。私はついついそのラベルを凝視していた。彼は声をかけてくれた。それから,ずっと泡盛の話をした。彼は週1で来ているらしい。観光客かと思ったが,地元の人だった。沖縄の読みにくい漢字なども教えてくれた。
 彼が店を出るタイミングで,私も店を出ることにした。久しぶりに,初めて会う人と,たくさんお話をした時間だった。2人の会計額は偶然にも,同じだった。

 2軒目は4年ほど前に教えてもらったお店。当時は県庁裏にあったけど,美栄橋駅側に移転していた。暖簾をくぐって店に入ると,4年前に見たマスターが立っていた。
 店のカウンター席には程々に客がいた。席に着くと早々に隣の人に声をかけられた。なんと1軒目で向かいに座っていた男性だった。私のことを覚えていてくれたよだ。彼の薦めで恐ろしい酒を飲んだ。オリオンビールに花酒を沈めたカクテルだ。マスターの命名センスが輝いていた。その名は「やっけーしーじゃーメーカー」。確実に私は酒に飲まれた。
 カウンター席というのは自然とみんな仲良くなる。私にカクテルを薦めた男性は常連で地元の方のようだ。お互い酔っていたのであまり話は覚えていない。那覇で朝ごはん屋を営んでいるらしい。
 反対側に座っていたのはカップルだった。そのやり取りから夫婦だと思っていたが,どうやら複雑な関係らしい。2人も当然地元民のように馴染んでいた。話を聞くと東京に人だった。その振る舞いから思い込むことはよくあることである。相手からは私も地元の人と思われていたようだ。

 しっかり酔いが回った。カウンターの客は一周して,新しい人が入ってきた。その人たちとも話したがよく覚えていない。すっかり酔っていたのだ。
 次に日は当然のように二日酔いだった。しかし,珍しくあまり後悔はなかった。

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