「親がやるべき受験サポート」のレビュー
「親がやるべき受験サポート」のレビューを行います。佐藤ママと安浪先生の共著ではありますが、佐藤ママにフォーカスしてレビューしていきます。
2021年11月の教室通信を加筆修正してアップしています。
東大理Ⅲとか灘という言葉が並ぶと難関校向けのアドバイスかというとそんなことは全くなく、子どもへの愛情たっぷりな中学受験寄り添い(伴走)ライフの紹介です。どの学校を目指す子ども達、親御さんにも参考になる内容です。また佐藤ママはあくまでも伴走で、直接勉強を教えていないというのも興味深いです。佐藤ママのご自宅の勉強部屋の写真もあって参考になります。
1章 授業サポート
テキストをもらう時っていちばん子どもがテンション上がる時なんです。すごくうれしそうにテキストを持って帰ります。中にはすぐに国語の文章が楽しみだと言って読み始めてしまう子もいます。予習は禁止なのですが、その子は予習というよりは読書という感覚でテキストを読んでいるのでしょうね。
そのテンションの高い時期にちょっとテキストを覗き見して、目次を親御さんが見てみるというのはいいと思います。塾の帰りに「今、この単元をやっているんだ」という会話は子どもはうれしいものです。自分がやっていることに親御さんが関心を持ってくれているのはうれしいんですね。
4年生のときから途中式を書く癖をつけておきましょう。まずは日々の計算と漢字からはじめましょう。
佐藤ママのいう通り、簡単な問題のうちに書く癖をつけておかないと難しくなった時に手が動かなくなり、そこで算数の成長が止まってしまいます。5年生の前半まで算数が得意だった子が後半で失速する理由が式を書くことを怠っていたケースは結構あります。テストでも途中式を書きなさいという問題が出ます。その対策にもなるので心を入れ替えて途中式や単位、何を求めたのかのメモなども残せるようにしましょう。
これはマネしやすいです。私の教室の生徒のノートでもよく見ます。コツはノートを節約して書くスペースを狭くしないこと。書くスペースが狭いと逆に使いにくいノートになってしまいます。佐藤ママの長女のノートが見本も載っています。意外と男の子ぽい感じ字のノートでした。
1問1ページはすごいなと思いました。でも余白は本当に大事です。子どもはテトリスのように詰め込まれたノート作成に燃える傾向があります。ノートを節約しない最もわかりやすいルールが1問1ページなんでしょう。
文房具の工夫は私も賛成です。子どもたちにも時々見せてもらって私もマネすることもあります。最近は一回り大きいA4サイズのノートを使う子や、計算と漢字は罫線のない自由帳にやる子も出てきました。親御さんも特製ノートを作る時にA4サイズのノートにしたり、のりもスティックタイプのものよりもテープのりのほうが使い勝手がいいかもしれません。いろいろ試して楽しみましょう。
計算は算数のすべての原点です。家庭学習で力を入れてほしいところです。共著者の安浪先生がおすすめしている計算ドリルがこちらです。計算量を増やしたい方は参考にしてみてください。「陰山メソッド 徹底反復 新版 計算プリント」の小1~小3のものだそうです。小数、分数はこちらをおすすめされています。「小学算数 にがてな小数の計算に強くなる!」「小学算数 にがてな分数の計算に強くなる!」
アウトプットが理解を深めます。1問でもいいので子どもに解説をしてもらう時間が持てるといいですね。ご家庭にホワイトボードを導入している方もいるそうです。安浪先生のご家庭にもホワイトボードがありました。
この本全体に流れているのが佐藤ママの子どもへの愛情ともうひとつ「覚悟」です。重い言葉ですがとても参考になります。時には無駄になったこともあるようですが、楽しみも見つけながらやっているところもいいですね。
2章 宿題サポート
1週間の宿題の回し方の例も載っているので参考になります。佐藤ママ流「特製ノート」の作り方も載っています。なかなかここまでできる方も少ないと思いますが、ここが佐藤流を離脱するかどうかの正念場なんでしょうね。かんたんに言うとリベンジノートを塾の宿題の問題全部でやるということです。ただ慣れてきたら問題番号を書くだけになるので、子どもが早く慣れてくれれば特製ノートの出番も少なくて済みそうです。
佐藤ママのお子さんのノートの表紙の写真が載っているのですが、名前が佐藤だけ(もしかしたら個人が特定出来ないように加工したのかもしれせんが)私だったら佐藤何人いると思ってんだってフルネームで書きなさいと怒りそうです(笑)図形だけ拡大コピーして貼るのは苦手な子にはおすすめです。本当は自分で図が書けるようになるとよいのですが。図を書くことによってひらめくこともあります。
こちらもできればお願いしたいところです。特に4、5年生のうちは面倒でも親御さんが解答を管理しておいた方が何かとよいでしょう。丸付け直しまでが宿題です。
理科や社会、国語の知識系問題は間違った問題をまとめた「必殺ノート」を作っていたそうです。
写真は参考になります。ここでもカラーペンを使ってゆったり書くのがコツ。「必殺」はちょっとネーミングがこわいですが、私は「リベンジノート」と言っていますが、まだかわいい名前でした。
音読を1問まるまるしてあげているとはさすがに驚きました。読解問題が苦手な子にはいいですよね。親御さんも子どもがどんな文章を塾で習っているかがわかるのでよりおすすめです。
私の卓上カレンダーも2か月が同時に見られるものを愛用しています。またつねに小脇に手帳をおいて年間スケジュールを把握しています。ビジネスマンならば当たり前のことですが、スケジュールが密な子どもも中学受験用の手帳も必要かもしれませんね。
実際のスケジュールも写真で紹介されているので参考になります。TO DOリストの重要性は過去の記事でも紹介していますが、佐藤ママもTO DOリストを作成されています。ぜひ皆さんもマネしてみてください。やることが明確になっているとモチベーションが上がりやすいのです。
こちらもポモドーロ勉強法という形で紹介したことがあります。やる勉強の科目を変えてモチベーションを保ち長時間勉強しましょう。ポモドーロ勉強法向けタイマーです。子ども達にもかわいいと評判がいいです。
3章 テストサポート
何度も同じことを繰り返して「もう、覚えちゃったからすぐ答えが書ける」というところまで体に染み込ませることが大事 5週間かけて5点上げるイメージ。浜学園(佐藤ママのお子さんの通っていた塾)の復習テストは小テストのような形で正答率のようなものはないようです。正答率が出ると復習する問題の取捨選択は比較的やりやすいですね。
4章 過去問サポート
過去問は志望校を隙間から覗き見る感じ 1問でも解いてみると少しその学校の方向性が感じられる。長男と次男は灘中の過去問を7~8年分、長女は洛南中の過去問を8年分、三男は自信がなかったので19年分を3回半解いたそうです。(国語は2回でやめたそうです。)特徴的だったのが1年分通しで解くのではなく1問ずつ解いていたとのことでした。1問10分~15分に設定していたそうです。
関心を持った方はぜひ本を手に取って読んでみてください。